脳の可塑性
Plasticity of Brain
解説:池田光穂
■脳の可塑性 :脳の可塑性とは「発達段階の神経系が環境に応じて最適の処理システムを作り上げるために、よく使われるニューロンの回路の処理効率を高め、使われない回路の効率を下げるという現象」のことであり「発達期の脳において顕著にこの性質が観察される」(「ある科学論文の誕生」より)。ニューロンの可塑性についてはカナダの心理学者ドナルド・ヘッブ(Donald O. Hebb, 1904-1985)が提唱したヘッブ法則が有力視されており、ある一定の刺激が来た場合にのみシナプスの可塑性ができる(協同性)、特定のシナプスにのみ可塑性がみられ関係のないものに可塑性は生じない(入力特異性)および、弱い刺激でも他の刺激の助けをかりて可塑性を生じる(連合性)の3つの特性で脳の可塑性を説明するものである。ヘッブの法則に修正を加えたのがコバリアンスで、これはシナプスの強化は、あるニューロンがシナプスを介して次のニューロンを刺激できるかどうかにかかっており、そのことの強化刺激つづくことと可塑性には関連性があるというものである。
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