グローバル老年学の提唱
Proposal for Creating Global Gerontology in a Hyper Aged Community
池田光穂・徐淑子
(概要)
人類集団の長寿化と出生率の緩慢な低下が、地球人口 の高齢化を推し進めている。それに呼応しグローバル・ヘルス&エイジングは世界保健機関が推進する政策課題の中でも高い位置を占め、21世紀以降グローバ ル老年学という研究領域が登場する。本研究課題は、世界の高齢化率を高・中・低に分け、それぞれの代表的な社会を対象に(i)加齢価値観の近年の変化、 (ii)当該社会が捉える加齢現象の悲観化/楽観化傾向の検証、そして(iii)高齢化文脈と安楽死選択の社会分析を通して、グローバル老年学のパラダイ ムチェンジをめざす。D・カーネマンのプロスペクト理論にもとづくフレーミング効果分析を参照しつつ、統計資料のメタ分析、現地訪問調査による住民ならび に専門家へのインタビュー等の質的調査法を駆使して、最終的にグローバル老年学の新たな基本カリキュラムを構想することで、各地の研究成果と大学や大学院 研究科での教育を直結させる実践モデル提案の道筋をつける。
(1)本研究の学術的背景、研究課題の核心をなす学 術的「問い」
11世紀のアヴィセンナの時代に老人ケアの処方が登 場するが、老年医学/老年学は、その名称を提唱したイリア・メチニコフを嚆矢として第二次大戦中の1940年代にその基盤がつくられ、米国老年医学会が創 設されるのは1945年である。米国での老年学研究の隆盛は、戦後のサイバネティクスや生物工学などの研究との影響関係をもち1960年代にピークを迎 え、1970年代に入ると米国の医学校で老年学が通常のカリキュラムに組み込まれる。これは西洋社会の高齢化の進展とそれに対応する医科学研究からの学術 的応答と考えることができる。老年学はカリキュラムに組み込まれることで、ノーマル・サイエンス化が始まり、生物医学のみならず、公衆衛生、疫学、さらに は社会科学(e.g.社会福祉学)や人文学(ヒューマニティーズ)を取り込み、世界の「人口爆発」後の状況に対処する「問題にもとづく科学」としての学際 科学に成長する。21世紀ニューミレニアム以降は、世界人口の高齢化とそれに対する行動計画の策定が喫緊の課題になる。
本研究で定義する「グローバル老年学(global gerontology)」とは、この時期に成立した欧米での老年学研究に加えて国連や各国のシンクタンクが検討をはじめたグローバル・ヘルス&エイジン グ(WHO, 2011)での地球レベルでの加齢現象に対処する国際的な取り組みという実践学のことである。このような研究の取り組みは政府系、非政府系ならびに民間の 製薬企業あるいは高齢化に対処する社会福祉関連産業において、生物医学から介助システム、バイオメカニクス、脳科学や認知行動に関わる研究、さらには疫学 や公衆衛生学まで多岐にわたる。すなわちグローバル老年学は、複数の学問ディシプリンが関与する総合学問である。
本研究の核心をなす学術的「問い」は、この寿命の延 伸に伴う現象に直面する世界の人々が加齢に対して抱く集合的イメージとその時系列的変化にある。その問いは次の3つに具体的に分けられる;(i)加齢に関 する文化人類学的研究(「老年人類学」)が主張してきた〈加齢に対する価値観〉や〈老人に対する社会的態度〉は文化的に決定されるという主張(=パラダイ ム)は、当該社会の加齢現象や生物医学の知見の社会的流布により、どの程度変容を受けるのか[加齢価値観の近年の変化]:(ii)多くの社会で加齢に対し て悲観的なイメージと楽観的なイメージがあるが、人々はどの程度の悲観的/楽観的な社会イメージを「変化」させているのか[当該社会が捉える加齢現象の悲 観化/楽観化傾向の検証]:そして(iii)伝統社会におけるかつて実行された記録のある老人遺棄や老人殺害の慣行と、西洋先進社会でさまざまな論争や反 対運動がありながら実践しつつある安楽死(euthanasia)を論理的/法的/文化的に比較考量することを通して、高齢化への悲観化/楽観化イメージ が、高齢者主体の安楽死選択にどのように影響を与えるのか[高齢化文脈と安楽死選択の社会分析]についてである。
