PBLで学ぶ医療人類学2008
文化人類学2008:近大姫路大学看護学部2008年度前期授業
文化人類学(教養)
選択(1年) 前期 2単位 30時間
池田光穂・倉田誠 オフィスアワー(講義日当日)
アドレス:tiocaima7n [at] mac.com
PBL方式で学ぶ医療人類学:文化は生物医療の実践にどれだけの意味をもつのか?
看護学領域では文化人類や医療人類学という学問への期待が.(医師養成の教育課程よ りも)高い。理由は明らかで、ケアの実践学としての看護学は、患者とその家族という生 活領域により深く接近したいという職業上かつ学問上の要請によるものだからである。 とりわけ、高度に生物医学化した領域の専門分科看護学よりも基礎看護学や開発途上国を 対象にする国際看護学と親和性をもつと言われている。世界的にみても世界の公衆衛生学 専門大学院では、医療人類学は国際開発学とならんで重要な科目になっている。
他方、我が国の状況はどうであろうか。その答えは一部の大学を除いて極めて低い位置 しか与えられていない。つまり全くお寒い状況である。このような日本の看護学教育のな かで、この授業がもつ意味の重要性や担当講師の野心について分かっていただけたと思う。具体的問題を解く学習者の過程の中に学習の重要な意味をもたせる PBL(問題解決型学習)という方法をつかって、文化人類学とりわけ医療人類学とよばれる領域の考え方・方法論・職業倫理を効率よく教授していきたい。
この授業は厳しいですが、なるべく楽しめながら意義深いように工夫されています。勉強はみずからの自主性でおこなうという参加モラルの 高い学生で、討論やグループ学習を多く取り入れるので協調性のある方を優先したいと思います。
受講希望者数によりスケジュールが変わることがあります。
教科書:池田光穂・奥野克巳編『医療人類学のレッスン』学陽書房、2007年
池田光穂・倉田誠「ワークショップ資料集」(配付資料:[kinhime2009.pdf]パスワードが必要です。)
参考書:
池田光穂『実践の医療人類学一中央アメリカ・ヘルスケアシステムにおける医療の地政学的展開』世界思想社、2001年。
医療人類学研究会編『文化としての医療』メディカ出版、1992年。
近藤英俊他『現代医療の民族誌』明石書店、2004年。
ジョーダン.B『助産の文化人類学』日本看護協会、2001年。
マッケロイ、A.とP.タウンゼント『医療人類学』大修館書店、1995年。
波平恵美子『医療人類学入門』朝日新聞社、1994年。
吉田正紀『民俗医療の人類学』古今書院、200年。
下記のウェブページも参照してください(医療人類学プロジェクト)
成績評価の方法:
この授業は教養の選択科目のひとつであるので厳しく採点されます。また勉強はみずか らの自主性でおこなうという参加モラルの高い学生で、討論やグループ学習を多く取り入 れるので協調性のある方を優先したいと思います。出席率80%以上の受講者に最終試験 の受験資格があります。
授業評価実施方法:
最後の授業時間に15分程度で実施します。
教員からのメッセージ:
昨年度は一部の例外項目を除き、ほとんどの項目で学生の満足度において高得点をマーク!
__________________________
第1回 2008年4月19日
イントロダクション・はじまりのワーク
リプロダクション:「産むこと」は単純ではないのか?(Lesson 7):教科書の章に相当[以下同様]
心と社会:狂気をどのように捉えればよいのか?(Lesson 10)
__________________________
第2回 2008年4月26日 (配付資料:[CSmedanthro02_2008.pdf]パスワードが必要です。)
医療人類学の可能性:健康の未来とは何か?(Lesson 1)
病気と文化:人間の医療とはなにか?(Lesson 2)
女性の身体:身体は所与のものか?(Lesson 8)
__________________________
第3回 2008年5月10日
呪術:理不尽な闇あるいはリアリティか?(Lesson 3)
憑依:病める身体は誰のものか?(Lesson 4)
シャーマニズム:シャーマンは風変わりな医者か?(Lesson 5)
(配付資料:[近大 医療人類ワーク03_2008.pdf]パスワードが必要です)
__________________________
第4回 2008年5月17日
グローバル化する近代医療:医療は帝国的権力か?(Lesson 6)
エイジングと文化:老いはどのように捉えられているか?(Lesson 9)
今日における健康問題:なぜある人びとは病気にかからないのか?(Lesson 11)
(配付資料:[近大 医療人類ワーク04_2008.pdf]パスワードが必要です)
__________________________
第5回 2008年5月24日
全体プレゼンテーション(前半):グループ単位の評価試験です。
全体プレゼンテーション(後半):グループ単位の評価試験です。
(配付資料:[近大医療人類 ワーク_05.pdf]パスワードが必要です)
定期試験
__________________________