臨床コミュニケーションをひらく:開く・啓く・拓く、そしてひらく
議論の構成
なぜ〈身体〉への関心が高まるのか?
臨床コミュニケーションとは
身体的関与を促す授業
教育成果達成の逆説
マンネリズムに抗して
授業をみる眼を〈複眼化〉せよ
コミュニケーション能力は教えられるか?
身体を媒介とした参加への関心
1.コミュニケーション不全の問題を(A)〈身体〉への着目によって解消しようとすることと、(B)〈身体〉のコミュニケーションと〈言 葉〉のそれとは異なると主張することは必ずしも同じことではない。
2.しかし〈言葉〉が原因とみなされるコミュニケーション不全が問題視されるとき、意見(A)のような主張は十分に吟味されることなく流通 することがある。
3.このような文脈の中の授業改革では〈身体〉や〈参加〉に着目した教育技法への関心が高まる
臨床コミュニケーション
【定義】
人間が社会生活をおこなうかぎり続いていく、ある具体的な結果を引き出すためにおこなう対人コミュニケーションのこと
臨床とは、狭い意味でのクリニックではなく、その現場における実践状況のことを指す
大阪大学コミュニケーションデザイン・センターの授業科目として2006年より出発した
身体的関与を促す授業
グループ討論と発表という〈参加型教育〉を導入。
PBL(Problem-Based Learning)
SGL(Small-Group Learning)
SDL(Self-Directed Learning)
グループ形成 → 結論を導く議論 → プレゼンテーション
教育成果達成の逆説
【A】
顧客としての受講生
顧客のニーズ
顧客の評価
顧客内部の意見の多様性
伝わること
予測できること
【B】
プロバイダーとしての教師
プロバイダーのニーズ
プロバイダーの評価
プロバイダー内部の意見多様性
伝わらないこと
予測できないこと
【A】 ←→ 【B】
逆説:予想したことと逆のあるいは全く異なる評価が生まれることがある!
マンネリズムに抗して
興味深く感動が大きい分、落ち込みも多い
状況依存的な授業展開
教師のストレス
授業は飽きる(すべての学生・教師にあてはまる)
〈感情労働〉としての授業
授業を退屈にさせない工夫が必要!
コミュニケーション能力の涵養は可能か?
改善には、さまざまな意見がある。
受講者が望むコミュニケーション能力向上は、需要の確保のためにも必要。
コミュニケーション能力は人間の生き方に関係する部分があり、すべて授業で満たされる訳ではない。
にもかかわらず授業のなかでコミュニケーション能力をより広範に涵養することができるはず。
教師が授業の実態についてまず把握することが重要!
まとめ
〈身体〉や〈参加〉への関心の高まり
臨床コミュニケーション教育の必要性
身体的関与を促す授業をやろう!
教育成果の達成には逆説的なものもある!
マンネリズムに抗する
授業をみる眼を〈複眼化〉せよ
コミュニケーション能力は教えられる