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臨床コミュニケーション 0718

ヘ ルスコミュニケーション2017

池田光穂

この授業は2部構成である。ひとつは「臨床コミュニ ケーションの基本構造」であり、他のひとつは「疾患に応じたコミュニケーションのタイプ」である。

授業資料:HC70718 (解説文)/ kadai-shito170718 (課題シート:提出用)

【演習】よい臨床コミュニケーションとは?:

『医療におけるコミュニケーション・スキル』 (2000[1997])においてチャールズ・ハインドは、現代英国における臨床コミュニケーショ ン・スキルの基礎として、以下の9点(1.時間、2.準備、3.正直にかつ同情をこめて話す能力、4.他者の感情を見きわめる能力、5.耳を傾ける能力、 6.説明する能力、7.理解する能力、8.患者を気づかう能力、9.一貫性)をあげて解説している。

1.時間

時間的拘束性および準備と経験を積むための時間:第1に「スキルを身につける時間」、第2に「面談をおこない、患者や近親者のさまざまな関 心事に答えるための時間」、第3に「告知を受けた者が状況の重大さ、深刻さを認識するための時間」がある(pp.8-9)。

2.準備

情報の入手と管理」:第1に「あらゆる側面からその患者の状態を把握するために、十分な時間をとり、他の医療スタッフからの情報を得」、第 2に「面接は部外者のいない静かなところで行う」こと、そして第3に「彼ら(=患者や近親者など)が他の医師や医療スタッフからすでに知らされているこ と、そして彼らの関心が現在どこにあるのか把握」する必要があるという(p.9)。

3.正直にかつ同情をこめて話す能力

「医師には、悪い知らせを淡々と正直に、しかも、同じ人間としての同情をこめて伝える能力が求められる」(p.9)。

4.他者の感情を見きわめる能力

患者や近親者の反応は多様であるが、一般的にみられる反応もある。それゆえ前もってこのような反応のレパートリーを把握すべきという (p.10)。

5.耳を傾ける能力

医師が会話を仕切ることは「絶対にしてはならない」そして告知の後は「会話のペースや方向性が患者や近親者本位になるように心を砕く」よう に求めている(p.10)。

6.説明する能力

正直に、また、同等の知識をもたない人にも理解できる言葉で答えるべきである。

7.理解する能力

患者や近親者がなぜ、さまざまなかたちで質問してくるのか、尋ねそしてその受け答えから「質問の背後にある本当の理由を判断」する必要があ る(p.11 )。

8.患者を気づかう能力

「告知によって、天地がひっくり返るような衝撃を受けた患者や近親者にとっては、医師が姿を消した後こそが試練の時になる。それを気づかう ためには、彼らが決して放っておかれはしないこと、この状況を乗りきるための援助やもっと分かりやすい説明をするために、医療スタッフがすぐ近く、あるい は電話線の向こうに控えていることを、保証しなければならない」(p.11)。

9.一貫性

一貫性を保つために「面接の内容をすべて明確に書面で記録しておく重要性」。および他のスタッフを含めて「患者や近親者に話された内容」を 把握しているかどうかの確認もまた必要という。

以上が、ハインドが説く「よき医師」に求められる患者やその近親者に対する「よい」コミュニケーション・スキルのための基礎ないしは留意点であ るという。

【設問】

あなたは宇宙人の人類学者(ジョーンズ)あるいは 〈火星の人類学者〉であり、まだ〈地球の患者〉を見たことがない。地球の患者に関す る情報はハインドが説く以上のような説明だけしか手に入っていない。この情報から、地球の患者とは、いかなるタイプの人間であるのか、その患者像をまとめ なさい。

議論はグループ討論形式でおこないますが、各人によって個人差が出てくるかも知れません。グループ全体の集合的なイメージの要素の集合(= 家族的類似性)を最終的にまとめることが求められますが、各人がそれぞれ抱く〈地球の患者〉の一体的な印象をきちんとグループのメンバーに披瀝することも グループでの討論作業の際には重要な課題になります。

■課題シート::kadai-shito170801.pdf::Hc-yoirinsho170718.pdf

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