費用の外部化
Externalization of costs
解説:池田光穂
資本主義システムが、生命系システムに対して破壊的な効果をもたらしている説明のひとつが、新古典派経済学のいうところの「費用の外部化」 である。
これは、生命系の破壊によって利益を得る生産者が、その破壊をコストとして見なすのではなく、(会社の社会的信用を落とすというリスクを賭 けても)そのコストをかけないように削減して計上しているということである。
例えば、ある生産者が廃棄物を海や野に投棄して、そのために環境を汚染した場合、生産者は処理費用のコスト節約していることになる。あるい は自動車の製造会社は、環境基準にあった車を販売するだけだが、その製品が巻き散らかす排気ガスの環境負荷に対する費用を負わない。つまり生産者や製造会 社は、環境破壊のコストを外部化させて、費用を節約しているわけである。
環境負荷に対する費用の外部化は、地球の生命系に対して、つまり公共に対して害悪をもたらした。これを防ぐ方策としては2の方法がある。ま ず、外部化していた費用を内部化するように生産者に強いるか、国家が生産者のもたらした害悪の尻ぬぐいをする——たとえば増税をしてその費用を環境回復に 充てる——という方法である。
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