文化多元主義(Multiculturalism)について長い論文が書きたいのですが?
回答者:池田光穂
【質問】
私は文化人類学の授業を受けてきて、日本人のアイデンティティについてずっと考えてきました。ま たルース・ベネディクト『菊と刀』などを読み、日本人として共感できる(「あ、あ・・なるほど」と思う)部分と、そうとは思わない(「柳田国男の指摘のよ うに日本にも罪の文化や精神性もあると思う」)部分も両方感じました。そのような中で、柳田国男や和辻哲郎がベネディクトの業績を、自らの日本人であるこ と、ないしは日本文化の研究者であるという権威をもって、単一の日本人性を論じることの限界について感じました。もし柳田や和辻が正しかったら、帰国子女 は日本人ではないとか、特殊な日本人ということになってしまうからです。
その限界を打破するために、私は文化多元主義という見方に興味を持ち始めました。しかし、私には (卒業論文を仕上げるまでの)時間がありません。すでに文化多元主義について何冊かは読んでみました。でも。先の日本人論と文化多元主義の勉強がうまく関連し ないのです!! どーしましょうか?
そんな横着な私でもかける論文の構成について伝授してくださーーーい! お願いします。
【おこたえ:池田光穂】
はいはい、私はそういう横着な発想が大好きです。(時間的にも迫ってますからね〜)
次のようなプロトコルで進めます。
(1)多文化主義とは何か?:序論
これはこの考え方の歴史、展開、現在などをまとめます。(4000字)
(2)多文化主義の実例
これは、オーストラリアとカナダの事例を検討すればよいでしょう(各4000字)
(3)多文化主義の具体的な考え方やモデル
これは、これまでのモデルを4〜5のチェックポイントでまとめます(2000字)
(4)日本において多文化主義は可能か?
上であげた4〜5のチェックポイントを日本のケースであてはめ、それが可能かどうか調べます(2000字)
(5)多文化主義の実現に向けて:結論
上であげた日本のケースでの問題点と到達目標、さらにそれらを実現させる提言をおこないます(2000字)
これで、論文はできあがり!
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