文化人類学試験問題
解説:池田光穂
問題1. つぎの用語の中から5つを選んで解説しなさい。
(1)文化相対主義(cultural relativism)
(2)出自(descent)
(3)参与観察(participant observation)
(4)文化表象(cultural representation)
(5)二項対立(binary opposition)
(6)医療的多元論(medical pluralism)
(7)サピア―ウォーフの仮説(Sapir-Whorf hypothesis)
(8)機能主義(functionalism)
問題2. つぎの文章は東アフリカのギリアマの人びとの民族誌記述の一部です。文中で指摘されているある種の情緒である「ウツング」についてさらに詳しく知るためには、どのような人びとに対して、どのような調査をおこなうべきでしょうか。あなたの調査計画をのべなさい。
ウツング(utungu)は毒や苦さ、遺恨、怒りを一方で意味するとともに、他方では悲しみを意味する。それは、愛するあるいは尊敬する親族や友人の葬式で経験する感情である。男性も女性もその人の損失を嘆き、それが起きたこと自体を恨みに思い、死をもたらした妖術使い(witch)に怒りを感じる。妖術使いは支払いを受けているので、感情は愛しい人をなくしたことの結果と、彼あるいは彼女の死への復讐の意図の双方をともなったものとなる(Parkin 1984:118)。