トークンとタイプ
token and type
解説:池田光穂
トークン(token)とは、具体的な特定の対象や出来事である。それに対して、
タイプ(type)とは、抽象的で一般的な存在のことをさす。
トークンとタイプについての違いの説明は、ジョン・R・サール(2006)のものが要領を得ているので次にそのまま掲載する。
「「犬」という単語を「犬、犬、犬」という具合に3回書くとする。このとき私はひとつの単語を書いたのだろうか、それとも3つの単語を書い たのだろうか? そう、ひとつのタイプ言葉について3つの例、あるいは3つのトークンを書いたのだ。タイプとは抽象的で一般的な存在物のことで、トークン とは具体的で特定の対象や出来事のこと。この両者を区別する必要がある。「これこれのタイプに属するこれこれのトークン」と言えば、「抽象的に一般的なタ イプについての具体的で特定の具体例」というわけだ」(サール 2006:86-87)[表記を少し変えた]。
文献
サール、ジョン『マインド:心の哲学』山本貴光・吉川浩満訳、朝日出版社、2006年(原著は2004年)
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