はじめによんでね

フォー ビギナーズ人類学

Introducing Anthropology: A Graphic Guide

Mitzub'ixi Qu'q Ch'ij

1
【I】人類学理論
人類学とはなにか?
1.    人類学とは何か?

2
「未開」とはなにか?(括弧でくくってい るところが味噌!)
2.    〈未開〉とは何か?

3
人間を研究する
3.    人びとを研究する


4
人類学のビッグな問題!
4.    人類学の大きな課題 


5
他者(別名「大文字の他者」)
5.    他者


6
変化する問題
6.    変化する課題


7
【II】人類学史 Part 1
人類学の起源
7.    人類学の起源


8
創設者たち(父なる創設者たち:The Founding Fathers)
8.    建学の父たち


9
隠された項目(要するに啓蒙主義的系譜の ことです)
9.    隠された項目


10
ルネサンス期(前項を引き継いで)
10.    リコナサンス(大航海)時代


11
「古きものへの忠誠」 ("Fidelity to the Old")
11.    〈古き時代への忠誠〉


12
人権の問題
12.    人権という問い


13
イエズス会関連文書
13.    『イエズス会リレーションズ』


14
西洋思想の主潮
14.    西洋思考の主潮


15
伝統の連続性
15.    伝統の連続性


16
派生したマイナーな風潮
16.    派生したマイナーな風潮


17
帝国主義
17.    帝国主義


18
人類学の複雑性
18.    人類学の加担


19
倫理の違反
19.    倫理の冒涜


20
【III】人類学史 Part 2
ルーツに戻ると・・
20.    ルーツへの回帰


21
必要不可欠な未開
21.    必要不可欠な未開性


22
発明創発/でっち上げを思い描いて
22.    創造についての推論


23
何が最初に人類に到来したか?
23.    何が最初にあったのか?


24
生きている残存物=遺風(Living Relics)
24.    現存する遺風


25
肘掛け椅子からの眺め
25.    肘掛け椅子からの眺め


26
進化主義の諸理論
26.    進化主義の諸理論


27
生物なるものと社会なるものを統合する
27.    生物学的理論と社会的理論の統合


28
伝播主義の理論
28.    伝播主義理論


29
人種の詐欺(The Race Spindle, 人種という名の詐欺、てな意味で しょうか?)
29.    人種というペテン


30
フィールド研究
30.    フィールド研究


31
人類学の樹
31.    人類学の樹


32
【IV】人類学の四大領域
自然人類学(Physicalであって Naturalぢゃないよ〜)
32.    形質人類学


33
多元発生説《対》単元発生説
33.    多元発生説vs単一起源説


34
人間生態学と遺伝学
34.    人間生態学と遺伝学


35
社会生物学の隆盛
35.    社会生物学の隆盛


36
遺伝子理論における人種の再焦点化
36.    遺伝子理論のなかで再焦点化される人種


37
初期の人類学との別の関連性(リンク)
37.    初期人類学との他のつながり


38
考古学と物質文化
38.    考古学と物質文化


39
人類学的言語学
39.    人類学的言語学


40
社会/文化人類学
40.    社会/文化人類学


41
文化とは何か?
41.    文化とは何か?


