落合 仁司『保守主義の社会理論―ハイエク・ハート・オースティン』ノート
「近代を〈超える〉といってはならない。合理主義を 懐疑し、〈語りえぬもの〉を思索する」ということだ。
保守主義が守るのは「空の玉座」落合仁司)。よろ
し!!。これが「べき」道徳義務論や「してきた」という歴史主義に陥らないところが落合理論の外連味。だが暫定的な「自由な決断」という魔術的用語で判断
を避ける。ニールス・ボアみたいな量子野郎的結論だな。
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第1章 世紀末の新しい保守主義
1 世紀末の《近代》
2 自生的秩序・ルール・言語行為
ハイエクの自生的秩序(sponteneous
order)p.9 ——理性の思い上がりの諸制度に対抗する概念
ハイエク・ウィトゲンシュタイン・日常言語学派・ オースティン・ハート
「ハートにとって、ルールとは、いかなる理由も持 ちえずに、ただ慣習的に従われている存在にほかならない」(p.10)
「すなわち、彼らは、その力点の置き方にかなり相違 を認めるとしても、世界に対する、合理的な制御あるいは言及の可能性を疑い、また、社会の、個 体的な意志への還元あるいは帰属の可能性を疑っているのである。さらに、彼らが、そのような懐 疑の立脚点として提出する、自生的秩序、ルール、言語行為の諸概念もまた、あるいくつかの特徴 を共有している。すなわち、これらの諸概念は、行為の結果として慣習的に生成されるにも拘らず (制御や言及やといった)行為の対象とはなりえない暗黙的な事態であり、かつ行為を妥当させ る規範的な根拠となる、といった諸特徴のいずれかを、必ず指し示しているのである」(p.12)
ウィトゲンシュタインの「言語ゲーム」と家族的に類似。
第2章 合理と個体
1 産業主義と合理主義
「保守主義とは、いまここに生きられる世界に定位して、この世界の合理的な制御や個体的な還やの、むしろ幻影であることを暴き出す営為に外ならないのである」(p.16)
2 実証主義と記述主義
3 民主主義と個体主義
4 主権主義と表出主義
第3章 暗黙の言及
1 暗黙的秩序 - ハイエク -
2 外的視点 - ハート -
3 発語的行為 - オースティン -
第4章 規範の文脈
1 規範的秩序―ハイエク
2 内的視点―ハート
3 発語内の力―オースティン
第5章 慣習と遂行
1 慣習あるいは《遂行的なるもの》
2 しい保守主義
3 保守主義とは何でないか
第6章 解釈学的社会学としての保守主義
1 解釈学的社会学へ
2 自己関係性の構造
3 再び伝統とは何か
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