教育・研究活動 にとどまらないCSCD活動の広がり
(歴史的文書2016.04.01)文責:池田光穂
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■センター長メッセージ
コミュニケーションデザイン・センターは、専門的知識を持つ者と持たない者、利害や立場の異なるひとびとのあいだをつなぐコミュニケーションの回路の構
想・設計を目的として、研究、教育、社会貢献活動をおこなう組織として、2005年4月に大阪大学に創設されました。
本センターの教育面での使命は、大阪大学の3つの教育目標のひとつである「デザイン力」を育成すべく、全学の大学院生を主たる対象としたコミュニケーショ
ン教育と高度教養教育を行うことです。文系学生と理系学生の混成による学びの視点、現場でのフィールドワークによる学びの視点、ワークショップを通じた対
話型の学びの視点、政策的感覚を取り入れた学びの視点、広く社会と連携した学びの視点を取り入れた教育を行ってきました。また、長期的な視点から、研究現
場でのコミュニケーション能力の育成にも独自の教育プログラムを作り、問題解決に向けて議論する双方向型のコミュニケーションを担いうる人材を養成してき
ました。
本センターで取り組む研究は、コミュニケーションデザイン研究と呼ばれ、従来の学術研究とは異なり、複数分野の学際研究を重視するのみならず、社会の現場
で活躍する実践者との協働を通して、大学の学問知(academic knowledge)を「社会知(social
knowledge)」へと拡張し、学内外での「社会知」というオープン・サイエンスを実践してきました。とりわけ科学技術等の専門性と社会の界面におい
て生じるさまざまなコミュニケーション問題を、学内研究者と学外の多様なアクターが協働して実践的に解決するための高度汎用力育成に関する研究に着手し、
この「社会知」の実装に関するさまざまな研究をおこなってきました。
そして、本センターの社会貢献の面での使命は、市民の生活の豊かさと質に深くかかわる問題をめぐって、産学官の専門家と一般市民とが、インターラクティヴ
に話し合い、問題発見に向けて議論する双方向型のコミュニケーションの諸方式をネットワーク化することで社学協創という「知の協奏」の先導的拠点のひとつ
の窓口となることを目指す点にあります。すなわち、市民が「このような環境のなかで生活したい」と思えるような社会像を構想するうえで、当事者である市民
がみずから参加できるような社会的意思決定の方式を設計し、そのプロセスを支援することを目指してきました。また、そのために、コミュニケーションデザイ
ンをめぐって理系・文系の専任・兼任教員や若手研究者が集まり、大阪大学における文理融合の研究プロジェクトの創発の拠点の一つとして機能することを目指
してきました。以上が、当、コミュニケーションデザインセンター(CSCD)の設置理念とその活動内容でした。
昨年8月末に就任された本学の西尾章治郎総長は、OUビジョン2021等において、大学の社会的役割についておよそ以下のように(要約)述べられていま
す。〈今こそ、大学の役割が問われています。なぜならばそもそも大学は、優れて公共的な存在であるからです。大学こそが、私的利益を超えて、倫理性や公益
を忘れることなく、つねに新たな学術的・社会的価値を創造しなければならないのです。大学は、さまざまな課題を解決し、社会変革をもたらすための原動力と
なるという使命を、そしてまた目先の事柄にとらわれることなく長期的な視野をもって物事を考えるという使命を担っているのです〉。これまでのCSCDのこ
れまでの有意味な研究・教育・社会活動に照らして、まさにこの案内冊子への言祝ぎに相応しい言葉はありません。
わたくしたち、コミュニケーションデザイン・センターとそのスタッフと共に、新しい大阪大学を築いていきましょう!
■写真のキャプション
タンザニア・ンジョンベ郊外でフィードワーク中のスナップ