医師と民間治療者の比較
Comparative
matrix between Western doctor and Folk healer in modern Japan
解説*池田光穂
医師−患者関係と行者−信者関係
●<医師−患者関係>と<行者−信者関係>の類型論
(※19911214「癒し」の原像を求めて/JAHBS発表をもとに:この図式は現在(2000年)からみるとかなり単純化しすぎて いるようであるが、いまだ有効な点があるのでここで掲載する)
[事項] | 医 師−患者関係 | 行 者−信者関係 |
[構成要素] | 1対1,複数対1 | 1対1,1対複数(家族そのものが治療対 象になる) |
[役割の分担] | 固定的 | 流動的(信者が行者になりうる) |
[関係の成立する時間] | 一時的で病気になったとき | 永続的で連続的 |
[関係を成立させる動機] | 原因の発見と治療 | 信仰であり、具体的には日々の相談や儀礼 の遂行である |
[最終的な目標] | 治病 | 治病ないしは、それを通しての救済(パ ターナリズムにもとづく救い) |
[最終的な目標] | 生物医学あるいは心理学的 | 霊的あるいは宇宙論的(世俗的な道徳秩序 を含む) |
[病因論] | 原因追求の継続あるいは放棄 | 放棄 |
[除外項目の処理] | 原因追求の継続あるいは放棄 | 放棄 |
[失敗の容認] | あり(外的な権威による認定も可能) | ない(あるいは除外項目とみなされる) |
[責任の所在] | 犠牲者を非難(victim- blaming)あるいは個人の責任 | 自由ないしは外在化 |
注1:医師−患者関係は病因モデルであって、地域医療には当てはまらない。患者 が全体がターゲットになるのは、行者−信者関係のみなら ず、医師−患者関係における「家族療法」にも見られる。
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Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099