はじめによんでください

感情史とは感情研究史のことなの?

Does the history of emotion mean history of the stduies on emotion?

池田光穂

☆ ヤン・プランパー(Plamper, Jan. b.1970)『感情史の始まり』森田直子監訳、みすず書房、2020年のCiNiiの紹介では次のようになっている:「感情とは、感情史とは何か。感情 をめぐる社会構築主義と普遍主義を架橋し、グランドセオリーを描く試論。歴史学における感情の扱い方の手法と重要性を説く。感情を主題に人文・社会科学と 生命科学を架橋する。歴史学研究の斬新な試論」。しかし、その目次を見る限り、感情研究の歴史と、そこで取り上げられたトピックを列挙しているにすぎない ように思える。

感情史の始まり
著者: ヤン・プランパー【著】 森田直子【監訳】 
出版社: みすず書房
出版年月: 2020/11
ISBN: 9784622089537
NDC: 201.16
ProductID: KP00063838
形式: PDF
内容紹介
感情とは、感情史とは何か。感情をめぐる社会構築主義と普遍主義を架橋し、グランドセオリーを描く試論。歴史学における感情の扱い方の手法と重要性を説 く。感情を主題に人文・社会科学と生命科学を架橋する。歴史学研究の斬新な試論。
※本電子書籍版では、著作権の都合により、図1・図30を割愛いたしております。
目次
表紙
目次
序論 歴史と感情
1 感情とは何か
2 誰が感情を有するのか
3 感情はどこにあるのか
4 感情は歴史を有するのか
5 感情の歴史を書く際にいかなる史料を使えるのか
第一章 感情史の歴史
1 リュシアン・フェーヴルと感情
2 フェーヴル以前の感情史
3 フェーヴルの時代およびその後の感情史
4 感情史と9・11
5 バーバラ・H・ローゼンワインと感情の共同体
第二章 社会構築主義――人類学
1 感情の多様性
2 旅行記と初期の人類学における感情
3 人類学の古典における感情
4 一九七〇年代における初期の感情人類学
5 言語論的転回と社会構築主義
6 ロザルド、アブー=ルゴド、ルッツ以外の社会構築主義
7 社会構築主義にもとづく感情の人類学――いくつかの暫定的結論
8 一九九〇年代Ⅰ――社会構築主義後の人類学による感情研究
9 一九九〇年代Ⅱ――社会構築主義と普遍主義との二元論の超克?
10 より新しい普遍主義的な感情人類学
第三章 普遍主義――生命科学
1 ポール・エクマンと基本感情
2 第三章の行程表
3 チャ ールズ・ダーウィンの『人および動物の表情について』(一八七二)――社会構築主義者と普遍主義者の戦場
4 感情心理学研究の始まり――気持ち、情念、心情変化がいかにして神学から心理学へと移り、その際に「感情」になったのかという問題
5 感情の実験室と実験室の感情――実験精神からの心理学的感情概念の誕生
6 いかにして社会的秩序の理念が脳の内部の秩序をも決定したのか
7 脳の感情的反応の探求
8 フロイトに欠けている感情理論
9 一九六〇年代以降の感情心理学の流行
10 感情の統合的な認知‐生理学理論――シャクター‐シンガー・モデル
11 評価する感情――認知心理学と評価モデル
12 神経科学、fMRIスキャニング、およびその他の画像処理法
13 ジョセフ・ルドゥーと恐怖への二経路
14 アントニオ・R・ダマシオとソマティック・マーカー仮説
15 ジャコモ・リッツォラッティ、ヴィットーリオ・ガッレーゼ、マルコ・イアコボーニ――ミラーニューロンと社会的感情
16 小人の肩の上で――人文・社会科学にとっての「トロイの木馬」としての神経科学
17 万国のアフェクタリアンよ、団結せよ! ハート、ネグリらに代表される神経科学
18 神経科学からの借用について――暫定的結論
19 あらゆる分断線を越えて――批判的神経科学との真の協働可能性
第四章 感情史の展望
1 『感情の航海術』――ウィリアム・M・レディによる社会構築主義と普遍主義の克服の試み
2 感情実践
3 ニューロヒストリー
4 感情史の射程
5 展望
結論
謝辞
訳者あとがき
用語解説
原注
主要文献目録
索引
著訳者略歴
奥付

The Stalin Cult: A Study in the Alchemy of Power. Yale University Press, 2012.
Between the late 1920s and the early 1950s, one of the most persuasive personality cults of all times saturated Soviet public space with images of Stalin. A torrent of portraits, posters, statues, films, plays, songs, and poems galvanized the Soviet population and inspired leftist activists around the world. In the first book to examine the cultural products and production methods of the Stalin cult, Jan Plamper reconstructs a hidden history linking artists, party patrons, state functionaries, and ultimately Stalin himself in the alchemical project that transformed a pock-marked Georgian into the embodiment of global communism. Departing from interpretations of the Stalin cult as an outgrowth of Russian mysticism or Stalin's psychopathology, Plamper establishes the cult's context within a broader international history of modern personality cults constructed around Napoleon III, Mussolini, Hitler, and Mao. Drawing upon evidence from previously inaccessible Russian archives, Plamper's lavishly illustrated and accessibly written study will appeal to anyone interested in twentieth-century history, visual studies, the politics of representation, dictator biography, socialist realism, and real socialism.
The Stalin Cult: A Study in the Alchemy of Power. Yale University Press, 2012.
1920 年代後半から1950年代初頭にかけて、最も説得力のある人格カルトのひとつが、ソ連の公共空間をスターリンのイメージで飽和させた。肖像画、ポスター、 彫像、映画、演劇、歌、詩の奔流は、ソ連国民を活気づけ、世界中の左翼活動家を鼓舞した。ヤン・プランパーは、スターリン・カルトの文化的産物や制作方法 を検証した初めての本で、芸術家、党の後援者、国家公務員、そして最終的にはスターリン自身を、痘痕のあるグルジア人を世界的共産主義の体現者へと変貌さ せた錬金術的プロジェクトに結びつけた、隠された歴史を再構築している。プランパーは、スターリン・カルトをロシアの神秘主義やスターリンの精神病理学か ら生まれたものという解釈から離れ、ナポレオン3世、ムッソリーニ、ヒトラー、毛沢東を中心に構築された近代的な人格カルトの広範な国際史の中でカルトの 文脈を確立する。これまでアクセスできなかったロシアの公文書館からの証拠をもとに、豊富な図版とわかりやすく書かれたこの研究は、20世紀史、視覚研 究、表象の政治学、独裁者伝記、社会主義リアリズム、現実社会主義に関心のあるすべての人にアピールするだろう。

リ ンク

文 献

そ の他の情報


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