(2)本研究の目的および学術的独自性と創造性
本研究の目的は、グローバル老年学を科学社会学的に 分析し、グローバル老年学の可能性と限界、将来の方向性を予測することである。さらにグローバル老年学を「問題に基づく科学(Problem-Based Science, PBS)」として捉えなおし、具体的なカリキュラムとして試行的に提唱することを通して、この領域のパラダイムチェンジをめざすことにある。
科学社会学は、科学者と彼/彼女らが実践する科学的 営為を、社会的営為としてみなし、それを社会学の理論や方法を使って分析する学問である(池田 online)。グローバル老年学は、老年学を形成するそれぞれの基礎学を、グローバルな文脈のなかで加齢の普遍性一般性と地域的特性の多様性を研究す る。そして政策に関与し、個別の現場では高齢者やそのケアにたずさわる人をエンパワーするという実践的な総合学という性格をもつ。WHOは2017年から の9年間を「認知症に応答する公衆衛生のグローバル・アクション計画(global action plan on the public health response to dementia 2017-2025)」とし、超高齢化社会にとっての喫緊の課題である認知症者の人権回復、エンパワメント、リスク低減、学術研究の推進、全地球的な広報 を提起している。他方、文化人類学者の探究にも関わらず、老人遺棄や老人殺害の実態はよくわかっていない。だがこの慣行は近代社会における病理現象として の老人虐待の変種などではなく、遺棄者や殺害者が将来同様の運命を自ら享受するという点で特殊な人口維持と共同体の資源管理メカニズムであることを、池田 (業績7.)は明らかにした。本研究の学術的独自性とは、グローバル老年学に不可欠な世界の多様な老人や老化に対する文化的態度を、その学問領域に正確に 位置づけることにある。またその創造性とはその質的調査から得られるエビデンスをもって、グローバル老年学を「問題に基づく科学」として捉えなおし、その 具体的なカリキュラムとして試行的に提唱することにある。
(3)本研究で何をどのように、どこまで明らかにし ようとするのか
上掲(1)で本研究の学術的「問い」を提示した。そ こで焦点化される課題は次の3点である。
(i) 加齢価値観の近年の変化
(ii) 当該社会が捉える加齢現象の悲観化/楽観化傾向の検証
(iii) 高齢化文脈と安楽死選択の社会分析
このことを明らかにするために(1)高齢化の社会問 題に関する文献調査とメタ分析、(2)高齢化の社会問題に関する国内訪問調査、(3)高齢化の社会問題に関する海外訪問調査、(4)「問題に基づく科学」 としてのグローバル老年学の教育フィージビリティー研究会を組織する。方法論は、言説分析やエスノグラフィーなどの質的調査法を採用する。理論分析はプロ スペクト理論にもとづくフレーミング効果分析[5頁囲み部分で指摘]を参照しながらおこなう。高齢化比率や安楽死選択に関するジェンダー格差は多文化多民 族間の比較により一層明らかにされうる。最終的に、質的調査から得られるエビデンスを「問題に基づく科学」としてのグローバル老年学に位置づけ、その基本 カリキュラムを構想する。
