授業評価アンケート[みほん]
日本の大学では、受講学生に対して授業アンケートをとったり、同僚や管理者が授業参観をおこなうことを嫌う風潮が長く続いてきた。しかし FD(ファカルティ・ディベロップメント)の普及で、最近はそのような傾向に、異論を唱える大学教師は少数派になってきた。
さて、ここでは受講生に対する授業評価アンケートの原型(プロトタイプ)を示してみたい。モデルが古いのでーーRuth Berad, 1972ーー現在では通用しなかったり、古くなった尺度規準もあるかもしれないが、参考にして、活用して、それぞれの現場で役に立つように改良すればよ い、というのが私の考え方である。新しい時代には、新しい授業評価の尺度があるからだ。
2013年度授業評価「簡単でシンプルな授業評価5分間アンケート」
を作成pdf版(jyugyoHyoka2013.pdf)
【大学教師評価の評価項目:中項目】(ロンドン大学 1982:104-105)※評価
チェックポイントの視点
A 教師は、私の興味を講義の最後まで持続させた!
B 教師は、教材を明確に解説した!
C 教師は、授業のあいだ学生に何を求めているかを明確していた!
D 教師は、意思伝達のやり方が上手であった!
E 教師は、教材の選択や構造化が乗ずである!
F 教師は、◎◎◎という点がすばらしかった!
【大学教師評価の評価項目:細目】※以下の点について、総合および各論について5段階評価を 与えてください。
A 教師は、私の興味を講義の最後まで持続させた!
講義の最初に私の関心をとらえた
講義の場面づくりの設定がうまい
講義の提示のやり方が多彩だ
受講者の活気を促している
興味を引くやり方で授業を終わらせた!
授業内容と受講生の関心をうまく関連づけている
学生の個人的関心と講義の重点をうまく関連づけている
B 教師は、教材を明確に解説した!
教師の説明は明確で理解しやすい
実例、図解、引用をうまく活用している
視聴覚機材をうまく利用した
定期的に授業評価をおこなった
重要な教材には力点をしっかりと置いている
授業の目的を明確にしている
難しいポイントは別の仕方をして理解させている
C 教師は、授業のあいだ学生に何を求めているかを明確にしていた!
授業中にノートをとる価値のある点をはっきり示している
受講者の参加意識を刺激している
学生の理解を知るために適宜フィードバック作業をおこなっている
講義のあと学生にどんな勉強をおこなえばよいか、きちんと伝授している
D 教師は、意思伝達のやり方が上手であった!
声を有効に使っている
ジェスチャーや身体の使い方が効果的である
自分(受講生)と定期的にアイコンタクトしている
クラスの全員との関係において親密さ(親切さ)を共有している
このクラスは、期間を通して活気があった
E 教師は、教材の選択や構造化が上手である!
自分(受講生)の必要性と関心にあった教材を提示した
教材を科目の主題や教育目的に沿いながら構造化している
この科目に対する関心を上手に引き立てた
許された時間内に適切な分量の教材を提示した
F 教師は、◎◎◎という点がすばらしかった!
【自由回答】
逆に皆さんにとって気になったり、気を散らせるような教師の行動がありましたか?
講義のなかでもっとも印象に残った点はなんでしょうか?
こういう点を改善すれば、授業がもっとよくなると思う提案があれば、提案してください。
【文献】
ロンドン大学・大学教授法研究部『大学教授法入門』喜多村和之ほか編訳、1982年
2013年度授業評価「簡単でシンプルな授業評価5分間アンケート」
を作成pdf版(jyugyoHyoka2013.pdf)
● 教師の人物評価
◎ 声の明瞭度
非常にはっきり、聞こえやすい、ふつう、聞き取れないことがある、聞き取れない
◎ 声の質
かなり明瞭、明瞭、ふつう、ちょっと単調、単調
◎ 話しのスピード
速すぎる、速い、ふつう、すこし遅い、遅すぎる
◎ 外観や身だしなみ
非常によい、よい、ふつう、少しわるい、わるい
◎ 態度や物腰
非常によい、よい、ふつう、少しわるい、わるい
◎ クラスの学生との関係の取り方
非常によい、よい、ふつう、少しわるい、わるい
● 授業の内容と方法
◎ 教材の分量
多すぎる、多い、適度、少し少ない、ない/価値なし
◎ 明快さと構成のよさ
きわめて明瞭、明瞭、ふつう、わかりにくい、ほとんどわからない
◎ 効用性
きっと役立つ、役立つ、ふつう、あまり役立たない、ほとんど役立たない
◎ 刺激や興味
これについてもっと勉強したい、勉強する必要を感じた、ふつうの必要性、ほかのものをとればよかった、この分野に関する興味をほと んど失った
◎ 自由意見