42
専門領域への細分化 (Increasing Specialization)
42.    専門領域の増加


43
民族誌の岩盤=基盤
43.    民族誌(エスノグラフィ)の根幹


44
異国人を書く(Writing the Exotic)
44.    エキゾチックを書く


45
【V】ビッグマンたちとその方法
フランツ・ボアズ
45.    フランツ・ボアズ 


46
ブロニスラウ・マリノフスキー
46.    ブロニスロー・マリノフスキー


47
フィールドワーク
47.    フィールドワーク


48
【VI】エコロジーとエコノミー

フィールドワークにおける人間生態学
48.    フィールドワークの人間生態学


49
生態人類学
49.    生態人類学


50
経済の問題
50.    経済という問い


51
ポトラッチ儀礼
51.    ポトラッチ儀式


52
ニューギニアの「ビッグ・メン」
52.    ニューギニアの〈ビッグマン〉たち


53
クラ交換
53.    クラ交換


54
経済人類学
54.    経済人類学


55
交換と交易のネットワーク
55.    交換と交易のネットワーク


56
形式主義《対》実体主義論争
56.    形式主義者と実存主義者の論争


57
マルクス主義人類学
57.    マルクス主義人類学


58
マルクスの進化論的見解
58.    マルクス主義的進化論の見方


59
【VII】婚姻と親族と縁組理論
世帯単位(The Househould Unit)
59.    世帯単位


60
家族の形態
60.    家族の形態


61
婚姻紐帯(The Marriage Links)
61.    結婚紐帯


62
婚資、あるいは婚礼[契約]資金
62.    結婚契約にかかる支払い


63
親族の研究
63.    親族研究


64
親族記号
64.    親族コード


65
類別的親族 (Classificatory kinship)
65.    類別的親族


66
擬制的親族(fictive kinship)
66.    疑似的親族


67
出自理論(descent theory)
67.    出自理論


68
結婚と居住の規則
68.    結婚と居住の規則


69
親族用語
69.    親族の表現方法(イディオム)


70
親族の「効用(use)」とは何か?
70.    親族の〈効用〉とは何か?


71
連帯理論と近親相姦の禁止
71.    縁組理論とインセストタブー


72
心のなかの構造
72.    心(マインド)のなかの構造


73
基本的構造の形態
73.    基本構造の形態


74
縁組理論は本当にうまくいっているのか?
74.    縁組理論は役に立つのか?


75
【VIII】法と紛争処理

政治と法律
75.    政治と法
75. 政治と法

親族に対する古典的な見方は、社会秩序を維持する役割が強調された。そのことは、自然の流れとして、社会のなかでの、政治と法、権威の構造、権力、支配と 意思決定の研究を促すことになった。政治研究には、2つの基本的なアプローチがある。最初のものは類型的アプローチであり、それは政治の型を分類し、政治 組織と、生業や親族の型とを関連付けるものだ。基本的な事例を紹介しよう。

バンド社会は、一般的には狩猟採集民であり(漁業民や農耕民にもありうるが)、その社会構造は親族に基礎づけられている。

【台詞】バンド社会の男性「俺たちは、平等主義な生活様式を有しており、リーダーシップなど強調されないんだ」

【台詞】バンド社会の女性「リーダーシップは、狩猟や戦争の時に一時的ないし特定の目的だけに使われるのよ」

部族社会は、ふつうは家畜を飼う遊牧民あるいは農耕民による。社会構造は、クランとリネージに基づいており、「年齢階梯」社会(→その項目をみよ)のよう に年齢とジェンダーが重要因子になることがある。これらの社会は、指導者のいない、文字どおり「無頭の社会である。

【台詞】ニューギニア高地人「ときには、富と利益の分配をとおして影響力と支持者を増やすリーダーが出現するんだ」

【台詞】学者(人類学者)「ちょうど、ニューギニアの〈ビッグマン〉のように、じゃな」

76
オマケの例
76.    その他の事例
76. その他の事例

首長社会は、家畜、園芸(=園耕)による作物、あるいは集約農業に基盤を持つ。これらの社会は、権力、権威、そして継承された遺産を有する、世襲の首長に よって支配される。

【台詞】学者(人類学者)「首長は、係争、土地の分配、生産物の再分配にあたっての審判の役割を果たすことが多いのじゃ」——そして——「我々(近代人) もまた、その職権により、超自然的な力と聖職も担ぃているのだ」

国家社会は、集中的な農業と、多くの場合、対外かつ対内的に大規模な交易ネットワークを有する発展した市場体系に基づいた経済を持っている。高い人口密度 を保ち、階級や(例えばカースト原理により)複数の社会成層に分かれている。

