ボーグと人類進化:ジョナサン・モレノ『操作される脳』09
「人間と機械の「共生体」というこの発想は、『新スターク』のファンならピンとくるだろう。ボーグはかつては有機的な生物だったが、今や機 械や電子部品を同化した種族、だ。ボーグには真に独立した個体は存在せず、「ボーグズ」という複数形表現はあり得ない。彼らはひとまとまりの「ザ・ボー グ」を構成している。アリのコロニーのような集合体なのだ。薄気味悪いこのボーグの存在理由は、出会った生物をすべて同化吸収して取り込んでしまうこと だ。/AUGCOG[DARRPA[Defense Advanced Research Projects Agency]=防衛先進研究プロジェクト・エージェンシーによる Augmented Cognition=認知増大プログラム——引用者]とボーグとの相似関係が私のアイデアだったらいいのだが、残念ながら功績はヒューマン・マシン・コグ ニション研究所のメンバーたちに譲らなければならない。ロバート・ホフマンの、グループは、「ボーグ仮説」と題した論文で、長期間の宇宙旅行が生物にとっ て深刻でおそらく解決不能な問題、たとえば無重力環境ですごすことによる骨量の減少や、放射線への暴露による深刻な障害などを引き起こす、と書いている。 母星から飛び出そうとする種にとって、どうすればいいのかは明らかだ。ホフマンたちはこう述べている。
「私たちはここで、新たな意味での進化に手を伸ばそうとしているのだ。地球上では、進化によって人間が生み出された。この生きものは自分 を再構築することができる。たとえば外観(義肢など)や身体内部の解剖学的構造(人工内耳の埋込などさらには分子生物学的な性質(遺伝子治療など)まで も、作り変えることができる。人間と機械との共生によって、私たちは進化の境界線上に達している。今や、人間という種は、自らの進化に手を加えることもで きるし、それだけではなく、進化が起こるルールを変えることさえできるようになっているのだ」」(モレノ 2008:114-115)[原著 Moreno 2006:55 ※ホフマンに関する文献は原著(Moreno 2006:186-187)参照]。
リンク
文献
その他の情報
Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099
★
Do not paste, but [Re]Think our message for all undergraduate students!!!