春高藤蔭講座新聞
かすこう・とういんこうざ・しんぶん
(私家版)
この新聞は、2009年1月28日の藤蔭講座の講師を務めた池田光穂(大阪大学コミュニ ケーションデザイン・センター教員——現COデザインセンター)芸名 ・垂水源之介が、生徒からいただいたコメントに対して返答するものです。プラバシーを保護する 観点から、誤字脱字を含めて固有名などは変更している可能性がありますのでご了承ください。なお、返答順は不同です。
(1)はじめのほうの、文化相対主義のお話は、以前から気になっていたことなので、興味がもてました。みんな自分の文化・習慣を自明のこととし て受け止めているので、他の文化に対する偏見や先入観を知らず知らずに抱いていると思います。その偏見や先入観は他者理解や文化相対主義をみにつける妨げ となると思うので、考えていかねばならないと思いました。
☆十年後の私☆
仕事をしている。まだあまりはっきり決まっていない。でもまだ社会のしくみをよく知らないので、知らないからこそ、はじめから狭く世の中を見る のではなく、あらゆる可能性を広げられるように、今色々な勉強を頑張りたいと思います。
■垂水源之介:前半の講座の要約の記載は不要かつ不用です。たぶん授業などで サマリー(要約)をまとめるように訓練を受けているのでしょうな。大学生にもこのタイプのコメントを(設問とは無関係に)試験答案に書く人がいますが、こ れは繰り返し強調しますが不要です。十年後の私ですが「でもまだ社会のしくみをよく知らないので」というのは言い訳っぽく聞こえない? 社会の仕組みの全 貌を理解している人などいませんし、20歳になってたら、あるいは50歳になったら分かるというものでもないようです。その時点で「社会の仕組みはこうな のではないか」という意見を暫定(ざんてい)的でもよいので持っておき、そこから「私ならこうする」と考えたほうがよくない? 人間とは「はじめから狭く 世の中を見」ている狭量な存在なのです。それを反省的に自覚したものだけが、世界を広く観ようとするものだ、というのが私のあなたへの助言です。がんばっ て!
(2)10年後のわたしは、22歳で卒業して、働いて25歳くらいで結婚して27歳はステキ(素敵)に暮らしていたいと思います。楽しくトーク できることを期待していたので残念でした。たのしくトークしたかったです。また先生のホームーページを見てみたいな〜と思いました。
■垂水源之介:すんませ〜ん。お約束したミッション「楽しくトーク」を忘れて おり、完全にスベリ(滑り)ました。22歳、25歳、27歳という数字が占いみたいで面白いですが、未来の世の中そんな甘くないような気もします。文面か ら察して(外見はそうでないかもしれませんが (^_^;))素直な方だと思います。素直な人は、悪い奴に騙されやすいので、よい意味での警戒心をもって 人生を過ごすのもよかろうと思います。がんばって!
(3)いっぱいトークして、楽しい講座というのを期待してたんですけれど、全然内容が違ってて少し残念でした。先生はオタクですか?__10年 後の私は西欧諸国や南米を回って、その地域のサッカーに触れたらいいなあと思う。
■垂水源之介:きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!(浅香あき恵のギャグノリで) すんませ〜ん。俺?オタクではありません。それはオタクを尊敬しているからね。ほんものあるいは、ほんものに近いオタクって半端じゃないからね。あくまで もオタクのふり。(タメ口で申し訳ないけど)あんたスポーツ少年/少女でしょう?_ぢつわ、わちきもスポーツ少年(陸上競技_ハンマー投げ_インターハイ 全国大会出場_ただし本大会予選落ち_『陸マガ』年度最高ランク29位たぶん?)。でも全国大会向けの大阪選手団の強化合宿に出てびっくり。スポーツ専門 の連中(つまり大学をスポーツ推薦で入学できるような連中)ってのは、いわゆるスポーツ天才ですが、ふつうの勉強は本当に馬鹿——最初から無能というわけ でなくスポーツを中心に人生を組んでいるゆえの結果として——なんです。元メジャリーガーの桑田投手が大学院に入ったけど、その時間コストを考えたら、そ れで一生暮らせるだけの財を稼ぐくらいのレベルでないとねぇ。とまあ、かく言う私も当時は陸上惚け(ボケ)だったので、いま熱中している若者に意見言える 資格はないかもね。がんばって!