調査対象となる国と地域を、【高・高齢化国】【中・ 高齢化国】【低・高齢化国】の3つに分ける。すなわち(a)【高・高齢化国】日本(高齢化率27%,2016年, Global NOTE提供,以下同様)とベネルクス三国(18-19%)、(b)【中・高齢化国】韓国(14%)、(c)【低・高齢化国】スリランカ(10%)とグア テマラ(5%)のマヤ先住民地域、である。それに加えて参照調査地として研究分担者たちが調査経験とデータを積んできたエチオピア(4%)とケニア (3%)を加える。また日本では、都市から離島まで多様性のある長崎県(28.9%:2016内閣府)と地域的多様性が少ないが同程度の高・高齢化県であ る新潟県(29.1%)と都市住民が多い東京都(22.5%)の3箇所での取り組みについて調べる。東京都を加えたのは2007年以降の世界の都市住民と 農村住民の逆転を踏まえた考慮が必要だからである。
(1)高齢化の社会問題に関する文献調査とメタ分 析:高齢化率の高い国(日本、ベネルクス三国)おける高齢化の社会問題に関する文献調査をおこなう(全員)
(2a)高齢化の社会問題に関する国内訪問調査:長 崎県、新潟県、東京都において、基本的な疫学資料や、地元の取り組みについて調べる(全員)。
(2b)高齢化の社会問題に関する海外訪問調査: 【高・高齢化国】のオランダを含むベネルクス三国、【中・高齢化国】である韓国、【低・高齢化国】であるスリランカ、グアテマラ、ケニア、エチオピアにお ける高齢者の社会における位置づけや、当該地域が抱えている問題を明らかにする。老年学ならびに国際保健のフィールドワーク手法、保健教育や医療社会学に おける専門家への聞き取りを、老年学と医療人類学的方法にもとづく、専門家への聞き取りとインタビュー訪問調査をおこなう。
(3)教育フィージビリティー研究会:「問題に基づ く科学(PBS)」のカリキュラム化に関する共同研究会を、日本国内の調査県である、長崎・新潟・東京において全員の参加でおこなう。補足的な会合をメー リングリストやテレビ電話会議(Skype, FaceTime)を活用して行い、研究経費の効率的運用に努める
(1)本研究の着想に至った経緯
欧州における安楽死ならびに自殺扶助法案の成立 (Norwood 2009)や、日本の「団塊の世代」が後期高齢者になることでのケア供給が破綻するとされる「2025年問題」など生命倫理学、医療経済学あるいは関連の ジャーナリズム分野では高齢者問題をきわめて深刻化して捉えている。この状況を「寿命の延伸に煩悶する地球社会」と呼んでもいいだろう。この圏域では通常 の加齢を迎える人の他に、認知症を抱える人、元薬物利用者、心身のハンディキャップをもつなど、すべての人々に降りかかる課題である(WHO 2016;業績13)。この悲観的イメージを基調とする没落の未来像はどこから去来するのであろうか。私たち研究グループが長年培ってきたグローバル・ヘ ルスと高齢化社会への対応という研究の蓄積と、この問題を関連付けた新たな研究計画に着手することとした。これまでのグローバル老年学に関する文献の豊富 な渉猟を加えて、それぞれの文化での高齢者個人の自己イメージ、加齢現象への社会的意味づけ、様々な社会的文脈における高齢者への態度、そして高齢者ケア に対する社会規範と態度などが多様な実態が明らかになった。そこには悲観論/楽観論を超えた高齢者に関する伝統知の可能性を読み取ることができる(業績, 5,6,7,9,10,11,12,15,16,17,20,26,27)。
(2)関連する国内外の研究動向と本研究の位置づけ
