グルタミン酸受容体
解説:池田光穂
■ グルタミン酸受容体 グルタミン酸受容体は、その構造や性質からイオンチャンネル型受容体と代謝型受容体に分類されている。イオンチャンネル型受容体は、グルタミン酸との結合によりその構造が変化し、イオンの通り道であるイオンチャンネルが開口することで、膜電位応答を引き起こす。NMDA[型]受容体は、イオンチャンネル型受容体の一つであり、主に、ナトリウムイオンやカリウムイオンを通過させる一方で、カルシウムイオンも通過させることが特徴である。イオンチャンネル型受容体の中には、NMDA受容体以外にも、AMPA(α-amino-3-hydroxy-5methyl-isoxazole-4-propionate)やカイニン酸に親和性を有するAMPA/カイニン酸[型]受容体がある。ナトリウムイオンやカリウムイオンを通過させるが、カルシウムイオンは通過させないことが特徴である。AMPA/カイニン酸は、それ以外の性質においてもNMDA受容体との違いがみられることから、イオンチャンネル型受容体内において両者を区別するために、non-NMDA受容体とも呼ばれる。代謝型受容体は、それ自体がイオンチャンネルを持たず、Gープロテインと呼ばれる別のタンパク質などを介してイオンチャンネルの開閉や酵素活性の変化などを引き起こす。 (→文献:Tumoto,T., Neurosci. Res., 9:79-102, 1990.)
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