かならずよんで ね!

ドローレス・コパン農村の病気語彙集

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池田光穂

"村落保健用語集ここにあげたのは,ドローレス住民 によるもので一部にスペイン語の正書法にないものもある。また正書法にかなっていても,ここであげた意味は現地で固有に使われたものである。

村落保健用語集ここにあげたのは,ドローレス住民に よるもので一部にスペイン語の正書法にないものもある。また正書法にかなっていても,ここであげた意味は現地で固有に使われたものである。
acaimentado/-da 骨や身体の痛みを主とする病気。
adigusto 病気。
afección de pecho 母乳の病気。風邪に似たような症状があるというこの病気の犠牲者は子供である。
aire アイレ。aireは空気のことであるが,「痛み」(とくに疝痛)という症状や,「痛み」を主徴とする病い。
alentado/-da 元気な。
amemia 貧血。
arderse 燃えるように痛む。
área sanitaria 衛生地区。保健省が定義する衛生地域(región sanitaria)の下位単位で,行政地域とは別に,全国に23の地域が定められている。第4章参照。
asma 咳きこみ。喘息。
ataque 発作。急な発熱。
auxiliar enfermería 看護助手。人びとが簡易診療所(CESAR)で接する看護者のこと。
beluga いぼ。
bolencia めまい。酔っ払った(bolo)に由来。
bosca 吐き気[→vómito]
botar sangre de nariz 鼻血が出る。
brujo/-ja ブルッホ。呪術師。[→curandero]
brujería 呪術。妖術(=hechicería)。
caída de matriz 子宮の落下。女性が重たいものを持ち上げたときにおこる民俗疾患。
caída de mollera ひよめきの落下。乳幼児のひよめき,おどりこ,あるいは泉門(mollera)が落ちることによる乳幼児の民俗疾患。
calentura 発熱。
caliente 「熱い」。食物,病気,薬がもつ内在的な属性。「冷たい(frio)」と対立して考えられる概念。グアテマラ高地のインディヘナのよう な明確な二元的対立が
見られず,食物の「温かさ」や「辛さ」と混同されることがある。[→fresco]
callo 掌にできたまめが潰れてやがて固くなったもの。
cáncer がん。皮膚のできものも含まれる。
cansancio 疲れ。疲労。
catarro 風邪。
CESAMO 医師診療所。「医師付き保健センター(Centro de Salud con Médico)」の略称。衛生セクター[→sector sanitaria]を統括する。村落にある多くのCESAMOでの医師の数は1人であるが,県庁所在地のそれは,10人前後を有することもある。
CESAR 「村落保健センター(Centro de Salud Rural)」の略称。通常は看護助手(auxiliar de enfermería)が,1人のみ常駐する。
cirro 子宮の病い。
Colaborador/-ra Voluntario/-a ボランティア協力者。マラリア採血のボランティア。保健省媒介動物対策局に委託を受けた村落における採血ボランティア。マラ リアの疑いのある病人への採血と標本の作成,抗マラリア剤の予防的投薬を行う。「健康の番人」[→Guardián de Salud]のモデルになった。
comadrona 助産婦。伝統的出産介助者[→partera]。
colerín 疑似コレラ。腹痛を伴う病い。下痢を伴う。
costipado コスティパード。強い頭痛を伴う民俗疾患。
culiche 回虫[→lombrices]。
curandero/-ra クランデロ。呪医。呪術的要素を備えた治療師。
delgado/-da 痩せた。やせ。
dengue 「デング熱」。近代医学の定義ではなく,高熱を発する病気一般をさす。
descompuesto 脱臼。[→torcedura]
desganado/-da 食欲不振の。
desnucado/-da 「首がうなだれた」。身体衰弱。
desnutrido/-da 栄養失調の。
desvaloramiento de cuerpo 身体衰弱。
diablo/-bla 悪魔。
diarrea 下痢。
digestión 消化。
disentería 「赤痢」。近代医学の定義ではなく広範囲の下痢症状をさす。
disipela 足にできる腫れ(roncha, hinchazón)。赤いタイプと白いタイプがある。あるいは腫れに伴う痛み。
dolama 具合が悪い。
dolencia 苦痛。痛み。病気。
dolor 痛み。
dormido/-da しびれた,麻痺した。身体部分が先頭について,しびれを切らした足,または障害などで麻痺した足(pie dormido)などと表現する。
embarazarse 妊娠する。
empacho エンパチョ。広範な消化管症状のある民俗疾患。第12章を参照せよ。
enfermedad 病気。病い。
enfermera/-ro 看護者[→auxiiar enfermería]。
enfermera profesional 専門看護者。大学の看護学科を卒業したもの。
enfermito/-mita 狂った人。
enfermo/-ma 病気の。病人。
entumecido しびれ。
espirituista 交霊術師。信仰治療師。スピリチュアリスト。信仰に重点をおく治療師。
estómago 胃袋。腹部全体に広がる臓器をさすこともある。
fiebre 発熱。熱病。
fiebre amarilla 黄熱。黄疸を伴う発熱。「原因はネルビオスで,他人には伝染しない」とも。
fiebre asiática アジア熱。風邪とは異なる病気(とは言っても風邪に似ている)で,頭痛や膝の痛みがある。
flato 痛みを伴う腹部の膨満(症状)あるいはその病い。ススト[→susto]や激しい揺さぶりによって子供がかかる。
fluxión 充血。
frío →caliente,→fresco
fresco 食物や薬草に内在する属性で「冷たさ」をさす。fresco には,温度として「冷たい」「涼しい」の他に,ちょうどメントールの味覚における「爽快さ」,あるいは「新鮮さ」も意味する。調査地では, calienteやfríoという属性と同様,frescoに備わるこのような多義性が,錯綜して使われている[→caliente]。第9章を参照せ よ。
