現代薬学用語集
池田光穂
コンパニオン診断(Companion diagnostics; CoDxもしくはCDx)
「コンパニオン診断(Companion
diagnostics;
CoDxもしくはCDx)とは、医薬品の効果や副作用を投薬前に
予測するために行なわれる臨床検査のこと。薬剤に対する患者個人の反応性を治療前に検査す
ることで、個別化医療(もしくはオーダーメイド医療)を推進するために用いられ、通常の臨床検査とは区別される。」(出典:ウィキペディア「コンパニオン診断」)
アドヒアランス(adherence)
アドヒアランス(adherence)とは、英語で は、固守、執着、忠実、支持などの意味がある。そこから、薬学用語では、患者=生活者が、治療方針の決定に参加することが、患者からの支持を得て、また、 その治療方針に忠実(アドヒアランス)になることを意味するようになったように思われる。下記の日本薬学会の解説にあるように、以前の投薬戦略では、患者 =生活者が、医療者(=治療者)の言う事をきちんと聞く(=コンプラアンスがよい)か、否かという判別という、事後の現象面について言及されてきたが、ア ドヒアランスの概念の導入は、1)患者=生活者を治療方針の決定に積極的に関与することで、2)患者=生活者の意識構造が変化し、3)行動や実践などにも 反映し結果的にアドヒアランスがよくなるという、一種のトリクルダウン的発想に変わったことを意味する。
「アドヒアランスとは、患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けることを
意味する。/従来、医療者は「医療者の指示に患者がどの程度従うか」というコンプライアンス概念のもと患者を評価してきた。したがってその評価は医療者側
に偏り、医薬品の服用を規則正しく守らない「ノンコンプライアンス」の問題は患者側にあると強調されていた。しかし実際の医療現場では、コンプライアンス
概念で乗り越えられない治療成功への壁が存在した。そこで、患者自身の治療への積極的な参加(執着心:adherence)が治療成功の鍵であるとの考
え、つまり「患者は治療に従順であるべき」という患者像から脱するアドヒアランス概念が生まれた。このアドヒアランスを規定するものは治療内容、患者側因
子、医療者側因子、患者・医療者の相互関係という点でコンプライアンスとは大きく異なる。例えば服薬アドヒアランスを良好に維持するためには、その治療法
は患者にとって実行可能か、服薬を妨げる因子があるとすればそれは何か、それを解決するためには何が必要かなどを医療者が患者とともに考え、相談の上決定
していく必要がある。(2007.11.6 掲載)」(出典:日本薬学会「アドヒアラン
ス」)
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