(4)講師の先生が取り組まれている学問についての話は多少難しいように思われた。勉強する方法に関するところでは、自分のためという考え方が 興味深く、なるほどと思った。夢をもつ必要というものはなんとなく感じているが、なかなか実施するのが難しい気がする。具体的な未来をおもいえがくには自 分は知識が足りないのではないかと思う。10年後には私は27歳になっている。たぶん仕事についているだろうと思う。健康で精一杯生きられればいい。
■垂水源之介:まずあなたの文体、つまり単文を重ねて詩のように表現する形 式、がとても面白く感じられました。ただしそれらの文章を分析すると面白い。順に、消極的評価文、積極的評価文、消極的、次も消極的、平叙文次も平叙文、 そして願望。もしこれを人生だとしたら、人生は個々の事象のプラスとマイナスの計算からなって、総和にこそ関心があるようになる。老大成した年寄りか、達 観した御仁のように思える。わたくしは、たぶんこれが他者に対するポーズであることを期待しています。醒めた眼でみるのではなく、楽しく夢をみることも必 要なのでは(たぶん見ているとはおもいますが)?
(5)10年後の私はどうなっている??_一番理想なのは[未来の自分に対しての願望として自分が]結婚していてほしいと思います。二世帯住宅 に住んで、結婚しても両親の傍(そば)にいたいです。自立しないといけないかもしれないけど、そうした生活が理想です。将来、いったい自分がどんな仕事を しているか分からないけれど、今の私には具体的な夢がないので、先生の講義(オリジナルは「講議」だけど誤字だぜ——垂水)を聞いてあらためて夢をもつこ とは大切だと思いました。でも、いざ将来の職業を考えたら、現実なこと(その仕事のデメリット)ばかりを憂慮(オリジナルは「優先」だけどこれは誤用—— 垂水)してしまって「あれも私に向いていないのかな」と思ってしまいます。先生のおはなしをきいて、もっと積極的に考えていこうと思いました。ありがとう ございました。
■垂水源之介:ふうむ……日本語がちょっと変だけど、講義を聴かれて、なるほ ど、ご自身がいまなにをやるべきかということを自覚されているのではないでしょうか。ご自身の欠点や克服すべき点にも自覚的だし。ここから具体的に方策を 練るというのが、講義で私が伝えたかった「理術」なのでした。こういうコメントは回答するほうも元気づけられます。がんばって!
(6)10年後のわたし。22歳で大学を卒業して、会社に勤めて10年後には結婚してずっと家にいたいです。あとは子どもがいてたらママさんバ レーに参加するのが夢です。今日は話を聞いて、海外にいく体験っていうものは人に影響を与えるもんだと思いました。先生が参加しているっ言ってた水の法廷 のやつとかちょっと首を突っ込んでみないと、全然知らずに過ごすことになると思いました。あと、先生と話したかったです。
■垂水源之介:そう、何事も経験しそこから自分なりの体験を作ることが重要 ぢゃ! どうかいろんなところに「首を突っ込んで」くださいね。ママさんバレーというのは、てっきり死語になったと思ったのだが、まだあるんだ?! ち〜 とも知らなかった! がんばって!
