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脳補綴(brain prosthesis):ジョナサン・モレノ『操作される脳』24
池田光穂
「シリコンベースの記憶増強の可能性はこれだけではない。「脳補綴(brain
prosthesis)」と呼ばれる、脳の損傷部位に代わって働くチップも開発中である。脳卒中やてんかんの患者で使用可能になれば、正常な脳の増強にも
使われるようになるかもしれない。記憶障害の患者では海馬が損傷を受けていることが多い。新しい経験はまず海馬で処理されてから、脳の他の部分に記憶とし
て貯蔵される。この海馬の役割をするチップ、つまり人工的な海馬、がラットで研究されているのだ。ラットの海馬を切片にし、電気刺激してインプットとアウ
トプットとの関係を記録し、マッピングする。これをもとにモデルを作製し、チップ上に符号化して再現する。チップを脳の適当な場所に置き、損傷を受けた部
分をまたぐようにしてリード線で脳と結合する。これで、損傷部分に入ってくる情報がチップに送られ、チップからの情報は基本的に損傷部分をバイパスして正
常な部分に送られることになる。発想としては簡単そうだが、南カリフォルニア大学(USC)の研究者たちは、DARPA
、海軍研究事務所、米国国立科学財団から支援をうけ、完成するまでに10年聞を費やした。USC
のチームは、ラットから取り出した海馬を用い生体外でこのシステムをテスト中である。ゆくゆくは、生きたサルにチップを移植して、記憶が関係する行動の変
化が起きるかどうかテストする予定だという」」(モレノ 2008:243-244)。
リンク
文献
- ジョナサン・D・モレノ『操作される脳』久保田競監訳、西尾香苗訳、東京:アスキー・メディアワークス、2008年(D.
Moreno, Jonathan. 2006. Mind wars: Brain research and national defense.
New York: Dana Press.)
【書誌情報】210pp. ; 24 cm 内容: DARPA on your mind ; Of machines and men ;
Mind games ; How tothink about the brain ; Brain reading ; Building
better soldiers ; Enter the non-lethals ; Toward neurosecurity. 注記:
Includes bibliographical references and index. ISBN: 9781932594164.
著者標目: Moreno, Jonathan D..分類: LCC : UH399.5 ; DC22 : 355/.07, 件名:
Medicine, Military -- Research ; Medicine, Experimental ; Brain --
Research ; National security ; Human experimentation in medicine.
DARPA: Defense Advanced Research Projects Agency.
- D S Childress, Closed-loop control in prosthetic systems:
historical perspective. Ann Biomed Eng. 1980;8(4-6):293-303. doi:
10.1007/BF02363433.
その他の情報
Copyleft,
CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099
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