はじめによんでください

ペイシャンティズムあるいは患い主義

patientism

池田光穂

☆ アネマリー・モルは、糖尿病治療の民族誌研究を通して、生の管理の現場には、選択のロジック(logic of choice)とケアのロジック(logic of care)があるという。選択の論理は、インフォームド・コンセントにしたがって、患者に医療者と対等、平等の対応をもとめる態度である。ケアの論理と は、患者に寄り添い、患者と一種の運命を共にして、協働する立場である。そこには、価値自由の論理が希薄になり、ともに共通の目的をもってコラボレーショ ンする共感的平等の論理がみられる。ペイシャンティズムは、ケアの論理にたって、治療実践を医療者中心的な制度的戦略から、患者の苦悩経験をシェアしなが ら、患者の生の技法にたつ立場だ。

Patientism is a term that generally refers to a mindset or belief system that values patience as a central virtue. It often emphasizes the importance of waiting, enduring, or exercising self-control in various aspects of life. This concept can manifest in different ways depending on the context:

1. Personal Growth: In personal development, patientism might advocate for the idea that patience is essential for achieving long-term goals and overcoming challenges. It suggests that personal growth and success often require time and perseverance.

2. Interpersonal Relationships: In relationships, patientism might focus on the value of patience in understanding and supporting others. It can involve waiting for the right moment, giving others the benefit of the doubt, and handling conflicts with a calm and tolerant attitude.

3. Spiritual or Philosophical Perspectives: In some philosophical or spiritual traditions, patientism could be related to teachings that emphasize the virtue of patience as a path to inner peace, wisdom, or enlightenment.

4. Healthcare and Therapy: In the context of healthcare, patientism might refer to the principles and practices related to patient care, such as understanding and respecting the patient's needs, preferences, and experiences.

Overall, patientism is about embracing patience as a guiding principle in various aspects of life.
ペイシャンティズム患(わずら)い主義とは、一般的に忍耐=患いを重要 な美徳として重視する考え方や信念体 系を指す用語である。それはしばしば、人生のさまざまな局面において、待つこと、耐えること、自制することの重要性を強調する。この概念は、文脈によって 異なる形で現れる可能性がある。次の4つの特徴がある。

1. 自己成長:自己啓発において、忍耐主義は、長期的な目標を達成し、困難を乗り越えるためには忍耐が不可欠であるという考え方を支持するかもしれない。忍耐 主義は、自己成長や成功にはしばしば時間と忍耐が必要であることを示唆している。

2. 対人関係:人間関係において、忍耐主義は、他者を理解し、支援する上での忍耐の価値に焦点を当てるかもしれない。忍耐主義は、適切なタイミングを待つこ と、他者に疑いの余地を与えること、穏やかで寛容な態度で対立に対処することを含む。

3. 精神面または哲学的な観点:一部の哲学や精神的な伝統では、忍耐主義は、内面の平和、知恵、悟りへの道として忍耐の美徳を強調する教えに関連している可能 性がある。

4. 医療と療法:医療の文脈では、忍耐主義は、患者のニーズ、好み、経験を理解し尊重するなど、患者ケアに関連する原則や実践を指す可能性がある。

全体として、ペイシャンティズム患(わずら)い主義は、人生のさまざまな側面における指針として忍耐を受け入れることである。
ロールズの「原初状態」(Original position)と「無知のベール」(Veil of ignorance)
「ロールズは、「原初状態」(Original position)というコンセプトを提唱し、この原初状態でみんなが話し合って決めた社会の仕組みこそ公正・公平なものであると主張しました。原初状態 とは、自分たちのアイデンティティーの元となる情報に関する知識を無くされた状態のことです。つまり、自分たちの社会的階級、スキル、年齢、性別、性向、宗教的信条、どんな生活がしたいかという希望などに関する知識をすべて奪われた状態のことです。この原初状態にいることを、ロールズは「無知のベール」(Veil of ignorance)に覆われた状態と表現しました。あらゆる人がこの無 知のベールに覆われた状態になり、その状態のままで(自分がどのようなグループに所属するか分からないままで)、社会のルールに関する合意形成を行いま す。そうすると、公正・公平に基づいたルール(正義の原理Principle of justice)を選択することが最も合理的になります(功利原理Principle of utilityよりも合理的です)。自分はひょっとしたら最も恵まれない境遇になるかもしれないと思うため、恵まれない人たちを優遇した政策を選択することになります。もちろんこれは実際にはありえないので思考実験ということになります。もし仮に自分がどのグループに所属するのかが分からなかったとしたときに選んだ選択肢が、社会にとってもっとも公正・公平な選択肢となるということです」
出典:https://healthpolicyhealthecon.com/2016/01/24/veil-of-ignorance/
・選択のロジック(logic of choice)もケアのロジック(logic of care)も、このロールズのいう「原初状態」から、出発している。
・そして、無知のベールのまま、選択のロジック(logic of choice)とケアのロジック(logic of care)が、同時に提出されたと考えてみよう。
・「自分はひょっとしたら最も恵まれない境遇になるかもしれない」と思った時に、選択のロジック(logic of choice)とケアのロジック(logic of care)を比較して、公正・公平に基づいたルールを双方とも選択することが可能になります。
・したがって、ロールズの『正義論』に基づけば、選択のロジック(logic of choice)とケアのロジック(logic of care)の間に優劣をつけることはできません。その2つのロジックを恣意的に選んだなかでは、公正・公平に基づいたルールを導きだすことができます。
















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