【台詞】学者(人類学者)「これらの社会には、世襲の、あるいは選出されたリーダーが力と権威を行使したりしておるのじゃ」——そして——「それらのリー ダーは、いくつかのアフリカの王国がそうであるように、聖なる義務(=宗教的行為)あるいは超自然的な力があるのじゃ」

77
用語法的研究
77.    用語法(ターミノロジー)的アプローチ
77. 用語法アプローチ

類型的アプローチは、社会構造が単純なものから複雑なものへと進化的に発展するという考えを含んでいることは明確である。このアプローチは、特にエルマ ン・サービス(1915-96)と彼の著書『民族学の輪郭集』(1978)を連想させる。

【台詞】学者(人類学者)「別の選択肢は、用語法的アプローチじゃ」——そして——
「この理論は概念の定義を基盤とするのじゃ。つまり…」

(テーブルの上のカード)地位、リーダーシップ、職務、権力、管理、組織、権威

(地位、リーダーシップなどの)これらの用語は、いかなる政治体系の分析にも適応可能である。M.G.スミスは、1960年出版の著書『ザザウの政府』※ においてこのアプローチをとりその社会を特徴づけた。


訳注※:ザザウは、ナイジェリアのカドゥナ州ザリアにある、イスラームの首長制をとる都市のこと。

78
政治人類学
78.    政治人類学
78. 政治人類学

政治人類学は、以下のようなことを検証し、それらの多様な体系を比較する;すなわち社会統制、権力構造、合意の程度、平等と不平等の型。あるいは、伝統、 強制力、あるいは信念そして宗教をとおして、指導者が自らの権威を確立、強化するのかといったことである。

【台詞】学者(人類学者)「社会における平等と不平等の原則を浮き彫りにする社会階層化というものは重要な概念なんじゃ」

アナザシ 「俺たちがいま眺めているように、社会における人の「格付け」には、いろんなやり方があるんだね」

79
年齢階梯社会
79.    年齢階梯社会
79. 年齢階梯社会

【台詞】マサイ人「東アフリカでは、マサイのように社会は年齢によって階層化されている」

【台詞】別のマサイ人「社会的役割と権威は、そいつらが帰属する年齢階梯によって決まるんだ」

ある年齢階梯から他の年齢階梯への継承を確実なものにするためのメカニズムと世代の間の緊張に関する研究は、マックス・グラックマン(1911-75)が プロセス・アプローチを展開させる際にとても役立つことになった。グラックマンの古典的研究は『アフリカにおける慣習と紛争』(1955)と『部族社会の 政治、法、儀礼』(1965)である。このプロセス・アプローチによって、リーダーのグラックマンとマンチェスター大学を拠点のマンチェスター学派の人類 学者たちの存在が有名になる。

80
共時的《対》通時的見解
80.    共時的視点vs通時的視点
80. 共時的視点vs通時的視点

マリノフスキーとA.R.ラドクリフ=ブラウン(1881-1955)によってそれぞれ発展させられた初期の機能主義と構造主義は、政治を親族に埋め込ま れたものとして捉えた。これらのアプローチは、共時的実践を強調した、社会の静的な捉え方を生み出した。

