ロボヒューマンと多幸な日本人技術者:ジョナサン・モレノ『操作される脳』08
「ロボット動物以上に可能性は薄いけれども、技術的には「ロボヒューマン」も可能だろう。危険に対する耐性が高く、よく訓練された自律式の 機械兵士よりも、ロボヒューマンのほうが優れているものか、という疑問はとりあえず脇に置く。[日本の——引用者]共同通信の記者が、すでにこんな経験に ついて書いている。特製のヘッドセットを装着し、オペレータがジョイスティックを右に左に倒すと、ヘッドセットを通して電気刺激を受ける。電流のせいで体 のバランスを崩し、まっすぐ歩こうとしても歩けない。「研究者がスイッチを右に倒すたびに、右側に歩いていきたいという、奇妙で抵抗しがたい衝動が起こっ た」という。NTT の研究者は、直流電流で内耳の前庭に刺激を与えてプレッツェルのようにカーブしたルートでも誘導できると言う。この研究の目標は、バレリーナなど、複雑な 身体技能を身につけようとする人の学習能力を高めるというなんとも親切なものらしい。記者は「見ない手が脳をいじっているようだ」と締めくくっている」 (モレノ 2008:96-97)。
※監訳者である久保田競による訳注
「内耳の前庭にある感覚細胞は三次元での加速度のかかる方向を感知し、前庭細胞を経て脳に伝えている。感覚細胞に電気刺激を与えると、細胞
の興奮パターンが変わり、平衡感覚の錯覚が起きる。この研究をおこなった前田太郎は、その後、大阪大学に移り、平衡感覚に加えて視覚・聴覚・触覚といった
各種感覚のインターフェイスを備えたウェアラブル(=着用可能な)・コンピュータなどを研究している」(モレノ 2008:97 脚注)。
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