カハマルカでの邂逅
Encounter with couquistadores in Cajamarca, 1532
ジャレッド・ダイアモンド・テーゼ(1997)
(1)フ リードリヒ・ラッツェル(Friedrich Ratzel, 1844-1904)以来の地理的環境決定論の刷新理論で、栽 培植物の誕生、家畜の選択、経度よりも緯度による伝播効率の優先性、人類の技術革新などを組み合わせて総合的に説明したこと。 (2)鉄と銃という文明衝突時における技術的要因の他に、環境と関係の深い地方病 (endemic)を潜在的だが強力な武器として考えた。 |
COLLISION AT CAJAMARCA, pp.67-81. In "Guns, Germs, and Steel: The fate of human societies," Jared Diamond. New York: Norton, 2005. 【CajamarcaPaperDiamond.pdf】
年表
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【総論】
【家畜の発明とその利用の問題】
【政治的象徴論およびその実践論上の問題】
【軍事的決定要因】
【情報論的決定要因】
【地理的決定要因】
【病原/疫学的決定要因】
【植民地主義的支配の原型】
文献リスト
("Jared Diamond "Guns, Germs and Steel" Further Readings"の当該箇所の翻訳者・平野良貴さんによるもの:http://cruel.org/diamond/fr2_3.html)
ピサロがアタワルパを捕らえた話は、ピサロの兄弟だったヘルナンド・ピサロとペドロ・ピサロの記録と,仲間のミゲル・デ・エステテ,クリ ストバ ル・デ・メナ、ルイス・デ・アクレ,フランシスコ・デ・セレスの残した目撃談を合わせている。ヘルナンド・ピサロ、ミゲル・デ・エステテ、フランシスコ・ デ・セレスの記録は英訳されている。
Clements Markham, Reports on the Discovery of Peru, Hakluyt Society, 1st ser., vol.47(New York,1872).
またペドロ・デ・ピサロの記録:
Philip means, Relation of the Discovery and Conquest of the Kingdoms of Peru (New York: Cortes Society,1921)
クリストバル・デ・メナの記録
Joseph Sinclair, The Conquest of Peru, as Recorded by a Member of the Pizzaro Expedition (New York,1929).
ルイス・デ・アクレの記録は以下の本にリプリントされてある。
Boletin de la Real Academia de Historia (Madrid) 102:327-84 (1933).
名著John Hemming, The Conquest of the Incas (San Diego: Harcourt Brace Jovanovitch, 1970)には、アタワルパを捕らえた時の詳しい話と侵略全体に渡る事実が書かれてあり、広い範囲の文献リストもついている。
以下の本は 19 世紀に書かれた侵略の記録で、今読んでも非常に面白い、歴史書の古典だ。
William H. Prescott, History of the Conquest of Peru (New York,1847) (W・H・プレスコット ペルー征服(上・下) 石田外茂一・真木昌夫訳 講談社学術文庫 1980)
スペインのアステカ征服の目撃記録のうち、19 世紀の古典と最近のものをそれぞれ紹介する。
Hugh Thomas, Conquest:Montezuma, Cortes, and the Fall of Old Mexico (New York: Simon and Schuster,1993). William H. Prescott, History of the Conquest of Mexico (New York,1843)
同時代のアステカ征服の目撃記録としては、コルテス自身が記録したものをまとめた本がある。
Hernand Cortes, Five letters of Cortes to the Emperor (New York: Norton,1969)
また、コルテスの多くの仲間の話が以下の本に集められている。
Patricia de Fuentes, ed., The Conquistadors (Norman: University of Oklahoma Press,1993)
練習問題
□ ジャレット・ダイアモンドは、文明における人間の生活様式を根本的に変えた技術的ないしは環境的要因を3つの用語で、その本(原著 1997)の書名としました。銃と鉄と、残りのひとつはなんでしょうか。(ヒント:原語はgerms)
□ 生物医学的には「環境適応の尺度であり生態学的諸モデルで研究することができ」たり「生態的平衡のひとつの反映」と見なされる人間の「状 態」とはなんでしょうか。
□ アメリカにある政府系の「疾病制御と予防のためのセンター」(教科書では疾病制御センターと記載)の略号はなんと記載しますか。
□ 世界的な感染予防、感染と発症の区分、および感染者の人権保護の観点から、現在はHIV感染者とは言わず代替する呼び方が提唱されていま す。その用語をなんというでしょうか。
□ 2003年の健康増進法、2006年の自殺対策基本法につづいて、2007年に立法化されたある疾病の対策の総合的指針を定めた日本の法律 をなんと言いますか。
□ SARS(重症急性呼吸器症候群)につづき、アジア地域で蔓延が危惧されており、動物から人間への感染の事実が確認されている疾病をなんと 言いますか(ヒント:H5N1亜系が有名)。
□ システムの維持のために環境に負荷をかけない、あるいは負荷が少ない能力や効果、場合によっては思想とも言われる用語をなんといいますか。
□ 19世紀の中頃にロンドンの医師ジョン・スノーが、特定の井戸が汚染源だと指摘し、その発症数を押さえることに成功した疾患で、1883年 に病原菌が特定されたものはなんでしょうか。
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