保 守主義
Classical conservatism and economic liberalism
保守主義の古典的代表格は、エドマンド・バーク(Edmund Burke, 1729-1797)とアレクシス・ド・トクヴィル(Alexis de Tocqueville, 1805-1859)であろう。
さて、保守思想が生まれてくる背景には、それに先行 する自由主義(リベラリズム)の思想が欠かせない。そして、若干矛盾したり、権力的にトレードオフの関係にあるのだが、(社会契約にもとづき)個人の自由 を保証するためには、個人の関係をもつ社会や国家は、できる限り個人の自由を保証すべく義務と責任を負う存在でなければならない。
★リベラル保守主義とは、保守的な政策とリベラルな立場、特に経済的、社会的、倫理的な問題 を組み合わせた政治イデオロギーであり[1]、リベラリズムの影 響を強く受けた政治保守主義のブランドである。リベラル保守主義には、経済への政府の介入を最小限に抑えるという古典的リベラルの考え方が取り入れられて おり、それによれば、個人は政府の干渉を受けずに自由に市場に参加し、富を生み出すべきである[2]。しかし、リベラル保守主義はまた、個人が他の生活領 域において責任ある行動をとることを徹底的に信頼することはできないとし、したがってリベラル保守主義者は、法と秩序を確保するためには強力な国家が必要 であり、国民に対する義務感と責任感を育むためには社会制度が必要であると考える[2]。ヨーロッパでは、リベラル保守主義が現代の保守主義および中道右 派政治の支配的な形態である。
"Liberal conservatism is a political ideology combining conservative policies with liberal stances, especially on economic, social and ethical issues,[1] representing a brand of political conservatism strongly influenced by liberalism. Liberal conservatism incorporates the classical-liberal view of minimal government intervention in the economy, according to which individuals should be free to participate in the market and generate wealth without government interference.[2] However, liberal conservatism also holds that individuals cannot be thoroughly depended on to act responsibly in other spheres of life, therefore liberal conservatives believe that a strong state is necessary to ensure law and order and social institutions are needed to nurture a sense of duty and responsibility to the nation.[2] They also support civil liberties, along with some socially conservative positions. In Europe, liberal conservatism is the dominant form of contemporary conservatism and centre-right politics." | リベラル保守主義とは、保守的な政策とリベラルな立場、特に経済的、社
会的、倫理的な問題を組み合わせた政治イデオロギーであり[1]、リベラリズムの影響を強く受けた政治保守主義のブランドである。リベラル保守主義には、
経済への政府の介入を最小限に抑えるという古典的リベラルの考え方が取り入れられており、それによれば、個人は政府の干渉を受けずに自由に市場に参加し、
富を生み出すべきである[2]。しかし、リベラル保守主義はまた、個人が他の生活領域において責任ある行動をとることを徹底的に信頼することはできないと
し、したがってリベラル保守主義者は、法と秩序を確保するためには強力な国家が必要であり、国民に対する義務感と責任感を育むためには社会制度が必要であ
ると考える[2]。ヨーロッパでは、リベラル保守主義が現代の保守主義および中道右派政治の支配的な形態である。 |
- Liberal conservatism . |
この2人に先行する保守思想の人物も含めて、ウィキ ペディア(Classical conservatism and economic liberalism)を引用する。
★歴史的に見ると、18世紀から19世紀にかけての保守主義は、確立された伝統への配慮、権 威の尊重、宗教的価値観に基づく一連の原則から成っていた。この ような伝統主義的、古典的な保守主義は、啓蒙時代以降のジョゼフ・ド・メストル(1753-1821)の著作に代表されると考えられている。同時代の自由 主義は、現在では古典的自由主義と呼ばれ、個人の政治的自由と経済分野における自由市場の両方を提唱した。この種の思想は、ジョン・ロック、モンテス キュー、アダム・スミス、ジェレミー・ベンサム、ジョン・スチュアート・ミルによって広められた。彼らはそれぞれ、経済的自由主義、政教分離、社会的自由 主義、功利主義など、自由主義の父として記憶されている。/ また、エドモンド・バークやアレクシス・ド・トクヴィル[12]のような著者が個人の自由や伝統的な美徳を賞賛した背景には、歴史的変化に対する寛容さや 専制的多数派に対する疑念があると強調する学者もいる。しかし、リベラル保守の原型は、保守的な社会的態度と経済的にリベラルな考え方を組み合わせた人々 であり、個人の自由が保障される限り、生まれながらの特権を直接批判することなく、人間間の自然的不平等に対するそれまでの貴族的理解を実力主義のルール に適応させたものであるという点で、一般的な合意がある。やがて産業革命が進み、貴族制が力を失うと、西欧諸国の保守派の大半は自由市場経済の考え方を取 り入れるようになり、現在ではそのような考え方は一般的に保守主義の一部とみなされるまでになった。とはいえ、ほとんどの国では、自由市場経済的な考え方 を持つ人々を指す言葉としてリベラルという言葉が使われている。ヨーロッパ大陸、[13]オーストラリア[14]、ラテンアメリカがそうである[15]。
