23■先住民と考古学(アンダーソン 1997:294-297)
・遺跡=「世俗的植民地国家の勲章」
・複製技術との関係
・「(1)大量の技術的に優れた考古学的報告書〔の作成〕、そしてここには何十枚もの写真が付され、そこに特定のはっきりそれとわかる廃墟の復元の過程が 記録される。
 (2)一般消費用のやたらと挿絵のはいった本〔の出版〕、そしてそこには植民地内で復元されたすべての主要な遺跡の見本的図版が掲載される。(オランダ 領東インドにおけるように、ヒンドゥー仏教寺院と復旧されたイスラムのモスクが並置されるならもっと良い。)こうして出版資本主義のおかげで、たとえ国家 の臣民にはずいぶん負担になるにしても、一種の国家基本財産国勢調査図絵(ピクトリアル・センサス)が利用できるようになる。
 (3)一般的ロゴ化〔の進行〕、これは上に述べた冒涜の過程によって可能となる。いろんなシリーズの郵便切手――熱帯の鳥、果物、動物、そして遺跡シ リーズ――はこの段階をみごとに示している。しかし、それだけではない、絵葉書、学校の教科書も同じ論理に従う。そこから市場まではもう一歩にすぎない。
そしてそこでホテル・パガン、ボロブドゥール・ブライド・チキン、等々が現われる」(アンダーソン 1997:296-297)