池田光穂
岩波書店による日本語版は全訳ではなく3章が欠けて
いる。その理由は統計が古いからというよくわからない理由からである――全訳してから日本語版翻訳者たちがその時系列変化と立論と主張の可能性と限界を論
じるという最良の方法もあったのだが……。
まずは、日本語版の章立てからである。
- 日本語版序文:グローバルなものをローカル化する
- 序章 グローバル化に対抗する地理的力学:生き残りの女性化
- 1.都市化は誰のものか?:グローバル化が生み出す新たな不満
- 第1部 逃れゆく人びと
- 2.移民受入政策の事実上の超国家化
- 3.経済の国際化:日本と米国における新たな移民
- 第2部 非難をあびる女性たち
- 4.グローバル経済のフェミニスト分析に向けて
- 5.移民とオフショア生産:第三世界女性の賃金労働への編入
- 第3部 劣悪なサービス
- 6.サービス雇用レジームと新たな不平等
- 7.インフォーマル経済:新たな発展と古い規制
- 第4部 空間を超えて
- 8.電子空間と権力
- 9.国家とグローバル都市:場=中心的な統治概念の概念化のための覚え書き
- 訳者解題
- 参考文献
- 索引
メモ
・軽微なものであっても、不法移民のトレンド分析
は、移民全体の構造の変化について何らかの徴候を指し示す可能性があることを想起せよ。
・全世界における女性労働の賃労働化のトレンドの変
化に、もっとも大きな影響をうけるのは、言うまでもなく途上地域である。
リンク
文献
- グローバル空間の政治経済学 : 都市・移民・情報化 / サスキア・サッセン著 ; 田淵太一, 原田太津男, 尹春志訳,岩波書店
, 2004./Globalization and its discontents / Saskia Sassen, New York :
New Press , c1998
- 労働と資本の国際移動 : 世界都市と移民労働者 / サスキア・サッセン著 ; 森田桐郎ほか訳,岩波書店 , 1992/ The
mobility of labor and capital : a study in international investment and
labor flow. Cambridge University Press, 1988
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