(7)10年後のわたし:大学を卒業して、実業団に入ってトレーナーとして選手を支えていきたい。27歳だったらもう結婚しておきたい。感想: 思っていた内容とは違った講義だったのは残念だったけれど、やっぱり夢をもつことは重要だと思った。夢をもつことは簡単だけれど、それを達成するための進 路をちゃんと描くことまではなかなかできないと思う。テスト前につめこんで勉強することはよくないと思った。でも先生たちといろんな話をしてみたかった。
■垂水源之介:トークショーにならずすんませんでした。再度謝りますから、堪 忍どすえ〜。「夢をもつことは簡単だけれど、それを達成するための進路をちゃんと描くこと」が重要であるとおわかりになったわけですから、私が講義で言っ た原則のひとつ、それをすぐやること!を実行すればよいのでは? がんばって。
(8)勉強というのは椅子に座って教科書を広げて学ぶだけではないと思う。頭が良いというのはただ数学ができる、化学、物理ができるから頭が良 いというわけではないと思う。勉強というのは、社会のなかで人間らしく成長していくことを助けることだと思う。しかし、そのように成長するために数学的、 考え方などを使うべきである。だから今、教科書での勉強があると思う。10年後の私:海外で文化を学んでいる。最低、三カ国語を話し、日本語を教えている (日本の文化も)。
■垂水源之介:なんじゃ?_結局、教科書を使って勉強することを君は容認して いるじゃないの? 俺の授業(=講義)って、そんな内容だったでしょうか。教科書を使うか使わないかという方法の違いについて話したのではなく、知識の理 解には2つの質的に異なった学び方があるというのが講義のポイントでした。語学や言語に基礎をおく異文化の学習では、この知識理解ための複合的な方法が重 要になると思いますよ。がんばって!
(9)10年後の自分は全く想像がつかない。これから時間をかけて本当にやりたいことを発見していこうと思う。
■垂水源之介:簡潔なコメントありがと。私の返答も簡潔に。「10年後の君は 全く想像がつかないねぇ。これから時間をかけて本当にやりたいことを発見していきなさい」。がんばって!
(10)10年後の私は、今のまま順調にいけば死なずにがんばっているかも。今回の講義について。自民族中心主義からの解放というのはとても興 味がありました。自分が容認しているものは自分の中にある他者であり、もっと他者と理解と対話が必要というのは面白かった。ただ本来の講義をしてほしかっ たです。
■垂水源之介:コメントありがとう。ただし、あなたの言う「本来の講義」とい うのがよくわかりませんでした。私は内容の要約は求めていませんでした(→(1)への回答を参照のこと)ので、10年後の未来像について知りたかった。 10年後、君が生きているか死んでいるかどうかという確率の推計をすることは可能です。厚生統計協会が出版している『人口動態統計』や『国民衛生の動向』 などに掲載されている生命表などから算出することができます。「死なずにがんばる」というのは、そこでは根性の問題ではなく統計の問題として取り扱われて います。けれど、個々人の人生という立場からすれば、そういうものとは「質的に異なった経験上の事実」に過ぎません。私の「知識の理解には2つの質的に異 なった学び方がある」というのはこの違いのことを説明したのです(→(8)のコメントも参考のこと)。がんばって勉強しましょう。
(11)10年後=27歳の私:子ども2人、専業主婦、若い母親になってたくさん子どもと遊びたいです。おいしいお夕食を作ってだんなさんの帰 りを待ちたいです。お菓子作りの達人になりたいです[ハートマーク]。少し難しいお話で全ては理解できなかった気もしますが、青年海外協力隊に参加した り、ボランティアで海外にいったりすることにあこがれを持ちました。高2現在すべきことは、わかりましたが、テーマである「高校生に求めるもの」をもっと 詳しく教えていただけたら、よかったなあと思いました。
■垂水源之介:「高校生に求めるもの」は、講義のなかで言った「(1)具体的 な夢をもちなさい、(2)それを実現するためにはなにをなすべきかを考えなさい、そして(3)考えたことをいますぐ実行」ということだけです。みなさんの 具体的な夢は千差万別ですので、そこからは一般化できません。たぶん個別に相談となるでしょう。友達も含めて、信頼できる人に話して意見をもらいましょ う。海外ボランティアに出れば、結婚し、子どもをつくり、夫人として生活する「やり方」が文化によって、いかに多様であるか観察できるようになるでしょ う。そこから帰国すると逆カルチャーショックと言って、日本の「やり方」が以前にはハッピーと思われていたことが異様なものに思われて、そのようなことに 戻れなくなる自分を発見するかもしれません。でもそれでいいのです。私たちは、おぞましいものも幸せなものも、過去を消去することはできないからです。未 来の夢は、ほんとうに人生の最後の最後まで抱くことができますので、これは過去の経験とは根本的に異なった別種の(時間性を超越した)「経験」になりま す。がんばって!
