血の概念
Japanese Concepts of "Blood" as kinship
■「血」継承の概念は、伝統的な日本のものではないし、また近年の人工授精技術に関する「血」や「遺伝子」に関する〈文化的にパターン化された固執〉の例からみて、伝統的な西欧の概念もまた相対化される。
「婿養子の息子たちは、遺伝的差異が考慮されることなく、養家の系図に入れられる。家族に関する日本の概念がわれわれのそれとは異なることを理解するためには、西欧社会における養子の状況と「血」を通じて長所および欠点が継承されるという通説を比較すれば充分であろう。きわめて単純化して言えば、われわれの間では、根本的な特性を指示するものとして家族の姓が用い続けられており、常識はそれを自然に帰するものとし、そのため、「血」という言葉に象徴化されていると言うことができる。そのような関係は日本人の観念には存在せず、彼らの父系制の観念では、父親側の特性の優先的遺伝を意味しない」(レイテ・カルドーゾ 1995:109)。
・レイテ・カルドーゾ、ルッチ・コレーア(Ruth Correa Leite Cardoso)『家族構造と社会的移動:サンパウロ州に在住する日本人に関する研究』二宮正人(編訳)、私家版、サンパウロ市:ブラジル、1995年。 (家族構造と社会的移動性 : サンパウロ州に在住する日本人に関する研究 / ル ッチ・コレーア・レイテ・カルドーゾ著 ; 二宮正人編・訳. -- Primus Comun icacao, 1995
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