コミュニケーションデザイン・センター(CSCD)の紹介
2013年
大阪大学コミュニケーションデザイン・セ
ンター(CSCD)
Center for the Study of Communication-Design
1.コミュニケーションデザインの実践的研究
社会と専門家(あるいは社会と専門知)をつなぐ回路のデザイン
部門構成(2013年度)
臨床部門/科学技術部門/アート部門/コミュニティ部門/
コミュニケーションデザイン部門
2. 人材育成/大学院の共通教育の開発と実施
1)2006年度から授業開始(日本の大
学で初めての組織的対応)
2)2012年度 開講科目数:46科目
3)2008年度 大学院高度副プログラム「コミュニケーションデザイン」提供開始
4)2011年度 大学院を対象とした高度教養教育「知のジムナスティックス」へと発展
3. 社学連携ーー参加型プログラム
1)アートエリアB1「ラボカフェ」
哲学、アート、サイエンス、減災、医療
etc…多岐に渡るテーマに基づいて、対話、レクチャー、アートイベントなどのプログラムを毎月5本程度実施。大阪
大学、京阪電気鉄道株式会社+NPO法人ダンスボックスとの共同運営によるコミュニティスペース「アートエリアB1」を軸に活動。研究者のアウトリーチ活
動など、2012年度開催回数は80回を越える。
2)オレンジカフェ
CSCDが運営するワークスペース「オレ
ンジショップ」(豊中キャンパス)において、身体を動かしながら考える身体ワークショップや、映像をみたり、実際
に自分たちで制作したりして話し合う映像ワークショップ、マンガや絵画、音楽などについて鑑賞しながら話し合う対話プログラムなど実施。大阪大学の学生や
教職員だけでなく学外からの参加も多い。
3)知デリ
学内外の施設とコラボレーションし、大阪
大学の研究者、アーティスト等、多彩なゲストによる対話を通して「表現」や「技術」に関する知を、社会に還元(デ
リバリー)するトークプログラム。2006年より始動し、アップルストア(銀座、心斎橋)を主な舞台として、現在まで16回を開催。学生主体による企画運
営も合わせて行っている。
4)ワークショップデザイナー育成プログラム
社会に適応できる力として「コミュニケー
ションの力」に着目し、その育成ができる人材「ワークショップデザイナー」を育成するためのプログラム。ワーク
ショップの理論・実践を多角的に学ぶ機会となっている。大阪大学の他に青山学院大学や鳥取大学とも連携。
5)その他
ロボット研究(2006大阪市・石黒ー平
田演劇)/セコム共同研究/各種カフェ・イベント/サイエンスショップ/シンポジウム/NPOとの共同研究/等多
数。
4. 研究活動
政策のための科学「公共圏における科学技 術・教育研究拠点(STiPS)」
大阪大学および京都大学の連携による人材
育成プログラム。科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」推進事業の一環として、2012年1月
に発足した。科学技術の倫理的・法的・社会的問題(ELSI)に関する研究と教育を行い、政策形成に寄与できる「政策のための科学」の人材育成を進める。
アサヒホールディングスとの協働プロジェクト(2011年〜2013年)
アサヒグループホールディング株式会社研
究開発部門との共同研究。研究者と生活者のコミュニケーションのあり方を個々に分析し、メーカーのものづくりに貢
献しうるスキルとメカニズムについて検討する次世代型の産学連携プロジェクト。
現場力研究会
医療やケア、教育、アートなど、さまざま な対人コミュニケーションが生じる「現場」。現場力研究会は、その具体的な諸相に光をあて、現場で求められる知に ついて、看護学、人類学、臨床哲学などを専門にするメンバーや、医療や介護、通訳や事務等々を担う実践家たちが、学際的観点から議論する場。
犯罪からの子どもの安全
演劇ワークショップを通じて子ども達が犯
罪に巻き込まれにくい「考え方」や「感覚」、危機に際しての「対応力」を身につけるプログラムを研究開発するも
の。さらに、その効果の実証データをもとに、持続可能な施策として自治体などに政策提言を行う。
高齢社会プロジェクト
高齢者がもっと多様な文脈で生きられる社
会を目指して、コミュニケーションデザインの観点から実践&研究するプロジェクト。CSCD臨床部門の教員を中心
に、学内外の様々な人たちと連携しながら、高齢者施設での身体ワークショップやダンスワークショップ、介護関係者とケアの記述に関する勉強会、子どもと老
いに考える対話などに取り組む。
子どもにまつわるコミュニケーションデザイン研究会
「子ども」を切り口に、科学技術、臨床、
アート、コミュニティなど様々な領域の活動や研究を緩やかにつなげ、新しい研究の提案や教育プログラムの可能性を
さぐるプロジェクト。
臨床実践の現象学研究会
看護師や社会福祉士、音楽療法士や舞踊家
や教員が日常的に行っている実践、あるいは病いを患う経験等々は、それを実践したり経験したりしている当事者でさ
え、自覚していない多くのことを生みだす。それらの実践や経験の成り立ち方や、そこから見出された新たな概念について、現象学や関連分野の知を手がかりに
して議論を進めるもの。
インタビュー・リサーチ・プロジェクト
映像メディアの特質を活かしたインタ
ビューを通して、学内メディアの構築と学内連携の促進を目指すプロジェクト。コミュニケーションデザインとデザイン力