【台詞】ブロニスロー・マリノフスキー「いつ何時、どのように規則は働き、そして均衡や現状を維持し続けるために操作されるのだろうか」

【台詞】マックス・グラックマン「私は、社会のプロセス、変化、反抗、そして紛争といった通時的アプローチに興味があるのです」

グラックマンは、社会プロセスが時間を経て作働する、その変化の仕方に対する通時的な見方を発展させた。

反抗ないしは反乱:力をもった人民が権力を置き換えること

革命:権力を行使する体系=システムを変化させたり、置き換えること

グラックマンは、反抗が不安定性を常とする社会体系においては、それが永続するプロセスであることを指摘した。

81
他の社会階層化
81.    その他の社会階層
81.その他の社会階層化

【台詞】カール・マルクス「階級社会は、政治権力と経済的な財への不平等なアクセスによって階層化されているのだ」

【台詞】インドの女性「カースト社会は、社会的不平等と経済的不平等性とともに、儀礼や宗教によっても階層化されているのよ」

インドのカースト制度は、ルイ・デュモン(1911-98)の有名な研究『ホモ・ヒエラルキクス』(1967)おける研究テーマであった。

82
交渉するアイデンティティ
82.    交渉するアイデンティティ
82. 交渉するアイデンティティ

【台詞】学者(人類学者)「政治は、境界という問いを生みだす。それは集団の構成員の権利と権威と結束の限界であり」——そして——「境界の内側での安定 性と制御の維持の限界でもある」

(綱渡りの重し) 金持ち 貧乏

これらの戦略間の緊張は、人類学者をして、エスニシティ(民族性)やナショナリズム※(国民主義あるいは国家主義)への関心へと導いた。

フレデリック・バース(バルト)(1928-2016)は、とりわけ編著『民族集団と境界』(1969)において、トランザクショナリズム(交渉主義)と いう概念を紹介して、バースの初期研究『スワート・パサンスの政治的リーダーシップ』において、対立と連立との間を振動する取引や引き続けられる「ゲー ム」によって、リーダーたちがどのように義務への忠誠を維持するのかを示した。この概念は、エスニシティ研究において、アイデンティティの交渉を調べる研 究として発展した。


※訳注:ナショナリズムは、古くは民族主義と訳されてきたが、ネーション(国民)や国民国家(ネーションステート)に最も信頼を置くイデオロギーなので、 あえて漢字を与えると国民主義あるいは国家主義になるだろう

83
エスニシティ(民族性)の諸問題
83.    エスニシティの諸問題
83. エスニシティの諸問題

一般的にエスニシティ(民族性)は、各集団がそれぞれを区別し、「私たち自身」ないし「私たち」という感覚もつ方法に関するものである。人類学者は、人び とがこの差異を表現するさまざまな方法や、差異の経験のされ方に関心を持つ。エスニシティは、人種とは異なる。

【台詞】男性「他者や他者の実践をステレオタイプ化することにより、人種はほかの集団に対して「私たち」を「彼ら」とは区別するんだね」

【台詞】別の男「それが結局のところ、人種主義、差別、暴力を生み出すんじゃよ」

他者性(alterity)は、よそ者つまり客体化された他者のことであり、人類学では最近に登場した概念である。すべての社会と集団は、他者性について 気づいていることが指摘されている。しかしそれは、人類学そのものの歴史と実践についての「自己再帰的」論争をも含んでいるのだ。

84
植民地主義
84.    植民地主義
84. 植民地主義

植民地主義、すなわちある社会に対する他の社会からの政治的支配と統制の行使、の研究の研究もまた、人類学ではその発展が遅れてきた研究である。マンチェ スター学派とローズ=リビングストン研究所が、社会変化と、部族と都市の生活の差異についての研究を発表したことで、重要性に欠く見えないものというとよ り、むしろ極めて重要な人類学的関心に関係するものとしての、植民地主義の存在がようやく見えてきた。

【台詞】アナザシ「それ以前は、俺ら「未開人」は少しも変っていないものとされてきた」——そして——「首長や統治者を任命するための儀式や儀礼に関わる 植民地統治者(colonial authority)のインパクトとは、植民者と被植民者の関係性を変化させる『構築的プロセス』だったとものの見事に暴露されてしまった」


その以外の研究は、非西洋の人びとによって西洋の法体系が受容され適応される方法について調べられてきた。

85
反ー資本主義的人類学
85.    反-資本主義人類学
85. 反-資本主義人類学

マルクス主義に着想を得た人類学者は、資本主義と国家に対する植民地とポスト植民地の葛藤に関心を持ち、文化と政治とのもつれ合いを分析するための新たな 視点を生み出した。こうして、新たな概念と用語法が登場した。

