隠喩と換喩
metaphor & metonymy
解説:池田光穂
隠喩(metaphor):表象による表現することの中には、喩(たと) えという修辞が使わ れるために、表象よりも曖昧なものがあり、それは隠喩(いんゆ、メタファー)と呼ばれる。隠喩は、換喩(かんゆ)との対比のなかで、より狭く定義すれば、 全体を全体で表象するような修辞(=表現のシステム)である。隠喩の例は、王をライオンで表象するようなものである。なぜならばライオンは動物の中の王、 頂点に君臨するものだから、そして王もまた王国の頂点に君臨するから。
換喩(metonymy):表象による表現の一種であるが、隠喩と異なり (上掲参照)、部分 をもって全体を表象する修辞のことである。メトニミー。この換喩の例は、王を王冠で表象するようなものである。王は身体の一部に王冠を戴く存在だからであ る。したがって、隠喩が王とライオンを全体的な関係で表象しているのに対して、換喩は部分と全体の関係を関連性ないしは延長としてみていることがわかる。
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