累積債務
debt accumulation
累積債務(debt accumulation)
返済能力から考えて過大に蓄積された対外債務のことをいう。累積債務が増大する理由は構造的なものと、人為的・政策的な理由の複合の結果である。
構造的な理由は、開発途上国は開発国から開発資材を輸入する必要性があるために、支払い能力以上のものを輸入する傾向がある。
また人為的・政策的理由としては、開発国あるいはエージェントも景気や国内外の政治的な変動による返済能力の低下というリスクを過小評価する傾向があるために、貸付額がしばしば返済能力を上回る実績を結果的に生み出す傾向がある。
累積債務は、途上国がどこから融資を得たかによって、公的累積債務と商業的累積債務の2つに分けることができる。
公的累積債務の典型例は、途上国援助への開発によるものである。とくに、二国間でのODAでは、両者の間に開発国側のコンサルタント会社が介入し、しばしば不必要な開発援助を途上国側の要請として開発国に申し出るという形態で援助申請が受理される。ほとんどの援助は無償供与ではなく有償供与であるため、長期的は公的累積債務の原因となる。
商業的累積債務は、中進国あるいは中規模開発国が先進開発国の商業銀行から受ける貸付によるものである。輸出作物の不振、石油価格の高騰による支払いの負担増、金利の増大などがあげられる。
累積債務問題の解決としては次の手段が考えられ、またそのように実行されてきた。
・世界銀行や国際通貨基金による債務返済の肩代わり
・公的債務の返済停止
・商業債務の繰り延べ(モラトリアム)
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