中心——周辺論は、イマニュエル・ウォーラーステイン(1930-2019)の『近代世界システム論』(3巻、1974-89)で展開してきた概念であ る。

【台詞】学者(人類学者)「中心部は、力が行使される場所であり、周辺部は、中心で行われた判断によって影響を受ける場所じゃ」

従属理論は、アンドレ・グンダー=フランク(1929-2005)の『ラテンアメリカにおける資本主義と低開発』(1967)で展開された。

【台詞】グンダー=フランク「資本主義の発展は、植民地における収奪に依存するものであり、まさに従属と貧困と障害を創造※し、植民地の開発を阻害してい るのである」


幾ばくかの人類学者たちは、文化の用語のなかに、グローバルとローカルという考えを発展させてきた。従属集団の日常実践を研究するなかで、人類学者は、非 公式の構造——連帯、派閥、ネットワークなど——によって示される、組織内の、補足的で、並行する行動の形態に注目するようになってきた。

【台詞】アナザシ「ジェームズ(=ジム)・スコットは、『弱者の武器』において、日常的抵抗の様式としての政治に注目したんだよ」

【台詞】覆面をしたアナザシ「ここから、政治の暴力性と国家規則に対する抵抗に焦点を当てた、マイノリティ運動についての研究の流れが始まったのさ」

※ 訳注:ここでの「創造」は、従属理論における「低開発の開発(development of under-development)」という言い方で表現されるものであり、中心部が発展すればするほど、周辺部の富と労働はますます収奪される、とい う考え方である。

86
法の人類学
86.    法人類学
86. 法人類学

人類学者は、司法※と慣習を区別するものの、この2つのものが働いているときにはその概念にほとんど差異はないということ指摘してきた。


【台詞】裁判官姿のアナザシ「しかしながら(近代の)司法制度でも係争を仲裁するためのものがあり、(伝統的な)慣習的制度でも規則違反に対して制裁がな されたり、誤った行動への処罰も存在するのだ」

【台詞】先住民姿のアナザシ「慣習は規範規則を強化するのさ。規範規則とは、期待されている活動と行動の形態のことなんだよ」

※訳注:law を文脈により司法と法を訳し分けている。

ポール・ボハナンは編著本『法と交戦行為』(1967)において、ちょうど「二重に制度化される」ものとして、司法を、慣習と行為規則から区別した。「二 重に制度化される」とは、司法というものは、他の制度から由来する慣習あるいは規則を、制度の中に再度取り込んだものだという意味である。

アメリカの人類学者E.アダムソン・ホーベルは、『未開人の法』(1954)において、法は次の3つの原理を含んでいると指摘した。

1. 正しい行動を保証し誤った行動を罰するための(暴力などの物理的)力の利用を正当化すること、

2. 強制力を行使するため、個人に権力を割り当てること。

3. 思い付きではなく伝統を尊重する。法の執行は、慣習であれ制定法であれ、周知されている規則に則って行われなければならない

87
口論解決のメカニズム
87.    係争処理のメカニズム
87. 係争処理のメカニズム

狩猟採集社会では(争いを避けるために実際に会わないことつまり)回避が起こる。

【台詞】アナザシ「社会的空間が広大で、公式な統制のメカニズムが相対的に発展していない」

【台詞】学者(人類学者)「人びとの間での紛争や攻撃の源を見つけるために、卜占あるいは神判が利用されるのじゃ」


仲裁、交渉、調停、裁決は、いろいろなやり方があるが、それは(網の目のようになった社会に病気のように蔓延する)紛争や競合をそれ以上引きおこさないた めである。それらは、争いつまり競合による具体的出来事を処理しようとするのであり、それらはまた、賠償を決定したり、慣習的制裁を働かせることとなる。

