"Kazuo Saikawa (犀川 一夫 Saikawa Kazuo, June 7, 1918 – July 30, 2007) was a Japanese physician, who contributed to the treatment of leprosy and to the administration of leprosy policy in Japan. Concerning the segregation policy of leprosy patients, he was against Kensuke Mitsuda and worked in Taiwan and Okinawa." - Kazuo Saikawa, by Wiki

1918　東京で出生

1944　 東京慈恵会医科大学卒業（軍医として出征）

1944　長島愛生園で勤務（〜1960年）

1952　東京慈恵会医科大学　医学博士「癩の種々相に於ける末梢神経の病理組織斈的研究」

1953　11月。インドのラクノーLucknowでハンセン病の会議。「らい」の在宅医療制度に示唆を得る（→1972年）

「1953年11月、インドのラクノーLucknowでハンセン病の会議が開かれ、犀川はただ一人日本人のオブザーバーとして参加した。救 らい事業を治る時代にふさわしくするためのものである。光田は犀川にらい病理図譜を30部託しミュワー、コクラン、ダーメンドラなどの有名な学者に、質問 することを要求した。その答は新しい化学療法でらいが根治するだろう、しなくても新しい療法がでるだろうという返事であった。光田は日本では結節型が多く 社会の偏見に耐えられないだろうということであった。」

1960　台湾痲風救済協会医務部長

1964　 WHO西太平洋地区「らい専門官」任用

1971　琉球政府立沖縄愛楽園園長

1972　国立療養所沖縄愛楽園長（〜1987年）※「復帰に伴って患者の強制隔離を定めたらい予防法が適用されるのに反対し、沖縄だけは在宅 治療を続けることを国に認めさせた」（出典：犀川一夫 ）

1978　第19回日本らい学会（沖縄）［→日本ハンセン病学会］［→過去の学会の記録（同学会より）］「沖縄におけるらいの免疫学的研究」で桜根賞

1987　国立療養所沖縄愛楽園長退官

1996　『ハンセン病医療ひとすじ』

「”光田先生のもとで医療にたずさわっていた者にとって先生は個人的に冷酷どころか実に温情豊かな方と映じている。光田先生は、まれにみる 器の大きな、視野の一人よい意味での政治家で、公式の場ではご自分の発言が日本のらい対策に影響することを常に意識しておられ、しばしば私どもには理解の できない面を蔵しておられた方であった”」藤野豊『「いのち」の近代史』かもがわ出版、［出典箇所未確認］2001年

2001　ハンセン病国賠訴訟で、元患者側の証人として出廷し、国の隔離政策を批判する証言

「ハンセン病対策は、是非とも一般医療の場に組み入れられるべきである。ハンセン病を特別な病気として「隔離」によって対処している所に、 世人のこの病気に対する一層の偏見を助長させている原因があるのではないだろうか。そして入園者もまた、心理的に人間性の回復や人間の自立への意欲をそが れてしまうのである。「隔離」をすれば、病者は怖れて隠れ、逆に外来で治療を始めれば、必ず病者は治療を求めてくる。このことは現実に私がどこの国でも同 じように経験したことなのである。このことこそが、これからの頂を制する王道なのである。医療行政とは本来、医療人が歩む道を、正しい方向に向けることで ある」——門は開かれて(1989),犀川一夫　みすず書房、より［ページ未確認］

2007　死去

リンク

• 犀川一夫
• ++
  

文献（犀川の著作）

• 沖縄のらいに関する論文集』1979年、沖縄らい予防協会 那覇市
• 『打たれた傷』1982年 沖縄県ハンセン病予防協会 那覇市
• 門は開かれて : らい医の悲願 : 四十年の道  / 犀川一夫 [著]，1989
• 癩に関する論文集，犀川一夫 1990.9，沖縄県ハンセン病予防協会
• 聖書のらい : その考古学・医学・神学的解明，新教出版社 1994
• ハンセン病医療ひとすじ，岩波書店 1996
  
• ハンセン病の医療を歩んで(1996.4) 犀川一夫 沖縄県立那覇病院雑誌 第6号 54-59.
• 中国の古文書に見られるハンセン病，沖縄県ハンセン病予防協会 1998
• ハンセン病政策の変遷 : 沖縄県ハンセン病予防協会創立40周年記念出版，沖縄県ハンセン病予防協会 1999.
• 「らい予防法国賠訴訟」犀川一夫証言 : 遅くとも四十年前には「らい予防法」は廃止されるべきであった，[犀川一夫述] ; ハンセン病国家賠償請求訴訟弁護団編，皓星社 2001.7 皓星社ブックレット
• 打たれた傷，沖縄県ゆうな協会 2007
• 世界ハンセン病疫病史 : ヨーロッパを中心として，犀川一夫, 森修一, 石井則久著，皓星社 2012
  

文献（犀川以外の参照文献）

• ハンセン病、排除・差別・隔離の歴史(2001)沖浦和光、徳永進、岩波書店（→徳永は犀川と交流があった）
• 藤野豊『「いのち」の近代史』かもがわ出版，2001年

その他