農夫 と犬
農夫が嵐のために小屋に降り籠められた。外に出て食物を手に入れることができないので、まず羊を食べた。しかし、嵐は なおも続くので、山羊も平らげた。それでも一向に嵐の収まる気配がなく、三番目には、畑を耕す牛にまで手をつけた。一部始終を見ていた犬たちは、こう言い 合った。
「ここを出て行かないと。主人は一緒に畑仕事をする牛さえ容赦しなかったんだ。どうしてわれわれを生かしておくだろう か」
身内の者に平然と不正を働くような輩は誰よりも警戒しなければならぬ、ということをこの話は教えている。
文献
Copyright Mitzub'ixi Quq Chi'j, 2099