Historically, conservatism in the 18th and 19th centuries comprised a set of principles based on concern for established tradition, respect for authority and religious values. This form of traditionalist or classical conservatism is often considered to be exemplified by the writings of Joseph de Maistre (1753-1821) in the post-Enlightenment age. Contemporaneous liberalism, now recalled as classical liberalism, advocated both political freedom for individuals and a free market in the economic sphere. Ideas of this sort were promulgated by John Locke, Montesquieu, Adam Smith, Jeremy Bentham and John Stuart Mill, who are respectively remembered as the fathers of liberalism, including economic liberalism, the separation of church and state, social liberalism and utilitarianism. / According to scholar Andrew Vincent, the maxim of liberal conservatism is "economics is prior to politics".[11] Others emphasize the openness of historical change and a suspicion of tyrannical majorities behind the hailing of individual liberties and traditional virtues by authors such as Edmund Burke and Alexis de Tocqueville[12] as the basis of current liberal conservatism which can be seen both in the works of Raymond Aron (1905-1983) and Michael Oakeshott (1901-1990). However, there is general agreement that the original liberal conservatives were those who combined conservative social attitudes with an economically liberal outlook, adapting a previous aristocratic understanding of natural inequalities between men to the rule of meritocracy, without directly criticizing privileges of birth as long as individual liberties were guaranteed. Over time, the majority of conservatives in the Western world came to adopt free market economic ideas as the Industrial Revolution progressed and the aristocracy lost its power, to the extent that such ideas are now generally considered as part of conservatism. Nonetheless, the term liberal is used in most countries to describe those with free-market economic views. This is the case in continental Europe,[13] Australia[14] and Latin America.[15] | 歴史的に見ると、18世紀から19世紀にかけての保守主義は、確立され
た伝統への配慮、権威の尊重、宗教的価値観に基づく一連の原則から成っていた。このような伝統主義的、古典的な保守主義は、啓蒙時代以降のジョゼフ・ド・
メストル(1753-1821)の著作に代表されると考えられている。同時代の自由主義は、現在では古典的自由主義と呼ばれ、個人の政治的自由と経済分野
における自由市場の両方を提唱した。この種の思想は、ジョン・ロック、モンテスキュー、アダム・スミス、ジェレミー・ベンサム、ジョン・スチュアート・ミ
ルによって広められた。彼らはそれぞれ、経済的自由主義、政教分離、社会的自由主義、功利主義など、自由主義の父として記憶されている。/
また、エドモンド・バークやアレクシス・ド・トクヴィル[12]のような著者が個人の自由や伝統的な美徳を賞賛した背景には、歴史的変化に対する寛容さや
専制的多数派に対する疑念があると強調する学者もいる。しかし、リベラル保守の原型は、保守的な社会的態度と経済的にリベラルな考え方を組み合わせた人々
であり、個人の自由が保障される限り、生まれながらの特権を直接批判することなく、人間間の自然的不平等に対するそれまでの貴族的理解を実力主義のルール
に適応させたものであるという点で、一般的な合意がある。やがて産業革命が進み、貴族制が力を失うと、西欧諸国の保守派の大半は自由市場経済の考え方を取
り入れるようになり、現在ではそのような考え方は一般的に保守主義の一部とみなされるまでになった。とはいえ、ほとんどの国では、自由市場経済的な考え方
を持つ人々を指す言葉としてリベラルという言葉が使われている。ヨーロッパ大陸、[13]オーストラリア[14]、ラテンアメリカがそうである[15]。 |
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