(12)10年後の私は、子どもたちと一緒にいると思います。結婚して自分の子どもと働いて子どもと一緒にいたいです。私は将来、施設(何の? ——垂水)で働きたいと思っています。親と別々に暮らさねばならない、子どもと話し合い、人の心について詳しく知りたいです。もう少し文化人類学について 知りたかったです。一方的に相手に求めても、相手から返答がなければ悲しいだけです。現代の社会的なことを地球のどこかで何が起きているか知りたいです。 自分のケアで相手のケアになるように落ち着いた行動をして将来の夢につなげたいです。
■垂水源之介:施設というのはこの場合児童福祉施設ですねぇ。世の中の組織は すべて施設(institution)なのできちんと表現したほうがよいでしょう。コメントから察するに、対人場面を基調とするケア領域に進路をとるとよ ろしいのではないかと思います。この領域のプロになるには、可哀想だからとか何とかためになってあげたいという気持ちも大切ですが、人間をよく観察し、業 務の使命や倫理と、自分の生き方を上手に調和させて、ストレスのない職務を実行するためのメンタル面での自己管理技術も要求されます。しっかりがんばっ て!
(13)夢をもつことが大事と言っていた。私はドラマやCMのBGMをつくる仕事がしたいです。でも具体的にどんなことをしたらいいのかとか、 全く分かりません。10年後は26歳。25歳で結婚して仕事が充実していて30歳からは専業主婦。文化相対主義は他者に対して自己とは異なった存在である ことを容認し、他者に対する理解と対話をめざす倫理的態度のこと。人に流されず自分をしっかり持つことが大切だと思った。思っていたのとちがう講座だった のでトークがしたかったです。
■垂水源之介:これにも、ごめ〜〜ぇ〜〜ぇ〜〜んなさい。堪忍どすえ。お礼 に、BGMの仕事につくための「知恵」を授けます。まず、ドラマやCMを見まくる。そして感想ノートをつくる(いわゆる批評文を作成)。そして、そのノー トに、誰がBGMを作ったのか、また既存の曲(クラシックやポップス、ロックやジャズ、現代音楽、民族音楽など)を流用しているのか、製作者は誰かしらべ る。そのように調べて、この人はすばらしいといわれるような「自分にとってのヒーロー/ヒロイン」が誰であるのかを複数特定します。その人に関する情報を 調べます。これを職業選択における役割(ロール)モデルといいます。つまり、自分にとって理想的な人を現実の世界の中に設定するのです。そして、この人が 学んできた学問、生活の環境、これまでの仕事や人生について調べます(これをプロファイリングといいます)。そのようにして、自分の人生のお手本になるよ うな人をモデルにして、CMのBGMの職業がどのようなもので、どのような生活水準を維持できるのかについてアウトラインを得ることができます。ロールモ デルの設定や、プロファイルの際の注意事項ですが、決して、崇拝対象や追っかけになってはいけません(これをミイラ取りがミイラになると言います)。なぜ なら、あなたがなりたい職業の先人は、将来のあなたにとってライバルになるからです。こういう世界は競争が厳しいので、阿漕(あこぎ=非倫理的なこと)な ことはいけませんが、サバイバルするにはハートが強くなければやってられません。しかし、CMのBGMで第一人者になれば、仕事はじゃんじゃん来るでしょ うから、結婚は可能でしょうが、社会は専業主婦にはならしてくれないでしょう。兼業主婦でしか生き残れませんし、またあなたを必要とする人たちは、それを 求めるでしょう。がんばってね!
(14)制服の自由化をされたと聞いて驚きました。高校2年生は何をすべきということで、夢をもつと書いてたけれど、今は正直言ってありませ ん。先生と楽しくトークしたかったです!!ホームページ見に行きます!!。10年後の自分:就職して幸せな家庭を築いていたい。
■垂水源之介:すんまっ〜せん!! ウェブページには http://cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/ よりアクセスするのぢや! さて、夢がないとおっしゃいましたが、週末に美味しいものを食べたい(たとえばラーメンでもお蕎麦でも)と思うことも、広義の夢だと思うです。つまり、未 来の時点(=週末)で自分がなっている状態(=美味しいものを賞味)を思い描くことですからね。この延長上に、人生において実現したい「夢」があるはずで す。ないのではなく、気づいていないだけです。思い起こしてくださいね。当然「就職して幸せな家庭を築くこと」それも夢のレパートリーに入っています。が んばって!
