エンタイトルメント/ 権原
entitlement
法律用語としての「権原」:ある行為が正当なものとされる法律上の原因
ロバート・ノージック『アナーキー・国家・ユートピア:国家の正当性とその限界』(1974)によって法哲学における規範的文脈のなかで使用さ れるようになった。
「ノージックはロシア系ユダヤ人移民の子供として、アメリカニューヨークのブルックリ ンで生まれた。父親はロシアのシュテットルからやってきた実業家で、Cohen という名前だった。ノージックは最初はアメリカ社会党の活動家であり、後にリバタリアニズムに転向した。……『アナーキー・国家・ユートピア』(Anarchy, State, and Utopia, 1974) では、ノージックは、最小国家は個人の権利を侵害しないで成立しうるものであることを論じる。そもそも国家が樹立される以前の自然状態においては、ホッブ ズが論じたような万人の万人に対する闘争という状況と、ロックが論じたような人間 が、原則として道徳に服従する状況が想定される。ここでは、道徳的な自然 状態において、国家を正当化することで、国家の道徳的根拠をより積極的に説明することができると判断して、ロックの自然状態を前提とする。/ノージック は、国家の樹立に対しては、社会契約に基づいた構成物ではなく、スミスが論じた市場での神の見えざる手と同様に、意図しない自然な結果として発生したもの であると論じる。また、彼は、諸々の個人が相互に権利を保護するための協会を設立し、これは警備会社と保険会社を兼ね備えるような組織となると考える。そ して、この権利保護協会は、最初は複数の協会が並存しているが、市場競争を経て独占状態が発生することになる。この支配的な保護協会は、他者に依存せずに 自らの権利を実現する個人に対しては、個人の自由な行為を制約する代わりに補償を行うことで、無料で保護のサービスを提供する。こうして、支配的保護協会 は、領域内において全ての住民の権利を保護する最小国家が成立することになる。/ノージックは、最小国家の道徳的な正当化を行い、財産の再配分を行う福祉国家に対して批判している。ノージックによれば、このよ うな再配分は、特定の人々の権原を侵害しており、彼らを他の人々のために利用する行 為である。なぜなら、人間の身体と労働は、本人の所有物であるためである。このノージックの権原理論は、取得の正義に関する原理、移転の正義に関する原理、そして過去の不正 義の矯正における正義の三つの原理から成立している。個人の権原を侵害しない最小国家のみが正当化しうる国家である。」#Wiki.
"Nozick's entitlement theory, which sees humans as ends in themselves and justifies redistribution of goods only on condition of consent, is a key aspect of Anarchy, State, and Utopia. It is influenced by John Locke, Immanuel Kant, and Friedrich Hayek.[4]The book also contains a vigorous defense of minarchist libertarianism against more extreme views, such as anarcho-capitalism (in which there is no state and individuals must contract with private companies for all social services). Nozick argues that anarcho-capitalism would inevitably transform into a minarchist state, even without violating any of its own non-aggression principles, through the eventual emergence of a single locally dominant private defense and judicial agency that it is in everyone's interests to align with, because other agencies are unable to effectively compete against the advantages of the agency with majority coverage. Therefore, even to the extent that the anarcho-capitalist theory is correct, it results in a single, private, protective agency which is itself a de facto "state". Thus anarcho-capitalism may only exist for a limited period before a minimalist state emerges.....Nozick's discussion of Rawls's theory of justice raised a prominent dialogue between libertarianism and liberalism. He sketches an entitlement theory, which states, "From each as they choose, to each as they are chosen". It comprises a theory of (1) justice in acquisition; (2) justice in rectification if (1) is violated (rectification which might require apparently redistributive measures); (3) justice in holdings, and (4) justice in transfer. Assuming justice in acquisition, entitlement to holdings is a function of repeated applications of (3) and (4). Nozick's entitlement theory is a non-patterned historical principle. Almost all other principles of distributive justice (egalitarianism, utilitarianism) are patterned principles of justice. Such principles follow the form, "to each according to..."" - #Wiki.
“Our explanation does not assume or claim that might makes right. But might does make enforced prohibitions, even if no one thinks the mighty have a special entitlement to have realized in the world their own view of which prohibitions are correctly enforced (Robert Nozick, Anarchy, State and Utopia, Reprint Edition, 2013, pp. 118-119”. #Wiki.
アマルティア・セン(Amertya K Sen, 1933-)流の使い方によると、「あ る社会において正当な方法で「ある財の集まりを手に入れ、もしくは自由に用いることのできる能力・資格」、あるいはそのような能力・資格によって「ある人が手に入れ、もしくは自由に用いることのできる財の組み合わせの集合」 という(黒崎・山崎 2000:v)。
リンク
人間にとっての真のケイパビリティとは? 「人間の屑」あるいは「人間ゴミ」の問題について 土地と所有について︎▶︎ロバート・ノージック▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎
文献
セン,アマルティア、2000『貧困と飢餓』黒崎卓・山崎幸治訳、岩波書店 ロバート・ノージック『アナーキー・国家・ユートピア:国家の正当性とその限界』Blackwell, 1974/木鐸社, 1995年
その他の情報
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