臨床コミュニケーション入門
《第10回》
裁判をめぐるコミュニケーション
講義目的
・紛争・対立・葛藤・トラブル・諍いと表現されるコンフリクトの解決方法として、裁判(訴訟)がある。裁判のしくみを理解してみよう。
・医療の現場でのコンフリクトである医療事故紛争を、現行の裁判や法制度から概観する。
・妥協点を調整するのではなく、両者が不満や不信感を残さない、新しい紛争解決を場や過程(プロセス)から創造的に模索する方法を紹介する。
講義内容
・医療事故と医療過誤、およびクレームトラブル
・医療事故・医療紛争・医療(民事)訴訟
・事故原因・責任・事故防止
・医療事故訴訟の困難さ
・医療機関側が損害賠償を負う3要件
・患者はなぜ訴えを提起するのか?
・事故をおこした医療者の思いと訴訟制度の限界と課題
・医療事故判例からのスキルプラクティス
・悲嘆からの回復と医療メディエーション
・ 裁判外紛争解決〜ADR
・ 対話の場と対話を支える人〜メディエーション、メディエーター、
配付資料
・中西淑美「裁判におけるコミュニケーション」(PowePoint)ハンドアウト資料
・多様性とは?(人間の多様性に関するリストアップワークシート)
文献
・井上正三・高橋宏志・井上治典編『対話型審理』信山社
・古川俊治『メディカルクオリティ・アシュアランス―判例にみる医療水準』第2版より抜粋
・ 和田仁孝・中西淑美『医療コンフリクト・マネジメント〜メディエーションの理論と技法』シーニュ社より抜粋
・ 和田仁孝・太田勝造・阿部昌樹編 『交渉と紛争処理』
・ 和田仁孝 『民事紛争処理論』
・ 早川吉尚・谷口安平・浜野亮・高橋裕・和田仁孝・山田文・垣内秀介・長谷部由起子 『ADRの視座』
注意:このページの内容は中西淑美先生の授業内容を、池田光穂がとりまとめたものです。
● はじめにもどる