Calpulli
カルプリ、伝統的農村共同体
アステカにおける、土地の共有を前提にした伝統的農村共同体。インカにおけるアイユ(ayllu)——日本語の親類に相当する親族共同体概念——に相当する。
平凡社の世界大百科事典による以下のとおり:「こん
にちのメキシコ市にあったアステカの首都テノチティトランは,四つの地区に区画され,そのおのおのはまた,カルプリcalpulliという集団の占める小
地区に分かれる。各カルプリはそれぞれ独自の職業に従事し,各自の神と神殿と土地と,そしてある程度の自治的な制度とをもつ」(氏族制度)。「植民地支配
以前における先住民の土地占有の型によってみれば,それは征服前に土着の文化が高度に発達し,アステカやインカなど国家レベルまでの統治機構が形成されて
いたメキシコ,中央アメリカ,アンデス高原の諸地域,いわゆる核アメリカと,その他の地域に大別できよう。前者においては,人口稠密(ちゆうみつ)で集約
的な定住耕作が行われ,アステカではカルプリcalpulli,インカではアイユと呼ばれていた土地の共有を基盤とした農村共同体が成立し,一定の賦役
(インカではミタ),貢納制によって国家に統合されていた。それに対して,後者は,もっぱら焼畑耕作,または狩猟,採集経済で,社会集団の規模も小さく,
孤立的であったところである」(ラテン・アメリカ)
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