人工知能
Artificial intelligence, AI
解説:池田光穂
人工知能 (AI)とは、計算科学では、連合学習 (Federated learning)を機械におこなわせることである。また、一般的には、人工知能とは、(1)人間の知性・ 知能を計算機によって作り出すこと、(2)作り出され た〈実体〉、あるいは、(3)このことに関 する学問分野や実践、さらには欲望など、を指す多義的な意味をもつ言葉である。俗にいう人工知能(artificial intelligence)とは、コンピュータ科学が定義する、「機械学習」+ 「デープラーニング」+「連合学習=フェデレーティッド・ラーニング」の3つの様態の人工的な学習プロセスのことであり、これは有機体としての人間がおこ なっている「人間学習(human learning)」とは根本的異なっている代物である。その意味で、人間学習は、非人工知能学習(natural learning)のことであり、人工知能がシリコンチップによる無機学 習だとすれば、有機学習であるとも言える。英 語のウィキペディアはそのことを正しく定義している;"Artificial intelligence (AI) is intelligence demonstrated by machines, as opposed to the natural intelligence displayed by humans or animals."(人工知能(AI)とは、人間や動物が示す自然な知能とは異なり、機械が示す知能のことである)(→「人工知能(辞書的定義)」「人工知能の定義をめぐる支離滅裂さ」「人工知能・機械学習・深層学習・連合=協調学習」)
こ こで言う知性・知能とは、単に計算能力だけでなく、推論や学習などの高度の知的能力(それゆえ インテリジェンスの語がつく)のことである。この知的能力の様式をもった[あるいは類似の]活動が計算機=コンピュータにある時[あるいは、あるように思 える時]、技術者は人工知能(AI)を使っていると表現する。計算科学者のジャン=ガブリエル・ガナシアはこういう:「そもそも知能とは、単純作業を実施 するスピードのことでも、メモリに保存された情報量のことでもない。演算能力が向上したり記憶容量が増えたりしたからといって、自動的に知能が生じるわけ ではない」(ガナシア 2019:60)。
人間の知性・知能と計算機のそれは、同じであるのか、そうでないのか。あるいは、将来可能になる のか、ならないのかという学問的議論は、人工知能論争(じんこうちのう・ろんそう, AI論争)と呼ばれており、その決着はついていない(知性・知能の定義次第で、議論は大幅に変わりうるので、永遠に決着が着かないという表現も、もう決着 はついているという表現もともに可能である)。人間と同じ能力をもつ人工知能は、汎用人工知能(Artificial general intelligence)と呼ばれる。
人工知能(artificial intelligence)の用語は、1955年にジョン・マッカーシーらによって初めて使われた(ガナシア 2019:82)。
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Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1997-2099