みんなが手話で話したよ
Everyone here spoke sign language
:
hereditary deafness on Martha's Vineyard by Nora Ellen Groce, b.1952.
★書肆解説:ボストンの南に位置するマーサズ・ヴィンヤード島。 遺伝によって耳の不自由な人が数多く生まれたこの島では、聞こえる聞こえないにかかわりなく、誰もがごくふつうに手話を使って話していた。 耳の不自由な人も聞こえる人とまったく同じように大人になり、結婚し、生計を立てた。 障害をもつ者ともたない者の共生----この理念を丹念なフィールドワークで今によみがえらせた、文化人類学者の報告(築地書店HP)。
原著解説:"From the seventeenth century to the early years of the twentieth, the population of Martha's Vineyard manifested an extremely high rate of profound hereditary deafness. In stark contrast to the experience of most Deaf people in our own society, the Vineyarders who were born Deaf were so thoroughly integrated into the daily life of the community that they were not seen-and did not see themselves-as handicapped or as a group apart. Deaf people were included in all aspects of life, such as town politics, jobs, church affairs, and social life. How was this possible? On the Vineyard, hearing and Deaf islanders alike grew up speaking sign language. This unique sociolinguistic adaptation meant that the usual barriers to communication between the hearing and the Deaf, which so isolate many Deaf people today, did not exist."
「17世紀から20世紀初頭まで、マーサズ・ヴィンヤードの人々は極めて高い確率で重度の遺
伝性難聴を患っていた。私たちの社会のほとんどのろう者が経験していることとは対照的に、ヴィンヤードのろう者は、日常生活に完全に溶け込んでおり、自分
たちが障害者であるとも、別の集団であるとも見なされていない。政治、仕事、教会、社会生活など、生活のあらゆる場面にろう者が入り込んでいた。なぜ、こ
のようなことが可能だったのだろうか。ヴィンヤードでは、聴覚障害者もろう者も同じように手話を話して発展してきた。この独特の社会言語学的適応は、今日
多くのろう者を孤立させている、健常者とろう者の間のコミュニケーションにおける通常の障壁が存在しないことを意味した」
第1章 「ほかの人間とまっ たく同じだった」 1. "They Were Just Like Everyone Else"
人類学と障害者
情報源
第2章 マーサズ・ヴィンヤード島の歴史 2. The History of Martha's Vineyard
ヨーロッパ人の入植
漁業全盛期のヴィンヤード島
20世紀
第3章 ヴィンヤード島の聴覚障害の由来 3. The Origins of Vineyard Deafness
遺伝性聴覚障害
遺伝の由来
ヴィンヤード島における初期の聴覚障害
ケント州ウィールド地方
ウィールド地方の聴覚障害
清教主義
ウィールド地方からヴィンヤード島へ
第4章 ヴィンヤード島の聴覚障害の遺伝学 4. The Genetics of Vineyard Deafness
遺伝的隔離集団としてのヴィンヤード島
ヴィンヤード島の聴覚障害の分布
聴覚障害の発生原因に関する理論
島の聴覚障害の消滅
第5章 聴覚障害への適応 5. The Island Adaptation to Deafness
聴覚障害に対する態度
島の手話
手話の研究
第6章 島でろう者として育つ 6. Growing Up Deaf on the Vineyard
幼少期
教育
結婚
家族
生計の維持
くらし向き
政治参加
法的義務
社会生活
共同体の催し物
島で最後のろう者
第7章 歴史的にみた聴覚障害 7. Deafness in Historical Perspective
第8章 「あの人たちにハンディキャップはなかった」 8. "Those People Weren't Handicapped"
Appendix A. Oral and Written Sources
Appendix B. Perceived Causes of Vineyard Deafness
Notes
Bibliography
Index
+++
Links
リンク
文献
その他の情報