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へき地医療とは?
Studies for Modern Medical System in Remote Places
渡山恵子(c) Copyright Keiko Warariyama, 2003
へき地(僻地)や、へき地医療については、我々の会話の中でしばしば耳にすることばである。だが、しかし、へき地やへき地医療を明確に定義 できる人は少ない。
保健政策における行政用語として確立した用語法を、渡山恵子(放送大学大学院・修士課程[2004年3月修了])が整理したので、ここに掲 載する。
(離島とは)
陸地から遠く海中に離れてある島。
(僻地とは)
都会に遠い、へんぴな土地。山間部や離島など、交通・通信の不便な地域。
(無医地区とは)
医療機関のない地域で、その地区の中心的な場所を起点として、おおむね半径4Km区域内に人口50人以上が居住している地区であって、 かつ容易に医療機関を利用することができない地区。
(へき地医療対策とは)
僻地・無医地区の住民に対して、他の地区と同様に医療の機会を与え、さらに地区公衆衛生水準の向上をはかって、健康で文化的な生活を保 障しようとする医療対策。
第1次として昭和31年に7カ年計画で出された。この時の無医地区の基準はおおむね半径4Km区域内に人口300人以上が居住している となっている。
(第9次へき地保健医療計画)
へき地保健医療対策の方向性と施策の在り方を明らかにし、へき地保健医療対策事業を総合的かつ計画的に推進するために、国が都道府県に おけるへき地保健医療対策の指針として定めるもの。第9次の期間は平成13年度から17年度までの5カ年。
(へき地保健医療支援機構)
医療の機会に恵まれない地域住民の医療の確保をはかるため、国の第9次へき地保健医療計画に基づき、離島へき地医療確保事業を総合的に 企画・調整し各種事業を円滑かつ効率的に実施することを目的として各都道府県に一カ所設置する。
(へき地医療拠点病院群)
へき地診療所等への代診医等の派遣、へき地従事者に対する研修、遠隔診療支援等の診療支援事業等が実施可能な病院を都道府県単位で「へ き地医療拠点病院群」として編成し、へき地医療支援機構の指導・調整の下に各種事業を行い、へき地における住民の医療を確保することを目的とする。
(へき地保健医療情報システム)
へき地医療に関する各種情報を共有化するため、へき地医療を支援するへき地医療拠点病院群、へき地診療所、行政機関や医師会・歯科医師 会などの関係機関を結ぶインターネット型の全国的情報ネットワークを構築し、代診医派遣にかかわる需給情報の発信・調整やメーリングリストを介した情報交 換等を行い、総合的なへき地医療対策を支援することを目的とする。
(へき地診療所)
無医地区の診療所。
文献
「へき地医療対策について」、鹿児島県衛生部医務薬務課、昭和36年
「鹿児島県保健医療計画」、鹿児島県、平成14年
「保健福祉行政の概要」、鹿児島県保健福祉部、平成15年
「第九次へき地保健医療計画」
なお鹿児島県下の離島・へき地医療の実践的課題に取り組んでいる医療者の研究会に下記のものがある。
講座・研究会
鹿児島大学医学部「離島医療学講座」
自治医大出身を中心とする医師グループ「鹿児島県地域医学研究会」
(c) Copyright Keiko Warariyama, 2003
■ 関連リンク