メアリー・シェリーからフランケンシュタインへ
A Letter from Mary Shelly to Frankenstein
1797 8月30日ロンドンでMary Wollstonecraft Godwinとしてうまれる。後のMary Wollstonecraft Shelly(1797-1851)。
1813 パーシー・シェリーと出会う
1914 シェリーとの恋愛に父が激怒。メアリーは (ヨーロッパ?)大陸へ駆け落ち。帰国
1816 1月24日 息子ウィリアム誕生(彼は 1819年6月7日に死亡)
1816 5月 バイロンに誘われ、レマン湖畔で過ごす。バイロンの提案(ディオダディ荘の怪奇談義)をきっかけに小説『フランケンシュタイン』の着想を得、執筆に取りか かる。「バイロンやその友人のジョン・ポリドリ (John William Polidori) らと、スイス・ジュネーヴ近郊のレマン湖畔のディオダティ荘に滞在していた。長く降り続く雨のため屋内に閉じこめられていた折、バイロンは「皆でひとつず つ怪奇譚を書こう (We will each write a ghost story.)」と提案」。9月帰国
1816 12月 シェリーの妻が自殺したため、メアリーはシェリーと結婚
1817 5月 『フランケンシュタイン』脱稿。9月2日 娘クレアラ誕生(彼女は1818年9月24日死亡)
1818 『フランケンシュタイン』初版をロンドン の小出版社 Harding, Mavor & Jones から匿名で出版。3月11日 『フランケンシュタイン』初版に夫シェリーの序文を付けて再度匿名で出版。この日、子どもを連れてイタリアへ
1819 11月12日 息子パーシー・フローレン ス誕生。
1822 7月8日 夫・パーシーがスペツィア湾でヨットの事故で死亡
1823 2月 『フランケンシュタイン』第2版を出版
1824 4月19日 ギリシャ独立戦争でバイロンが病死
1826 『最後の人間』(The Last Man)出版
1831 『フランケンシュタイン』第3版(改訂 版:下図右)を出版。これが今日読まれているものの定本。
Richard Rothwell's
portrait of Mary Shelley was shown at the Royal Academy in 1840,
accompanied by lines from Percy Shelley's poem The Revolt of Islam
calling her a "child of love and light".[1]
1851 死亡
■ロバート・ウォルトンから姉への手紙、あるいは 『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』(Frankenstein: or The Modern Prometheus)
A. 隊長ロバートは北極点探検の途上でヴィクター・フランケンシュタインを発見。フランケンシュタインは自分の体験を語る。
B. スイスの名家の青年フランケンシュタインはドイツの大学で自然科学を学ぶ。生命の謎を解き明かし、生命を自在にしたいと野心をもつ。
C. 理想の人間の設計図を完成させ、墓を暴き、人間の死体をつなぎ合わせ、11月に怪物の創造に成功する。
D. 怪物は優れた体力、心、知性をもつが、容貌が怪異で、フランケンシュタインは絶望をあまり怪物を残したまま、スイスに戻る。
E. 怪物は生き延び山野を越えてフランケンシュタインのもとに戻る。孤独な怪物は孤独を癒すために伴侶を創造するようにフランケンシュタインに要求し、二度と 彼のもとに戻らないことを約束する。
F. フランケンシュタインはそれを拒絶するが、怒った怪物は、復讐心に燃えた怪物派友人達を次々と殺害する。フランケンシュタインは怪物を追いかけ北極海にま で到達する。
G. 怪物を殺すようにロバートに語った後、フランケンシュタインは船上で息絶える。彼の遺体を残したあと、探検隊は北極点到達を断念し、帰途につこうとする が、そこに怪物が現れる。
H . フランケンシュタインの遺体を前に怪物は嘆き、みずからを焼いて死ぬために北極海に消える。怪物の消息は不明である。
■フランケンシュタインの物語の時間構造(図式)
■フランケンシュタインの物語の時間構造(物語の展開)
問題
1.フランケンシュタインの研究倫理について、時間 軸をおって検証せよ
2.フロイト的フェミニズム論の観点から、フランケ ンシュタインの「子宮獲得欲望」は論じることができるか?
3.メアリー・シェリーはなぜ、匿名で出版せざるを えなかったのか? また、夫パーシー・シェリーの序文をつけてもなお、匿名で出版せざるをえなかったのか、当時の出版事情や、女性が著者になることの意味 について考えなさい。
4.上掲のあげている小説『フランケンシュタイン』
の時間構造や、語りのフレームワーク(ロバート・ウォルトンから姉への手紙の体裁をとる)という観点から論評しなさい。
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