高齢社会に向かう世界的動向にはおびただしい統計的 分析や人口学的、疫学的、公衆衛生学的研究の蓄積があり、メタ分析についても専門誌に毎回多くのレビュー論文が収載されている。また高齢者文化の医療民族 誌学的研究も近年のグローバル・エイジング関連での研究基金の助成により多くの研究がある。しかしながら先に(1頁)述べたグローバル老年学を、最新の研 究成果利用しつつそれを統合しようとする研究は存在しない。研究の局所領域での変化が日進月歩だからである。それゆえに、本研究課題が目的とする、総合的 評価にもとづいて「問題に基づく科学」としてグローバル老年学のパラダイムを動態的に把握しつつ教育プログラムを開発する試みは皆無である。本研究チーム の池田と徐、およびNはPBLをつかったアクティブラーニングの研究の蓄積がある(業績,2,3,9,14,21,24,25)
本研究の特色は、そのような混とんとしたグローバル 老年学の理論的新展開の可能性として行動経済学分野から提唱されたプロスペクト理論を援用することにある。シンプルで明快なこの理論によると、この高齢化 に関する悲観的フレーミングと、さまざまな社会における高齢者と協働する楽観的な現場感覚のあいだには、明らかな非対称性がある。それは、高齢化に関する 社会科学による統計資料などのデータの解釈が、現場感覚に由来するヒューリスティクスからのバイアスにより歪められたり、逆により正しい側に修正されたり するということと関連しているようだ(Kahneman 2011)。そのような仮説と実態との突き合わせを通してグローバル老年学のパラダイムチェンジをめざす。
(3)これまでの研究活動(番号は業績 に対応)
研究代表者の池田は、ラテンアメリカを対象とする医 療人類学の基礎研究(1,29,31)を皮切りに、(研究分担者のN・Y・Mとの共同で)終末期医療と自己決定、長寿社会での認知症ケア、緩和ケア の感覚経験、高齢者の外傷後成長(PTG)と認知症予防などの調査に携わり、多くの成果発表をおこなってきた (5,10,11,12,15,1617,19,20,26)。池田・N・M(5,11,12)は医療人類学者であり、Y(15,28)は公衆衛生 学を基にするグローバル・エイジング研究の第一人者である。徐(4,13)はHIVの保健教育と薬物利用者の社会的支援であるハーム・リダクションの実践 と理念に造詣が深い。とりわけ近年では、終末期緩和ケア、認知症者とのコミュニケーション(26,27)、日本国内の高齢者への看護とケアにおける外国人 の職場適応、また(研究分担者の徐との共同で)オランダにおける元薬物利用者の高齢化や福祉問題などの研究結果をもとに、大学院生向けのアクティブラーニ ング科目の主要な方法論である問題に基づく学習(PBL)の横断的な教育素材を提供し、授業開発手法の提言をおこなった(2,3,14,21,22)。こ の経験を本研究のカリキュラム提案に役立てる。
+
(4)準備状況と実行可能性
高齢化の社会問題に関する文献調査や、アフリカ、ス リランカ、ドミニカ共和国、メキシコの高齢者の生活実態についてはこれまでの科学研究費補助金の研究を通して、池田・N・Y・Mには十分の研究蓄積 がある。プロスペクト理論にもとづく悲観的フレーミング効果に関する知見については、池田・N・徐がPBLアクティブラーニングの教育方法を検討した際 に参照し、基本的な文献の収集と分析の途上ではあるが、研究を始められる態勢は整った(2,3,9,24,25)。つまり本研究の準備状況は「おおむね順 調」であると判断される。
本研究の実行可能性は、高齢者に関する近代知(=悲 観的フレーミング)と伝統知(=高齢化に対する両義的な態度)の可能性のあいだの齟齬、および実態=現実の有り様、という三つの視座を「問題に基づく科 学」(PBS)にどのように有益に取り組めるかということにかかっていると判断できる。これらの研究手順は以下のアルゴリズム過程で表現される。
以上の所見から本研究メンバーによる共同研究は実行
可能な状態にあり、すぐにでも研究に着手できる態勢にある。ウェブページも構築済みである(https://goo.gl/mKcznm)
+
1.