に関する教職員/学生へのインタビュー、より多くの学内関係者が視聴可能なメディア環境の研究実験、大学の広報活動とデザインに関するヒアリング調査、を
実施する。
コミュニケーションデザイン研究会
多種多様な背景をもつCSCDの教員たち
が、月に一度顔を合わせ、学内外での個々の研究・社会活動を順に発表しあい、意見をたたかわせるコミュニケーショ
ンデザインのフォーラム。「コミュニケーション」「デザイン」「研究」「教育」・・・人によって理解の仕方が異なるこれらの言葉を、対話によって紬だそう
とする活動。
5.実績
1)2011年度 文部科学省「政策立案人材育成等拠点形成事業費補助金」
科学技術イノベーション政策における「政
策のための科学」基盤的研究・人材育成拠点整備事業』(最長15年)
日本の科学技術イノベーション政策を担う優れた人材を育成するプログラム。
2013年4月から大学院生を対象として、副専攻プログラム(14単位修得)・高度副プログラム(8単位修得)「公共圏における科学技術政策」の提供を開
始する。
2)WWViews(2009) 地球温暖化問題をめぐる世界市民会議 日本代表
タイトル:「World Wide
Views in Japan 〜 日本からのメッセージ:地球温暖化を考える」
2009年12月、デンマーク・コペンハーゲンで「COP15(気候変動枠組条約国会議)」開催
COP15の交渉に当たる政府関係者に、世界の市民の声を届けるため、世界38カ国44の地域で2009年9月26日同時開催された市民会議の日本代表と
して、京都に全国から105名の一般市民を集め日本の声をまとめた。
資料(2006年度外部評価時における内部通達文書)
CSCD教員 各位
全学評価委員の池田光穂です。 本状は近い将来に控えている、各教員の業績(研究・教育・管理・社会 貢献等)評価ならびに(外部からの問い合わせに対応するための)パブ リックサービスのために、各教員からの研究教育業績の成果物(主に書 籍を中心とした)の寄贈に関するお願いについてです。
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【状況の説明】
これまでCSCDの入り口に、一部教員による本を中心と した著作物が展示してありました。これらの著作は、採用時の審査対象 となった業績を中心にして、CSCDの教員による書籍などが公刊された 時に寄贈されたものから成り立っています。このような業績の展示は、 CSCDへの訪問者などには、その教員の活動や経歴などの知る有益な手 がかりとなるだけでなく、CSCDそのものの活動にとっての大きな広報 媒体にもなっていました。いちょう祭の時には、オレンジラボに展示さ れましたが、その際に訪問看護をおこなっている学生からNさんの 著作を販売してほしいとリクエスト受けてました。
【その意義】
現時点ではスペースの制約はありますが、今後もこの種のコレクション を継続的に続けていくことには、組織として十分な意義があり、またそ れぞれの教員の最新作などを知ることにより教員のためにも、いろいろ な研究・教育上の励みにもなると考えます。
【今後の対応とお願い】
財政的に余裕があれば、皆さんの著作物を買い上げて展示することも可 能ですが、現時点ではそのような予算もありません。したがって、今後 とも皆さんが主著あるいは共著で公刊された書籍や報告書等の成果物が あれば、CSCDに寄贈してくださるようお願いします。
【寄贈の方法】
現時点では主著あるいは共著などの書籍や報告書など「書籍の形態」を もつものの寄贈をお願いします(雑誌論文などは現時点では受け付けま せんーーただし複数の論文を製本化し読みやすくしたものについては 「書籍の形態」と判断します)。もし、共著などで背表紙などの手がか りを使ってメンバーの業績であることがわからない場合は、当該箇所に 付箋をつけて、はみ出した部分には「氏名(フルネーム)」を書いてく ださい。どなたの教員の作品かわかりやすくなります。
【管理方針】
基本的には、その現場での閲覧をのみ認め、オーバーナイトの貸し出し を認めないようにします。著作権が定めるさまざまな諸権利を侵害しな い範囲でのCSCD教員のために複写することを寄贈者は容認していただ くようにします。また寄贈物の所有ならびに、別の保管場所確保のため に附属図書館等への移管(場合によっては処分)の手続きなどを行う権 利はCSCDにあるものとします(=所有権の譲渡つまり「寄贈」です)。
【期間】
随時受け付けます。せっかくですので、寄贈された時点で全員のML(職 員の方も教員の仕事に関心をもたれているので)に流していただければ、 CSCD内部での教員活動報告ならびに書物の宣伝にもなります。
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寄贈に関するお願いは以上ですが、この件あるいは、これ以外でもCSCD の業績評価やパブリックサービスに関するご意見や提言がありましたら 是非お寄せください。
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以上です。
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2013年度の外部評価委員会の際の組織からの資料(パスワード付き)gaibhyoka2013.pdf