はじめによんでください

開発文化学のすすめ

Development Cultural Studies, Development Cultural Anthropology

くまモンつきのわひぐま

解説:池田光穂

【本文:クレジット】

下記の資料は、かって、私が日本民族学会 (現・日本文化人類学会)の理事の時代(2003年10月頃)に、科学研究費補助金に係る「時限付き分科細目の設定」要望書(文案)を起草した時の覚書で す。

科学研究費補助金に係る「時限付き分科細目の設定」 要望書(日本民族学会——現・文化人類学会——からの提案・案)
【分野名】(候補のうち一つに絞り込む)

  1. 1. 開発と文化
  2. 2. 開発文化学
  3. 3. 開発人類学
  4. 4. 国際協力と文化


【内容】(箇条書きで複数列挙)


【設定の理由】(7〜800字、2〜3パラグラフの説明文)

 国際的な開発協力の現場は過去20年間に変貌を遂げた。冷戦構造期にみられた治安目的と現地社会の自生的な発展モデルに基づく社会開発は後退し、国際的 な協調に基づいた現地即応的な開発モデルとその実践が現在試みられている。これらは、内戦や国際紛争あるいは甚大災害後の緊急支援活動(=迅速かつ柔軟 性)、国際的経済協調政策に基づく地域開発計画(=グローカル性)、およびジェンダーや持続的開発に配慮した地域住民志向の小規模社会開発(=文化的感受 性)というの3つの領域で顕著である。

 これらの社会開発においては、経済学を中心とする従来までの普遍的開発モデルは通用しにくく、とりわけ教育、文化行政、保健、医療、福祉、女性支援、マ イクロエコノミー、農林水産などの環境、観光開発などは、個々の文化に配慮した施策が不可欠となっている。欧米とくに米国では開発と文化に関する研究は応 用開発人類学の伝統が以前よりあった。我が国では、開発と文化に関する諸研究はいまだ端緒についたばかりであるが、先駆的で萌芽的な諸研究が現在では比較 的よく見られるようになり、それらの研究調査の相互交流ならびに統合が必要である。

 開発と文化の研究は、国際化が促進しつつある我が国の若手の研究者の間でニーズの高いものの一つである。多くの大学・大学院および研究機関で、国際なら びに地域社会への貢献において文化的な差異への配慮が重要であると認識されつつあることは言うまでもない。しかしながら、この分野の研究を行うには、基 礎・応用科学を問わず幅広い学際的な知識、国際的な経験、特定の地域の文化や社会に関する知識、多文化理解の理論などの素養を必要とし、専門家養成には時 間がかかる。また実際の研究者はさまざまな領域で個別に研究しているのが現状であり、国内における基礎ならびに応用研究において、安定した研究基盤が整備 されることが急務の課題となっている。

 開発と文化に関する研究は、多くの専門領域で行われており、関連する学会も多数ある(右の関連学協会名を参照のこと)。これらの研究領域は相互に関連し たものであり、総合的に研究を進めることが、より効果の高い結果を得るために必要である。先に述べたように我が国では、萌芽的な研究者がいても、個々の学 会では少人数であることは、その体系的な研究推進の妨げになっており、「開発と文化」(←要請細目名が入る)という共通の分科細目が設置されれば、その学 術成果と社会効果は大きいと思われる。

【当該分野に関連すると考えられる学協会名】(◎◎さんに追加していただく)





Copyright Mitzub'ixi Quq Chi'j, 2014