近代神経科学の著しい成長:ジョナサン・モレノ『操作される脳』04
「近年、神経科学は目覚ましく成長している。成長度の目安の一つとなるのが、北米神経科学学会(Society for Neuroscience)の成功である。1970年に設立されたこの学会は、現在では会員数3万5000名以上を誇る。また、神経科学に関する論文や書 籍、学問的プログラムの数が爆発的に増加していることからも、この分野の成長が著しいのがわかる。続々と発表される新しい知識のすべてをフォローするのは 困難だ。また、神経科学は、微積分学、一般生物学、遺伝学、生理学、分子生物学、一般化学、有機化学、生化学、物理学、行動心理学、認知心理学、知覚心理 学、哲学、コンピュータ理論、それに研究設計に至るまで、様々な分野をとりこんで統合しようとしているのだが、これらの分野の基礎をすべてマスターするの もとうてい無理な話だ。神経科学は「脳科学」と呼ばれることも多いが、実際には脳だけではなく神経系全体の科学なのだ。神経系は発達の極みにあり、驚くほ ど複雑なシステムなのだが、体中を走る神経繊維の性質やその重要性が理解されはじめたのは、ほんの最近のことである。先にあげたような多岐にわたる研究分 野を総動員し、さらに生きている人間の脳を研究する新技術を開発していくなかで、近代神経科学が誕生したのである」(モレノ 2008:40-41)。
・1950年国家安全保障会議(NSC)政策書NSC-68「米国安全保障の目的と計画」「兵力を増大させるには、米国および同盟国の科学的潜 在能力の利用を加速し、技術的優越性を拡大してゆくことが必須である」(モレノ 2008:45)。
・NSC(国家安全保障会議, The National Security Council )はホワイトハウスにある「国家安全保障会議」のことであり、大統領が議長の国防・軍事(戦争を含む)・防諜を総合したものだが、戦争一辺倒の会議をする ものでないことを明らかにするために、1949年以降、陸軍長官、海軍長官、空軍長官を正規メンバーから除外しているのが特徴である。
・軍事国家(garrison
state):エール大学の政治学者ハロルド・ラスウェルの用語:戦争状態が状態化し、軍備のみならず社会の体制が軍事化している社会。 Harold
D. Lasswell, The Garrison State, American Journal of Sociology Vol. 46,
No. 4 (Jan., 1941), pp. 455-468.
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