(15)今日の講義を聴いて印象に残ったのは「勉強には2種類ある」ということです。知識を学ぶことも重要だけれども、何かをする能力を学ぶこ とが大切だと言うことを学んだ。そのために、自己が変化したとおり、あらゆる可能性に挑戦することをこれからの人生の中で大切にしたいと思います。夢を持 つことも印象に残ったもののひとつです。自分には明確な夢はないですが、これからしてゆくなかで、本当に自分がやりたいことを人生でやっていけたらいいな と思います。10年後の私:就職して大好きな野球を続けること。
■垂水源之介:はい、言うことナシ。あとは、具体的に、そして今すぐ実行に移 すことですね。そのことについても言いましたね(→(11)のコメント参照のこと)。がんばって!
(16)10年後の私:幼稚園の先生。むかし、職場体験をしたときに子どもと接することが楽しかったので、現時点での夢はこれです。でも臨床心 理士とか人を癒す仕事もしたいなとも考えています。感想:初めて耳にした言葉がたくさんありました。多文化を知ることは大切だと思います。少し難しかった のですが、講義は楽しかったです。
■垂水源之介:ありがとうございました。ケアの仕事については(12)のコメ ントも参考にしてくださいね。がんばって!
(17)青年海外協力隊(原文は海外と青年の順が逆でしたが正式名称はこちら)にすごく興味があったので、入っていたことがあると聞いてすごい と思った。私は飛行機が大嫌いだし、見知らぬ土地で何年も過ごすなんて無理だと思うけれど、でもボランティアでやっぱり人びとを助けたいなあ〜と思いま す。青年海外協力隊は、何かひとつでも資格があれば入れると聞いたのですが入れますか? (^o^) あと短期間で憶えたことは忘れるまでも早いというの は本当にそうだなと思いました。コツコツやっていこうかなと思いました。(^^) ありがとうございました。10年後の私:高校を卒業して調理師の専門学 校に行って、資格をとって卒業して、青年海外協力隊で何年か働いて、その後は定食屋で「ままの味」的な料理を作っていたい[ハートマーク]。
■垂水源之介:いいですねぇ。とても具体的だから。こういうのはアドバイスし やすいです。着実に夢を実現できるように、さまざまな知識や技能を調べること。やっぱり料理人は、グルメでないとあきません。舌を鍛えるのも重要な仕事で すよ〜。がんばって!
(18)今のことの制服のない春日丘は先生の代からはじまったというのが、今回はじめて知った。とても話やすそうなおじさんだった。文化人類学 のことについては、言語の問題、落ち着いて正しく行動することさえ何とかできるなら、とても興味のある分野ではあるんだけど……昨日、階段で自転車の鍵を 無くしただけでパニックになって帽子を落としたことにも気づけないような状態じゃ無理かな……(両方見つかりました、念のため)。そういう自分が嫌という ほど(自分の)眼についてしまうせいで、10年後といってもイマイチ実感がつかめない。バイトと就職を繰り返して親に呆れながら結婚もできなまま実家住ま い……とか嫌だなぁ。人文学系統の勉強したいけど、それにつながる職業でなりたいものが見つからない……。
■垂水源之介:ふうむ、話やすそうなおじさんの答え。まあ自分の欠点をきちん と分析、自覚しているのだから、問題ないと思いますよ〜。就職のことよりも「人文学系統の勉強」がしたいのなら、それを思いっきりやるのが、よろしいので はないでしょうか。当面はそれでよろしいと思う。自分の欠点を自覚しても、それを直し改善する。言い方を変えると「一度したミス——ヘタを打つ——を二度 と繰り返さないようにする」ということで行けます。はい。