池田光穂(2017)政治紛争のなかの先住民コミュニティ:グアテマラ・マヤ系先住民の文化と自治,Co* Design 2:1-16,査読有. 2. 池田光穂・徐淑子(2017)学習者から探究者へ:オランダ・マーストリヒト大学におけるPBL教育,大阪大学高等教育研究 5:19-29,査読有 3. 徐淑子・池田光穂(2017)薬物問題についての最近の動向と大学生を対象とした薬物乱用防止教育,Co* Design 1:67-84, 査読無. 4. 徐淑子・池田光穂・近藤千春(2017)オランダにおける薬物使用者へのケア・サポート資源と医療:ハーム・リダクションから離脱・回復志向的実践まで 『日本アルコール関連問題学会雑誌』18(2):59-65. 査読有. 5. 増田研(2017)「高齢化に向かいはじめたアフリカ社会:長期介護をめぐる潮流」『アフリカNOW』(日本アフリカ協議会)108:8-11. 査読有 6. Mitsuho Ikeda and Sookja Suh(2016), From Where does Our Health Come?: The Sociology of Antonovsky's Salutogenesis. Communication-Design 14:83-93. 査読有 7. 池田光穂(2016)「子殺しと棄老:「動物殺し」としての殺人の解釈と理解について」シンジルト・奥野克巳編『動物殺しの民族誌』57-97, 昭和堂, 365pp.査読有 8. 池田光穂(2016)アーロン・アントノフスキーの医療社会学:健康生成論の誕生『応用社会学研究』58:119-130. 査読有 9. 池田光穂,西川勝,野村亜由美(2016)認知症コミュニケーションの可能性とストレスコーピング『日本ヘルスコミュニケーション学会雑誌』7(1):1 -11. 査読有 10. 山本秀樹(2016)高齢都市居住者を支える「共助」の仕組み作りとその課題:ザンビア共和国ルサカ市における住民団体(CBO)の事例から『アフリカ研 究』90(1):85-92.査読有 11. 増田研(2016)「アフリカの人口高齢化:西暦2100年を見据えた調査と政策策定へ向けて」『アフリカ研究』90: 37-46. 査読有 12. 増田研(2016)「〈老いの力〉の未来を左右する少子高齢化」田川玄、慶田勝彦、花渕馨也(編)『アフリカの老人:老いの制度と力をめぐる民族誌』九州 大学出版会、pp.217-236. 査読無 13. Sookja Suh and Mitsuho Ikeda (2015), Compassionate Pragmatism on the Harm Reduction Continuum: Expanding the Options for Drug and Alcohol Addiction Treatment in Japan, Communication-Design 13:63-72. 査読有 14. 徐淑子・池田光穂(2015)健康教育における〈健康認識の個人化〉をうながす実践について『Communication-Design』12:23- 38. 査読有 15. Hideki Yamamoto(2015). Education for Sustainable Development: Community Learning Centers as the Platform for the Community Based Disaster Preparedness. International Affairs and Global Strategy 39(1) 32-36. 査読有 16. Ikeda, Mitsuho and Michael Berthin (2015) Epicurean Children: On interaction and "communication" between experimental animals and laboratory scientists. Communication-Design 12:53-75. 査読有 17. 増田研(2015)「アフリカに高齢化の時代が忍び寄る」『JANESニュースレター』22:8-10. 査読無 18. 池田光穂(2014)病気になることの意味:タルコット・パーソンズの病人役割の検討を通して『Communication-Design』10:1- 21. 査読有 19. 増田研(2014)「「長崎地元民」の構築:東濱町の竜宮舩における担い手の継続性とアイデンティティの層」『文化環境研究』7:40-48 . 査読無 20. 野村亜由美(2013)変動する生老病死.フィールドプラス,No.9,p.6.年, 査読有 21. 池田光穂(2012)ヘルスコミュニケーションをデザインする『Communication-Design』6:1-16. 査読有 22. 池田光穂(2012)看護人類学から人類学的看護へ『日本遺伝看護学会誌』10(2):49-59. 査読有 23. 増田研(2012)「国際保健分野における文化人類学的アプローチ:ローカルとグローバルの接合地点で調停役を買ってでる」『公衆衛生誌』59(3): 189-192. 