はじめによんでください
記憶をいじり回すことの倫理性:ジョナサン・モレノ『操作される脳』25
池田光穂
「記憶をいじりまわすことは、人格的同一性についての大問題も引き起こす。一八世紀の哲学者、ディビッド・ヒュームにまでさかのぼれるのだ
が、哲学では、私たちの自分自身についての概念は、意識の流れに入ってきた自分自身に関する以前の考えを含め、記憶された経験と緊密に結びつくと考えられ
ているからだ。越えるべきではない境界線があると確信している人なら誰でも、記憶力や忘却力を改良することについて不安を感じるに違いない。電流をわきへ
そらして脳の破損領域を回避するUSC
の脳内チップは、一部のニューロンが回路から除外されることになるので、何らかの人格の変化などを引き起こす可能性をもっている。しかしオックスフォード
大学の哲学者で人格的同一性論の専門家であるバーナード・ウィリアムズは、この状況は、すでに私たちが受けいれている脳腫瘍の切除とそれほど違わないと述
べている。もちろん、たとえ同じ結果になるとしても、治療と増強とでは倫理的に話が違うという考え方もあり得るが」(モレノ
2008:246-247)。
リンク
文献
- ジョナサン・D・モレノ『操作される脳』久保田競監訳、西尾香苗訳、東京:アスキー・メディアワークス、2008年(D.
Moreno, Jonathan. 2006. Mind wars: Brain research and national defense.
New York: Dana Press.)
【書誌情報】210pp. ; 24 cm 内容: DARPA on your mind ; Of machines and men ;
Mind games ; How tothink about the brain ; Brain reading ; Building
better soldiers ; Enter the non-lethals ; Toward neurosecurity. 注記:
Includes bibliographical references and index. ISBN: 9781932594164.
著者標目: Moreno, Jonathan D..分類: LCC : UH399.5 ; DC22 : 355/.07, 件名:
Medicine, Military -- Research ; Medicine, Experimental ; Brain --
Research ; National security ; Human experimentation in medicine.
DARPA: Defense Advanced Research Projects Agency.
その他の情報
Copyleft,
CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099
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