fuego 発熱。fuego de San Antonio(サン・アントニオの発熱)のように使われる際には,病名になる。
fuego de San Antonio 聖アントニオ熱。語源的には,疾病史上,イベリア半島に流行した疫病である丹毒(連鎖球菌による化膿性の炎症)に由来する(fuego de Marcialも同じ)。民俗的病いとして,現地独特の記述や診断がある。
fuego de Marcial マルシアル熱。民俗的病い。[→fuego de San Antonio]
gordo/-da 太った。肥満。
grano できもの。オデキ。その小型はgranito。
gripe 風邪。
Guardián de Salud 「健康の番人」。保健省の保健普及活動に従事するボランティア。村落の人びとからなる。
guayco/-ca 病気の状態。
hechicería →brujería
hechicero/-ra →brujo/-ja
herencia 遺伝。相続。
herida 外傷。
hidropesía 発熱があり全身に浮腫(hinchazón)が出る子供の病い。
hijillo →hujillo
hincharse 腫れ上がる。身体の部分から,全身のむくみ(浮腫)まで使われる。
hinchazón 浮腫。腫れ。
hipo しゃっくり。病気とはみなされていない。
hujillo ウヒジョ。死体から発せられる「見えないガス」によって引き起こされる民俗疾患。中央アメリカの他の地域ではhijilloとして報告さ れている。
indigestión 消化不良。
influencia インフルエンザ。医学名influenzaの音が転用されて,「影響」「感化」の意味をもつこの単語が代用されている。
jiote ヒオーテ。たむし。犬が媒介すると考えられている。
locura 狂気。錯乱。
lombrices 回虫。単数形(lombriz)でよばれることは少ないが,それは腹のなかには複数生息していることの証だとされる。
madurazón 膿(pus)。「血液が腐ったもの(sangre podrida)」。
mal 病気。病い。
mal aire →aire
mal de ojo →ojo
malos eficios 呪術。正書法ではmalos oficios(邪悪な仕業)である。[→hechicería, brujería]
manteca con sal 塩を混ぜたパーム椰子製のマーガリン。empachoなどのマッサージに潤滑のために使う。
mareo むかつき。不快感。[→vómito]
moco 鼻水。
mucle ムクレ。母乳が緑色の野菜によって「汚染される」ことから引き起こされる乳児の民俗疾患。
nervio, nervios ネルビオス。神経質や苛立ちを主とする病名。
neumonía 肺炎(plumonía)。ataque de tos によってかかる病気。humonía, himoníaなどの異名がある。
niño ojeado →ojo
ojo 「眼」を意味する病い。「邪視」に相当。mal de ojoとも言い,病気の犠牲者が子供であった際には,「妬まれた子供(niño ojeado)」という病名がつけられる。
orzuelo ものもらい(眼病)。
padecimiento 病気。苦境。
paludismo マラリア。
parchero/-ra →curandero
partera 助産婦。ただし,村落では伝統的な助産婦(partera tradicional)の意味で用いられる。[→comadrona]
pasmo パスモ。腹部の痛み,消化管症状を中心とする民俗疾患。
peste 病気。疫病。
pica[dura] かゆみ。
pie dormido 「眠った足」。足のしびれ。
piquete 小さい傷。
pujo, pujón 強い視線で引き起こされる民俗疾患。[→ojo, vista fuerte]
purgante 下剤。
pus →madurazón
quemada, quemadura 火傷。
rasca かゆみ。[→pica]
raspón 擦傷。
región sanitaria 衛生地域。保健省の医療地域区分における最大の単位。全国には,7つの地域の他に首都特別区がある。
resfriado 風邪(をひいた)。
retrasado mental 精神遅滞。
riñón 腎臓。
ripiado 鼻水。鼻づまり。
roncha 腫れ。
ronco 喉が詰まったようになり,話ができなくなる状態。しわがれ声。
salud 健康。
sangre 血。血液。
sano/-na 健康な。
sarampión はしか。子供がかかる病気。結核の一種。流行病。
sector [衛生]セクター。CESAMOによって統括される最小の医療行政単位。
siete días シエテ・ディアス。死に至る病い。empachoとの関連が指摘される。
sinusitis 鼻が詰まったような状態を主徴とする病い。
sobador/-ra マッサージ師。捻挫やエンパチョ(empacho)などのマッサージ(soba)を行う。
solitaria さなだむし。
sorda/-da 聾者。耳の聞こえない(sordera)人。
sujillo [de muerto] 顔が腫れる民俗的病い
susto ススト。驚きによって引き起こされる民俗疾患。子供が犠牲になりやすい。[南アメリカにおける病いであるespantoに類似する]。
paciente 患者。
pie dormido →dormido
tabardillo タバルディージョ。empachoに似た民俗疾患。この病気に関する人びとの知識は曖昧である。sustoとの関連を指摘する人も いる。
torcedura 捻挫。
tortilla トルティージャ。主食になるトウモロコシの[非発酵]パン。
tos 咳。表8―2を参照せよ。
viruela 天然痘。ronchaがあり,かつ熱が長く続く病気という。
vista fuerte 強い視線。生まれつき「強い視線」をもつ人は,民俗疾患であるojo の原因になる。vistaは視力のこと。
vómit 嘔吐。
 

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