査読有 24. 池田光穂(2011)拡張するヘルスコミュニケーションの現場、『保健医療社会学論集』22(2):1-4. 査読有 25. 池田光穂・西村ユミ(2010)「臨床コミュニケーション教育:PBLから対話論理へ、対話論理から実践へ」『日本ヘルスコミュニケーション研究会雑誌』 1(1):48-52. 査読有 26. A. Nomura, S. Honda, H. Hayakawa, S. Amarasinghe, K. Aoyagi.(2010) Post-Traumatic Stress Disorder Among Senior Victims of Tsunami-Affected Areas in Southern Sri Lanka. ACTA MEDICA NAGASKIENSIA, 55:41-46.査読有 27. Mitsuho Ikeda & Michael K. Roemer (2009). “Distorted Medicalization” of Senile Dementia: The Japanese case. World Cultural Psychiatry Research Review 2009, 4(1): 22-27. 査読有 28. Redsch O, Miyaishi S, Heinemann A, Fiedler G, Püschel K, Yamamoto H, Ishizu H.(2006) Comparison of German and Japanese general practitioners' awareness of suicide and attitudes toward patients with suicidal ideation. Acta Med Okayama. 2006 Jun;60(3):159-65.査読有 29. 池田光穂(2001)『実践の医療人類学—中央アメリカ・ヘルスケアシステムにおける医療の地政学的展開』世界思想社、390pp., 査読無 30. 池田光穂(2000)「病気の文明史」『生活の地域史』川田順造・石毛直道編,山川出版社, pp.258-289. 査読有 31. 池田光穂(1998)「保健活動——制度的海外ボランティアの過去・現在・未来」『人類の未来と開発』川田順造ほか編,岩波書店,pp.107-114. 査読有 |
人権の保護及び法令等の遵守への対応
1.本研究は、日本および海外での現地調査を予定し ているため、参与観察、インタビュー、民族誌的データの収集等において、個人のプライバシーに関わる情報を取得する可能性を有する。とりわけ、高齢化比率 や安楽死選択に関するジェンダー格差があるという実態に鑑み、ジェンダーへの配慮、ならびに高齢者への配慮という倫理面での対応を怠らないようにする。
2.研究情報の保護に関しては、調査対象者に文書お よび口頭において、事前に確認をとり、被調査者との信頼性を確保することに努める。また、データを記載したフィールドノートならびにパーソナル端末等は管 理を厳格にして漏えいがないように努める。また研究発表に関しては、個人情報と当人とが「連結可能」になる危険性をもつ場合は、必ず本人に照会するように する。また、関連する組織や個人と研究者の間に利益相反がおこる事項については、その都度チェックして関係機関に報告し、研究遂行による不利益がだれにも 生じないにように務める。
3.これらの調査上における個人情報の保護と「人を 対象とする医学系研究に関する倫理指針」(厚労省)等に記載されている理念を本研究に関わるすべての人と共有するように努める。また、この要綱等は研究の 各年度の初回の会合・集会のごとに印刷配布して、倫理上のミスコンダクトがおこらないように留意する。
4.研究代表者が所属する大阪大学COデザインセン
ターには、研究倫理委員会が設置されており、研究が採択されることがわかった時点で、審査のための具体的な調査項目に関する研究計画書を別途作成し審査を
受けるものとする。
本文……
●クレジット:池田光穂・徐淑子「人口高齢化と安楽 死選択に焦点をあてたグローバル老年学の提唱(Proposal for Creating Global Gerontology focusing Choice of Euthanasia in a Hyper Aged Community)」。この研究計画書は平成30 (2018)年度科学研究費補助金に申請した「人口高齢化と安楽死選択に焦点をあてたグローバル老年学の科学社会学的研究」の計画書の一部です。申請は平 成29(2017)年10月末です。この研究のアイディアや内容を使って自由に研究をされることは、問題ありませんが、もし2017年10月末以降に、完 全にこの内容に一致あるいは著しく合致するような研究計画書があり、このHPについての言及がなかった場合は、断りもなく自分のものとして剽窃している可 能性がありますので、くれぐれもご注意ください。研究の、先取権を尊重しない研究者は、尊敬に値することのない研究者であります。
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