かならずよんで ね!

読み手に伝わる文章のテクニック

Writing techniques to get the message across to the reader

工学コミュニケーションの基礎(TW03):Fundamentals of Technical Communication (TW03)

池田光穂

もっとも重要なことは最初に書く・言う!

起承転結はテクニカルライティングにとっては「悪」 です。

形容詞句や名詞句を使わず動詞で書く。ところで、形 容詞句や名詞句ってどんなものですか?

動詞で書くというのはどう言うこと?(「セキュリ ティソフトの利用により外部攻撃のリスクを減らせます」→「セキュリ ティソフトを使ってください。外部からの攻撃を減らせるからです」)

「〜が必要です」という書き方はやめること。

否定表現には注意せよ!(「否定表現には注意が必要 です」とは言わない)

日本語には、文末決定性という性質があります。文末 決定性というハンディを担うのが否定辞「〜でない」です。

日本語でも英語でも二重否定は、柔かい肯定になりま すが、これはテクニカル・ライティングには使わない。なぜなら文章が、曖昧になるから。

したがって、否定文ではなく、肯定文で表現しましょ う。

敬体と簡体の違いがわかりますか?

能動態(能動文)と受動態(受動文)を使い分けま しょう。その原則は、受動文よりも能動文で書く、ということ。受動文では主語が明確になるからです。

抽象的に書かずに、なるべく具体的に書く。5W2H を思い出して。

タイトルや見出しをつけることで、個々の説明文を明 確にします。

「〜など」を使わない、など……という文章は悪文ですね。XXXを使わない。(そし て否定文ではなく肯定文のルールにより)YYYを使う、と表現しましょう。

英文は、「〜など」という表現をとても嫌います。 「〜など」と書くとなんでも、そこに入ってしまうからです。

文末、最後の文章が重要。

紋切り型の締めの言葉を言い換える(「報告は以上で す」→「報告の内容は以上ですが、今後も引き続くXXXに留意して点検するようにお願いします」。「ご静聴ありがとうございました」→「XXXが重要だと 指摘させていただきました。皆様の質問とコメントによりさらに改善していきたいと思います。よろしくお願いします」)

レビュー(添削、校正、批評)を受けましょう。

●レビュー・チェック・リスト(教科書 87ページ)

●練習問題01

以下の文章を解説し、生徒(子どもたち)にもわかるように書き換え てください。

「生産性を向上しつつ長時間労働をなくすためには、 これらの見直しとあわせ、職場の管理職の意識改革・非効率な業務プロセスの見直し・取引慣行の改善(適正な納期設定など)を通じて長時間労働をなくしてい くことが必要です。このような取り組みが全ての職場に広く浸透していくよう、厚生労働省では、周知・啓発や中小企業への支援・助成を行っていきます」

「時間外労働の上限は、月45時間、かつ、年360 時間が原則です。特例による場合であっても、できる限りこの水準に近づける努力が求められます。このため、新たに労働時間の延長や休日労働を適正なものと するための指針を厚生労働大臣が定め、必要な助言・指導を行うこととしています。その際、当分の間、中小事業主に対しこの助言・指導を行うに当たっては、 中小企業における労働時間の動向、人材確保の状況、取引の実態等を踏まえて行うよう配慮することとしています」。

出典:厚生労働省(2019)「働き方改革〜一億総 活躍社会の実現に向けて〜」https://www.mhlw.go.jp/content/000474499.pdf(2020年4月5日取得)

●練習問題02(教科書98ページ)

以下のテーマについて、インターネットで情報を収集 し、日本語200字程度(180字〜220字)でまとめてみましょう。

・人工知能とは?

・IoTでつながる工場

・日本のものづくりの強みと弱み

・技術者にとってのSNSのメリット、デメリット

・働き方改革を実現する具体的方策

・最近みた映画あるいはドラマの内容を客観的に紹介 してください

読み手に伝わる文章のテクニック——工学コミュニ ケーションの基礎(TW03)

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