臨床コミュニケーションの実践的理解
臨床コミュニケーション入門《第8回》
講義目的
生命倫理の原則、QOL、EBMの基礎を理解し、終末期医療・緩和医療・先端医療の諸問題について論じる。
講義内容
・(気さくなレストランである)ビストロをまねて、講義のメニューを聴講生の好みに合わせて微調整をおこなう方式で臨む。
・EBM実践の5つのステップ
(1)臨床上の疑問点の抽出
(2)文献検索
(3)論文のエビデンスの妥当性を評価
(4)適用
(5)自らの医療を評価
『厚生省医療技術評価推進検討委員会報告書』平成11年3月
・エビデンス・レベル
Ia. 複数のランダム化比較試験のメタアナリシス
Ib. 少なくともひとつのランダム化試験
IIa. 少なくともひとつのよくデザイン化された非ランダム化試験
IIb. 少なくとも一つの他のよくデザインされた準実験的研究
III. 比較研究や相関研究、症例対照研究など、よくデザインされた非実験的記述研究
IV. 専門家委員会の報告や意見、あるいは権威者の臨床試験
米国医療政策研究局『AHCPR』1993
・生命倫理の原則
基本4原則
(1)自律の尊重(respect for autonomy)
(2)無加害(nonmaleficence)
(3)恩恵(beneficence)
(4)正義(justice)
(1)自律の尊重(respect for autonomy)
[問題点]自律性の有無の規準をどのように定めるのか。また自律性なしと判断した場合の対応は?
(2)無加害(nonmaleficence)
[問題点]当事者の意思があれば、免除可能(害悪)を与えることができるのか?
(3)恩恵(beneficence)
[問題点]当事者の意思があれば免除可能(=善をおこなわないでよい)か?また、パターナリズムは正当化可能か?
(4)正義(justice)
[問題点]資源配分の実質的原理から、誰がどのような根拠で選択するのか?
医療のコミュニケーション
以上の4つの原則を実現するために医療の消費者(患者・家族)と医療従事者との間で行われる
やりとり=医療における研究は、これらを実現するための基礎資料ないしはルールづくりである。
配付資料
・ハンドアウト「臨床コミュニケーション入門」(PowerPoint)プリントアウト資料
注意:このページは平井啓先生が配布した資料をもとに、池田光穂がその授業内容をまとめたものです。
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