医療人類学の論文を書きたいのですが?
【しつもん】
私は現代社会のさまざまな医療問題に関心があります。医療人類学の専門教育は受けておりません。それでも なお医療人類学の論文を書きたいのです。ついては、それに関する以下の質問に答えていただけないでしょうか?
【おこたえ】
(1)どんなソフト(LaTexとか)を使ったらいいか。
必要に応じてですが、とくにこの学問分野に必須で特異 なソフトはありません。
(2)どれくらいの長さにすればいいか。
日本語で書くことを前提にお話します。 まず、どのようなメディアに寄稿するかによります。商業雑誌だと4000字から2万字ぐらいでしょうか。専門学術雑誌だと3万字ぐらいまで書けます(参照 文献込みで)。
(3)どこに投稿すればよいか、あるいは それは無謀なことなのか。
無謀? 人間の知的営為はすべて無謀からはじまりま す。
商業雑誌は、その編集部です。ただし、全くの飛び込み は、内容が秀逸なものでないかぎり返事は帰ってこないでしょう。大学の先生のコネは(現実問題として)必要ですね。
専門雑誌『文化人類学』『社会人類学年報』は学会員あ るいは会員でしか、投稿できません。当然、審査員による査読をパスしなければなりません。 それ以外には、大学の紀要や小さな研究サークルの機関誌ですね。こちらに関してはあまり知りません。
(4)論文の載っている雑誌の入手方法、価格。 と(5)学会の加入や雑誌の購読、投稿のコスト。
『文化人類学』は学会員(別途学会費が定められていま す)でないと手に入れられません(予め言っておきますが、専門家以外には面白い雑誌とは言えません)。でも、学会発表——論文の投稿と同じくらい大切な活 動——の資格が与えられるので、不可欠です。
アメリカ人類学連合(American Anthropological Association)に属している「医療人類学クオータリー」誌も、会員でないと講読寄稿できません(この学会に属するためには連合の共通会員にな り、さらに医療人類学会に加入しないといけないので、学会費は相当なものになります。ただし、クレジット決済できます)。
これらの雑誌は大きな国立大学の図書館で見られます (国立情報学研究所のウェブキャットで所蔵を調べてください)。
あなた(近畿在住)のお近くなら阪大の生命科学図書館 には全部あるかもしれません。 学会の情報は、それぞれのホームページで調べてください。
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