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機械装置と資本

Machine and Capital

池田光穂

★★★★★★なおまた機械装置が社会の科 学,生産力一般の蓄積とともに発展するかぎ りでは,一般的社会的労働が自己を表示するのは,労働においてではなく て,資本においてである.社会の生産力は固定資本で測定され,そのなかに 対象的形態で実存するのであり,また反対に資本の生産力は,資本が無償で (gratis)領有するこの一般的進歩とともに発展する.ここでは機械装置の発 展を細目にわたって(en detail)ではなくて,たんに一般的側面からだけ研 究すべきである.固定資本において労働手段が,それの素材的側面からみて その直接的形態をうしない,索材的に資本として労働者に対立するかぎり で,研究すべきである.機械装置において知識は労働者の外にある無縁なも のとして現れる.そして生きた労働は,自立的に作用する対象化された労働 のもとに包摂される.労働者は,彼の行動が[資本の]欲望によって条件づ けられていなし、かぎりでは,余分なものとして現れる 資本に関する章、第二編資本の流通過程 647ページ

自然は機械を作りださないし,機関車,鉄 道,電信(electric telegraphs),ミ ュール自動精紡機(selfacting mules)等を作りださない.それらは人間の勤労 (menschliche Industrie)の産物である.《言いかえるなら》自然を支配する人間 の意志の器官,または自然における人間の意志の実証の器官に転化されてい る天然の材料である.それらは人間の手によって創造された人間の頭脳の器 官,対象化された知力である.固定資本の発展は,一般的社会的知識(Wis sen, Knowledge)がどの程度まで直接的生産力となったか,したがって社会 的生存過程それ自体の諸条件がどの程度まで一般的知性(general intellect) の支配下にはいったか,この知性にしたがってどの程度まで改造がおこなわ れたか,をしめしている.《固定資本の発展は,》社会的生産力が,知識とい う形態でばかりでなく,社会的実践の,現実的な生な生存過程の直接的器官とし て,どの程度まで生産されたか,《をしめしている》. 資本に関する章、第二編資本の流通過程 655ページ

リンク

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  • 経済学批判要綱(Grundrisse)』▶︎▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎
  • 文献

  • 『マルクス資本論草稿集 1 1857-58年の経済学草稿 第1分冊』、資本論草稿翻訳委員会訳、大月書店、1981年 ISBN 4-272-10011-4
  • 『マルクス資本論草稿集 2 1857-58年の経済学草稿 第2分冊』、資本論草稿翻訳委員会訳、大月書店、1993年 ISBN 4-272-10012-2
  • マルクス『経済学批判要綱(草案)』全 5巻、高木幸二郎監訳、大月書店、1958-65年
  • その他の情報


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