人類文化における環境と認識の研究
《すでに終了しております》
代表・世話人 池田光穂
1. 研究課題:
「人類文化における環境と認識」に関する実証研究とその教育手法の開発について
2. 研究の骨子:
人間の様々な諸活動の中で、自然環境・人工環境・社会環境(以下、「環境」と略す)が、特定の集団の認識に与える影響について実証的に調査研究する。その結果から、人類文化の将来的な課題となる環境改変の可能性と限界を明らかにし、熊本大学の学部・大学院教育の中に、その学問的成果をフィードバックする。
3. 研究開発の目標:
(1)環境が人間の認識に与える影響に関する諸学問分野の相互交流をおこなう。
(2)環境と人間の認識に関する総合的な理論-仮説を構想する。
(3)環境と人間の認識に関する理論-仮説にもとづく実証的な調査手法を開発する。
(4)熊本大学の学部教育ならびに大学院教育において開講可能な、環境と認識に関する演習・実験を中心とした教育手法を開発する。
(5)上記(4)で開発された手法を用いた実験的授業を通して、汎用可能な教育研究手法を確立させる。
4. 研究開発のスケジュール:
(1)環境が人間の認識に与える影響に関する諸学問分野の成果の相互交流をおこなうために、研究会の趣旨を学内に広報し共同研究者を募り、複数回の研究調整会議を開催する。【平成10年度】
(2)環境と人間の認識に関する総合的な理論-仮説を構想する研究会を開催し、成果を蓄積する。【平成10・11年度】
(3)環境と人間の認識に関する理論-仮説にもとづく実証的な調査手法の開発に着手し、報告書等の研究成果の発表をおこなう。【平成11・12年度】
(4)熊本大学の学部ならびに大学院教育において開講可能な、環境と認識に関する演習・実験を中心とした教育手法の開発ならびにテキスト作成をおこなう。【平成12・13年度】
(5)上記の実験的授業を通して、平成13年度以降は授業科目として正式に組み込み、結果を次年度にフィードバックさせ、より汎用可能な教育研究手法として定着させる。
5. 研究の必要性:
社会の価値の根拠を問い続けることのみならず、それにもとづく新しい文化を創造することは、洋の東西を問わず高等教育機関が、社会から託されてきた重要な機能であった。 しかしながら、20世紀最後の四半世紀の地球上のさまざまな文化や文明の衝突という悲劇や、急速な高度情報化の中で、人類の認識に関わる実証的諸科学(社会学・人類学・環境学・精神医学・人間科学等)は、人間集団間の相互の認識のズレをマクロ的にもミクロ的にも調節する文化システムが、それを支える環境の著しい改変の中で崩壊しつつあることを明らかにしてきた。
このような激動の時代に、自然環境・人工環境・社会環境として構成される「環境」と人間の認識の問題を考えることが、これほど緊急性をもって求められることはなかった。それのため、実証的論証を通して高度な次元から研究されなければならないと同時に、速やかに大学の現場に還元される必要がある。
6. 研究組織:
現在、「人類文化における環境と認識」研究会は、1998年11月現在、以下のメンバーで構成されており、本研究テーマに関する研究談話会を不定期に開催している。以下は、氏名:所属:専門分野:関連する業績(多数のうちの最も代表的なもの)である。