授業ノートのとり方
Taking notes in your classroom
池田光穂
日本の大学生にもっとも欠けている能力は、ノートをとる力で す。ノートを取る力は、訓練すれば必ず上達します。訓練しなければ、決して上達しません。一度上達すれば、その技術はなかなか忘れません。なぜでしょう か? それはノートの技法は、理術(りじゅつ)に属するものだからです。
■ 授業ノートの取り方
1. この授業が何であるかを受講前にチェック(→「授業から学ぶコツ」)
「授業だから当たり前じゃん!」ということなか れ!前 回は何について学んだのか、今回は何について学ぶのか?先生の前ふりに先だって、自問自答するのぢゃ!
2. 教師の言うアウトラインに注目
アウトラインが話されない場合は挙手してまずリク エス トする。君がそれを要求せずに、その教師がその時間ずっと駄弁を弄することになれば、授業を堕落させた責任の一部は君にも生じるだろう
3. キーワードを列挙する:教師の発話より
4. キーワードを列挙する:君が連想した言葉で
【ポイント】教師の言うキーワードと君が連想した キー ワードはノートの中で区別して書いておくこと
5. 教師のいう命題に注目する。命題は完成した文章 の形 であらわすこと
6. 教師が強調した言葉には下線を引いておく
ノートは後で想起し、考えるためのツールであるか ら、 記述内容はなぐりがきでもかまわない。ただし、後から情報を復元できる程度まで崩すのは容認の範囲なり。
時間があればマーカーだが、マーカーのキャップを あけ る時間があるのなら、その時間を節約して授業に集中するほうがよい。
【教訓】2冊の講義ノートを比較したときに、きれ いな ノートのほうがが濃い授業の内容を必ずしも反映しているわけではないし、そのような経験的事実も確実にあるわけではない。きれいにノートを取るにこしたこ とはないが、まず、後で自分にとってわかる実践的かつ現場力的な力をつけることが先決!
7. ノートに基づいて質問する:授業中
授業中に質問やコメントがある場合は「?」や 「!」を つけておき、適宜質問する。
8. ノートに基づいて質問する:授業のまとめに
授業の最後に君たちは質問する権利がある(無い場 合 は、よい授業とは言えないので、授業時間内に必ずとるように要求しよう)。最後に質問する際には4.で取って置いたキーワードが威力を発揮するはずだ[→無能な大学教師発見法!]
9. かならず復習する:「復習するは我にあり!」
復習とは、講義ノートを読み返し、キーワードを 使って 授業で書ききれなかった命題を文章化することである。その際には、授業とは異なった筆記用具や色のものを使って、<追記>したことを区分するようにする。 これは試験対策で、友人のノートを借りた時に、授業中の教師の主張なのか、君のコメントなのかを区分し、かつモノクロの複写では、友人に重要情報が漏洩し ないためのテクニックなのである(裏技)。
■ イベントノートの取り方
なにも準 備をしていなくても、ある日ある瞬間に突然、重要な話をメモらないといけないこともあります。
以 下は、2018年10月20日の日本人類学会の研究大会で私自身が実践したことです。あまり褒められるメモではありませんが、逆にみなさんを元気付けるこ とになるかもしれないので、以下に示し(晒し?)ます。
上 が、私が参加したイベントです。
そ して、以下が私のメモ(全体の10分の1ぐらいの分量です)
右下にあるのは、日本人類学会の緑色の封筒に書いたものです。
これを実際に見たい方は次のpdfをみてください。いちおうパスワードかけていま す。半角小文字で《CSCD》4文字で解錠します
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