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ビッグデータとの戦い方/ビッグデータの飼い慣らし方

Against Big Brother's BIG DATA: A Civilian Strategy

池田光穂

ビッグデータは、それを管理している国家や企業は、 自分たちのためには、データの出所になっ ている市民のデータのプライバシーの秘匿や保護などにおかまいなしに、ダートゥム(データの単数形)を記号のように操作し、市民を管理し、またそれを公益 性に照らすことなる単なる企業の営利目的のために使う。

ビッグデータ管理は、市民にとって敵である。なぜな ら、市民が持とうが企業や国家が持とう が、現在では「情報は力なのである」から。

したがって、市民はお互いにリゾームを形成し、国家 や企業が、我々の情報的生活に介入するこ とを阻止し、同意なしでのデータの抽出や管理に対して、無条件の抵抗権を有することができる。

デイビッド・ライアン(David Lyon, 1948- )は、そのようなビッグデータの監視体制に対して次のように述べている。

Big Data Surveillance: In the world of big data surveillance, huge amounts of data are sucked into systems that store, combine and analyze them, to create patterns and reveal trends that can be used for Security, Marketing and Governance. Source: http://www.sscqueens.org/

そして、彼の近著『スノーデン・ショック』 (2016:152-155)の中で、次の8つよ うな処方せんを、そのスローガンとしてあげている。

1.変化の機運に取り組む

2.新しい実践を共有する

3.もっとも重要なことに集中する

4.権力に対して真実を述べる

5.脆弱性への認識を高める

6.法律や政策に影響を与える

7.忍耐強い持続力をもって変化を要求する

8.なぜこれが重要かを思い出す

Hans Rosling ら(2018) の『ファクトフルネス』(データに十分裏付けられた)における人間の10の本能

"Factfulness: The stress-reducing habit of only carrying opinions for which you have strong supporting facts. When asked simple questions about global trends - why the world's population is increasing; how many young women go to school; how many of us live in poverty - we systematically get the answers wrong. So wrong that a chimpanzee choosing answers at random will consistently outguess journalists, Nobel laureates, and investment bankers. In Factfulness, Professor of International Health and a man who can make data sing, Hans Rosling, together with his two long-time collaborators Anna and Ola, offers a radical new explanation of why this happens, and reveals the ten instincts that distort our perspective. It turns out that the world, for all its imperfections, is in a much better state than we might think. But when we worry about everything all the time instead of embracing a worldview based on facts, we can lose our ability to focus on the things that threaten us most. Inspiring and revelatory, filled with lively anecdotes and moving stories, Factfulness is an urgent and essential book that will change the way you see the world." - Nielsen BookData.

1.ギャップの本能

2.否定の本能

3.直球でしかける本能

4.恐れの本能

5.サイズの本能

6.世代の本能

7.運命の本能

8.単一の視座の本能

9.他者非難の本能

10.先を急ぐ本能

■キャシー・オニールによるAIとビッグデータの否定的諸相

キャシー・オニール『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠 』によるとAIとビッグデータに信仰を深めすぎると次のような弊害に陥るという。

1)採用するモデルが最適でないと、とんでもない予測を引き出してしまう。

2)ビッグデータという言葉は不必要な不安を煽る信仰にまでなりはててしまったので、今日ではビッグデータ売り物にする「データービジネス」が不当な利益を稼ぐようになった

3)大学ランキングというものが評価ビジネスとして定着したので、似たような評価軸でラットレースする大学が同じような規格化されたアリーナのなかでラットレースする。そのため、大学(とりわけ一流校)の個性がなくなりつつある。

4)ビックデータ信仰(カルト)に陥ると、弱みにつけこむオンライン広告業者にだまされてホイホイと広告料をかっさらわれてしまう

5)「公平」さが、効率性の犠牲になってしまう。つまり、効率性が優先されて、公平さが失われる。

6)経験的にみてもっとも最適な候補者を、AIやビッグデータのご託宣を信じて、採用しないことがある

7)職場を効率性だけでしばり、人間性を失わせてしまう。

8)AIやビッグデータの出す評価を客観的なものだと過度に信じることで、組織の人間が「格付け評価」の虜になってしまう。

9)日頃使っているアプリケーションから個人データが採集されて、個人の行動や健康のデータも、公衆の大義のために召し上げられてしまう。

10)対話による民主主義ではなく、ネットワークの中のポピュリズムのほうに信頼をおいてしまい、最終的に民主主義を辛抱強く飼いならすことを諦めてしまう。

リンク

文献

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For all undergraduate students!!!, you do not paste but [re]think my message. Remind Wittgenstein's phrase,

"I should not like my writing to spare other people the trouble of thinking. But, if possible, to stimulate someone to thoughts of his own," - Ludwig Wittgenstein

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