【台詞】学者(人類学者)「争いは、非公式的にできあがる寄り合いや集会へ持ち出されることもある」——そして——「そこでは、係争後も一緒に暮らしてい かなければならない人びとのあいだでの合意が探求される」

(非公式の寄り合いや集会での役割)裁判官、被告(人)、陪審員

そこでは、具体的でしばしば儀礼的な、係争を仲裁し裁決を下すために権威を与えた集団がいる。そうでなければ、係いは、公式に制度化された裁判所によって 処理される。

88
【IX】宗教とシンボリズム
宗教
88.    宗教


89
シャーマニズムとカーゴ・カルト(積荷崇 拝)
89.    シャーマニズムとカーゴカルト


90
聖と俗
90.    聖と俗


91
魔術/呪術の人類学
91.    呪術の人類学


92
信念をめぐる論争
92.    信念についての論争


93
儀礼の検討
93.    儀礼の検証


94
通過儀礼
94.    通過儀礼


95
神話の研究
95.    神話研究


96
クロード・レヴィ=ストロース
96.    クロード・レヴィ=ストロース


97
二項対立と構造
97.    二項対立と構造


98
象徴とコミュニケーション
98.    象徴(シンボル)とコミュニケーション


99
象徴と社会過程
99.    象徴(シンボル)と社会プロセス


100
アクター、メッセージ、コード(行為者/ 伝達内容/暗号)
100.    主体(アクター)、メッセージ、コード


101
シンボリズムと新しい見解
101.    象徴主義と新たな視点


102
【X】芸術と表象
芸術の人類学
102.    芸術人類学


103
映像人類学
103.    映像人類学


104
消失してゆく世界
104.    消えゆく世界


105
新しい枝か?古い根っこか?
105.    新たな枝派か?あるいは古根か?


106
フィールド経験を書きたてる (Writing up the field)
106.    フィールドを書き上げる


107
現在において書く
107.    現在において書く


108
【XI】論争・批判・内省

自己[回帰の]人類学(Auto- Anthropology)
108.    自己回帰の人類学


109
二重のテポストラン、闘争的テポストラン
109.    テポツォトラン論争/テポツォトランの2つの顔


110
テポストラン再訪
110.    テポツォトラン再訪


111
人類学とは科学なのか?
111.    人類学は科学なのか?


112
科学のふりをすること
112.    見せかけの科学


113
インディアンは居留地を出る
113.    保留地の外へ出たインディアンたち

114
誰がインディアンのための語るのか? 114.    誰がインディアンのために語るのか?

115
神としての白人
115.    神としての白人

116
権威の神話
116.    権威神話

117
出来事の位相
117.    出来事の地平線


118
自己批判的人類学
118.    自己批判の人類学


119
人類学のヒーロー
119.    人類学の英雄


120
ミード神話の没落
120.    ミード神話の崩壊


121
観察される観察者
121.    『観察される観察者』


122
粘土の足
122.    もろい基礎


123
自己投射の議論
123.    自己投射の問題


124
【XII】トラブルからの脱却
文化を書くこととポストモダニズム
124.    文化を書くこととポストモダン


125
ポストモダンの麻痺
125.    ポストモダンの無気力感


126
人類学における女性
126.    人類学の女性たち


127
人類学者たちの親族紐帯
127.    人類学者の親族紐帯


128
フィールドの協力者
128.    フィールドの協力者


129
フェミニスト人類学
129.    フェミニスト人類学


130
フェミニスト人類学の位置づけ
130.    フェミニスト人類学の位置付け


131
未接触の人々
131.    穢れなき民


132
ヤノマモ・スキャンダル
132.    ヤノマミ騒動(スキャンダル)


133
内戦を創り出す
133.    生み出される内乱


134
人類学はどこへゆく?
134.    人類学はどこへ行く?


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